∫ ∫

(11)無限に長い直線電流から距離dの所の磁場を考える。
直線電流の作る磁力線は電流を中心とした円なので、
閉曲線 C として、電流に垂直な平面上に半径dの
円を取り、向きは右ねじの向きとする。このとき、
・対称性より、円上の磁束密度の大きさは同じ
・磁場の向きは円の接線方向、右ねじのむき
なので、このように取った閉曲線 C 上では
B・ds = B・ds・cos0 = B ds
よって、アンペールの法則の左辺はB=一定より、
ò B × ds
= B ò ds = 2 p d × B
L
(1)
一方、閉曲線Cを縁とする面を貫く電流はIなので、 I in =I
よって、アンペールの法則の右辺は、 μ o I ・・・(2)
以上より、アンペールの法則は(1)、(2)より、
ò B × ds
\
B =
= m 0 I in
Þ
2p d × B = m0I
m0I
2p d
(12)まず①導線外(r>R)、次に②導線内(r<R)について考える。
①
r>Rのとき、閉曲線として半径rの円を
とり、閉曲線の向きを右ねじの向き(図では反
時計回り)とする。
・この円上では磁束密度の大きさは同じ
・磁場の向きは閉曲線のむき
かつ、閉曲線を縁とする面を貫く電流の総量は
I in =I
よって、アンペールの法則を使うと、
ò B × ds = B ò ds = 2 p r × B = m
②
0
I
\ B=
m0 I
2p r
r<Rの時、閉曲線として半径rの円を取る。半径Rの導線を流れる電流がIなので、
導線を流れる電流の密度jは、
電流密度j=電流/導線の断面積=I/πR2
よって、半径r(<R)の閉曲線を縁とした面を貫く電流の総量は、
I in =電流密度j×(半径rの円の面積)= I/πR2・ πr2 =I・r2/R2
アンペールの法則を使うと、
ò
\
B × d s = 2 p r × B = m 0 I in = m 0
B =
m0r
I
2p R 2
r2
I
R2
I in ≠Iに注意!
(13)
閉曲線として、半径rの円を、電流の右ねじの向きに取る。
このとき、アンペールの法則の左辺は、(a)~(c)の
いずれの場合も、
ò B × ds = 2p
r×B
・・(1)
この閉曲線を縁とする面を貫く電流の総量I in は、
(a)
r<bのとき、中空部なので、
この円内には電流が流れていないので、
I in =0
(b)
・・(2a)
b<r<aのとき、
bからrまでの部分に電流が流れる。
電流が流れる面積は、S=π(r2 −b2)
∴
(c)
I in =j・S =jπ(r2 −b2)
・・(2b)
r>aのとき、bからaまでの部分に電流が流れる。
よって、電流が流れる面積は、
S’=π(a2 −b2)
I in =j・S’=jπ(a2 −b2)・・(2c)
∴
以上より、アンペールの法則を使うと、
ò B × ds = 2 p r × B = m
\
B =
よって、(a)
0
I in
m 0 I in
2p r
r<bのとき、
(b)
B=0
m0 j 2
2
b<r<aのとき、 B = 2 r ( r - b )
(c)
r>aのとき、
B =
m0 j
(a 2 - b 2 )
2 r
(14)無限に長いソレノイドの場合、磁力線は
ソレノイドの外部=0
ソレノイドの内部は軸に平行
となる。
このとき、閉曲線を図のように長方形Q→R→S→P→Qに取る。
PQ、RSは軸に平行、
QR,SPは軸に垂直である。
・RSはソレノイド外なので、線上でB=0
・QR,PSは磁場Bと垂直なので、
B・ds=Bds cos π/2 =0
・PQは軸に平行なので、PQ上ではB=一定
かつ、PQの長さをaとすると、
アンペールの法則の左辺は、
ò B × ds = ò
R
Q
=
ò
R
Q
ò
B × ds +
ò
B × c o sp / 2 × d s +
ò
B × ds +
S
R
P
S
B × ds + P ò B × ds
Q
Q
S
R
0ds +
ò
P
S
B × c o s 3p / 2 × d s + B ò d s
Q
P
= 0 + 0 + 0 + B ×a = B ×a
一方、この長方形を貫く電流の総量は、単位長当たり巻き数nなので、
PQの長さがaのとき、
I in =nIa
よって、アンペールの法則より、
ò B × ds =
B × a = m 0 I in = m 0 n I a
B = m0n I
\
次に図のように、ソレノイドの内部に長方形Q→R→S→P→Qをとる。
この場合、長方形を貫く電流は0となる。
また、PQ上の磁束密度をB,
RS上の磁束密度をB’とすると、
アンペールの法則の左辺は、
PQ上で ds とBは平行,
向きが同じ、θ=0
RS上で ds とBは逆平行,
向きが逆、θ=π
QR,PSは磁場Bと垂直、θ=π/2,3 π/2 より
ò B × ds = ò
R
Q
=
ò
R
Q
B × ds +
ò
S
R
B × ds +
ò
P
S
B × ds + P ò B × ds
Q
Q
S
B × c o sp / 2 × d s + B ' ò c o sp × d s +
R
ò
P
S
= 0 - B ' a + 0 + B × a = (B - B ') × a
よって、アンペールの法則より、
ò B × ds =
\
Q
B × c o s 3p / 2 × d s + B ò d s
B × a - B ' a = m 0 I in = 0
B = B'
ソレノイドの内部では、磁束密度はどこでも一定となる。
P