表面実装型デバイス用 NC(NEW CLAD)リッド

新製品紹介
表面実装型デバイス用 NC(NEW CLAD)
リッド
NC (New Clad) Lid for Surface-Mounted Device
NNRSN-1
特長
高精度で安定したクロック信号を
きが不要な NC リッドの量産化に成
発信する水晶デバイスは,スマート
功した( 日立金属ナノテックで個片
フォンをはじめ,あらゆる電子機器
加工)
。
めっきが不要であることから,
に搭載されている。
開発したクラッド材をリッドに適
大幅なコストダウンを実現。
水晶デバイスの主な部品構成を図
用するにあたり,KV リッドと同構
1 に示す。水晶素子は,セラミック
成の Ni/KV/Ni クラッドを検討し
スパッケージに内蔵され,シールリ
たが,KV 材は,使用環境における
(3)従来の KV リッドと同等の溶接
ングおよびリッドにて気密封止され
耐食性が不十分なため,プレス後に
条件による封止が可能で,信頼
る。蓋材として使用されるリッドは,
露出した端部の耐食性を確保できな
性 試 験 後 の 気 密 性 を 確 保( 表
セラミックスと熱膨張係数が近似し
かった。そこで,気密封止後の信頼
ている KV 材(Fe-Ni-Co 合金)をプ
性確保のために,低熱膨張特性を有
(4)溶接時に発生する放出ガス( ア
レス加工した後,全面 Ni めっきし
し,かつ耐食性に優れた合金を芯材
ウトガス)が少なく,気密封止
た KV リッドが主流である。水晶デ
に採用することで,端部に芯材が露
後の水晶の周波数特性安定化に
バイスのコストダウンを図るため,
出した状態でも十分な耐食性を持つ
NEOMAX マテリアルは,新たに開
NC リッドを開発した( 図 2)
。
発したクラッド材を使用し,Ni めっ
NC リッドの特長を以下に示す。
(a)
(1)製造コストの多くを占める Ni
(2)Ni めっき処理が困難な薄板( 板
厚 0.05 mm 以下)にも対応。
1)。
有効( 図 3)
。
( 株式会社 NEOMAX マテリアル)
( 株式会社日立金属ナノテック)
表 1 信頼性試験後の気密性試験結果
Table 1 Results of hermetic sealing tests after reliability tests
(b)
Lid
Seal ring
Crystal
NC lid
KV lid
Ref: Just after hermetic sealing, Fine leak
before reliability tests
Gross leak
ND
ND
ND
ND
Fine leak
Pressure cooker test
(120℃, RH 100%, 2 atm, 96 h) Gross leak
ND
ND
ND
ND
Fine leak
ND
ND
Gross leak
ND
ND
Thermal cycle test
(-40℃ to 85℃, 1,000 cycles)
1 mm
ND: Not detected
Surface-mounted crystal device
Ceramic package
図 1 表面実装型水晶デバイス(a)構造(b)外観
Fig. 1 Surface-mounted crystal device (a) schematic structure and
(b) appearance
Lid type
Before test
After test
48 h
120 h
NC lid
Ni
KV lid
Ni
Highly corrosion-resistant
core metal
Ni/KV/Ni clad lid
H2
Ni
H2O
Ni
CO
NC lid
KV
CO2
KV lid
Ni plating
0
KV
Test condition: JIS C60068-2-11
図 2 耐食性試験( 塩水噴霧試験)結果
Fig. 2 Results of corrosion resistance tests (salt spray test)
5
10
15
20
25
30
Amount of outgas (μl/g)
1 mm
図 3 放出ガス量比較
Fig. 3 Comparison of outgas amounts
日立金属技報 Vol. 32(2016)
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