2014年9月 22日

(今週の見通し 9 月 22 日)
週末の G20 財務相・中央銀行総裁会議では、最近の「ドル高」に関する懸念は出ませんで
したので、円安・ドル高が急に反転する可能性は低くなりました。今週は 25 日が権利付最
終売買日ですので、基本的には「借り株の買戻し=HF が借りて売り建てした日本株」や配
当取りの動きが 25 日までは継続するのではないかと思います。
しかし、安倍政権が公言していた、①GPIF の資産配分の変更や、②北朝鮮拉致被害者
の現状報告は未だに発表されていませんので、少し注意が必要かもしれません。(GPIF の
改革が遅れている可能性も)
今のドル・円相場も日本株も、CTA などの海外ヘッジ・ファドによるマネー・ゲームですので
(最終投資家は買っていないという数字になっているため)、彼らの方針がいつ変わるかにも
注意が必要だと思われます。
すでにテクニカル指標はかなりの過熱感と相場の異常性を示唆していますので、場合によっ
ては、GPIF の新たな資産配分の発表が「材料出尽くし」に繋がる可能性もあるのではない
かと思われます。
筆者の今週の見通しは、
①日経平均 15,500 円~16,500 円
海外年金資金などの最終投資家は日本株を買っていませんし、日本の個人投資家も売り
手に回っていますので(5 週連続の多額の売り越し)、CTA などの HF が利食いを始めれば、
日本株は簡単に下げるのではないかと思います。一方で、相場が下げれば、日銀の ETF 買
いや GPIF などの公的年金の PKO が入りそうですので、当面は下値も限定的ではないかと
思われます。上値は HF の思惑次第ですが、そろそろ利益確定売りも出てくるタイミングでは
ないかと思われます。
②NY ダウ
16,700 ドル~17,500 ドル
先週末でメジャーSQ を通過しましたので、今後は無理して上げる必要もないと思われます。
FRB の利上げ懸念や欧州の需要不足が懸念されれば、米国企業の輸出への懸念で相場
が下げる可能性もあるのではないかと思われます。
一方で、米国の個人消費が予想外に強ければ、17,500 ドル程度までの上昇はあり得るの
ではないかと思います。今週は 25 日発表の 8 月の耐久財受注に注目だと思われます。
③ドル・円 105.50 円~110.50 円
先週は、ドル売り予約をしていた本邦企業が、いったんドル売り予約を解消する動きが出た
ようで、これも「ドル高」を支援したようです。この市場も CTA などの HF などの思惑次第にな
っていますので、ファンダメンタルズやテクニカルでは説明のつかない水準になっています。今後
も CTA など HF の動き次第ですが、すでに利食い売りを始めた HF もあるようですので、注意
が必要だと思われます。
④ユーロ・ドル 1.274 ドル~1.330 ドル
ECB が出来る資金供給策は限られていますし、すでに一部の HF などはユーロ売りポジショ
ンの利食いを始めたようです。今後もユーロの突然の反発に注意が必要なタイミングではな
いかと思います。