平成 26 年 2 月 14 日 平成 25 年度バイオシミュレーション期末試験問題 1 独立変数 Xi が Xi+δXi に変化したとき、従属変数が Xdが Xd+∆Xdと変化したとする。そのとき 感度は、 ln( X d + ∆X d ) − ln( X d ) ∆Xi → 0 ln( X + ∆X ) − ln( X ) i i i ∆Xd → 0 Lid = lim と表される。これが、 ∆X d / X d ∆Xi → 0 ∆X / X i i ∆Xd → 0 Lid = lim のように変換できることを示せ。(10 点) 2 下図の反応ネットワークに係る以下の問に答えよ。(20 点) (1)酵素反応ネットワークを表現する数学モデルを GMA を用いて書け。 (2) べき乗定数が負となる項を指摘せよ。 定数の名前は適当に与えてよい。X1 から X5 は代謝物、X6 から X10 は酵素、また、X1から X4 は従属変数、X5 から X10 は独立変数である。X4 は X1 から X2 への酵素反応を阻害する。GMA は以下のように記述される。 n m dX i f = ∑ kik ∏ X j ijk dt k =1 j =1 阻害 Suppression X9 X7 X2 X1 X5 X4 X3 X6 X8 X10 3 酵素反応の数学モデルに関わる以下の問いに答えよ。(30 点) (1)以下の酵素反応を CMA(Conventional Mass Action)の速度式で記せ。 ka → kx E+S ES → E+P ← ks (2) CMA を Michaelis-Menten 式に変換するときに必要な2つの仮定を記せ。 (3) (1)の酵素反応において、競合阻害剤 I が存在する場合、すなわち、 E+I → E:I ← E⋅I KI = E:I 1 の場合、P の反応速度式を Michaelis-Menten 式に基づいて記述せよ。酵素の全濃度を Eo,ミカエ リス定数 Km を Km = ks + k x ka とする。 4 感度解析について以下の問に答えよ。 (20 点) (1) ロバストネスを生み出す仕組みを述べよ。 (2) S-system: dX 1 = aX 3 − bX 1 p dt dX 2 = bX 1 p − cX 2 X 4 q dt dX 3 dX 4 = = 0 dt dt の定常状態での感度 ∂ ln X 1 ∂ ln X 1 ∂ ln X 2 ∂ ln X 2 , , , ∂ ln X 3 ∂ ln X 4 ∂ ln X 3 ∂ ln X 4 を求めよ。 5 時間の関数である変数 y 1 、 y 2 からなるシステムの連立微分方程式が dy 1 = 2y1 − 3y 2 dt dy 2 = 4 y1 − 5y 2 dt 2 −3 の固有値を用いて、システムの安定性を論じよ。(10 点) 4 −5 のように表される。行列 6 タンパク質 y の転写が自分自身によって促進されるとき、y の反応速度式は次のように記述できる。 dy y = k −y dt K+y このとき、合成速度 v が v=k y K+y (k は比例定数) のように書けることを証明せよ。 プロモータ p とタンパク質 y の結合定数を K = [ p] ⋅ [ y] とする。 p:y はpとyの複合体である。v は [ p : y] (10 点) p:y に比例すると考えてよい。 2
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