平成20年度 線形代数学 IA(理数演習2) 試験問題@松本 (1/20 実施

平成 20 年度 線形代数学 IA(理数演習 2) 試験問題@松本 (1/20 実施)
( 裏面あり)
以下の問に答えよ。 結果だけではなく導出過程も簡明に述べること。単に解答の数値のみが書かれて
いる答案はその正誤に関わらず0点とするので必ず説明を付けること。
解答の順番は問わないが、どの問題の解答であるかが明確に分かるようにすること。
1. 以下の問 (a)∼(d) に答えよ。(配点 50 点、各小問 10 点)
(a) A,B,C,D は全て n 次正則行列であるとする。このとき n 次行列 X を次のように定義する。
X = ((AT )−1 (B T )−1 )T C −1 D
このとき、X −1 はどうなるか。A, A−1 , B, B −1 , C, C −1 , D, D−1 のうちから適切なものを組
み合わせてできるだけ簡単に表わせ。
(b) 3 次元ベクトル x, y を以下のように定義する。
⎛
⎞
⎛ ⎞
1
2
⎜
⎟
⎜ ⎟
x = ⎝ −1 ⎠ , y = ⎝ 1 ⎠
1
2
このとき u = x + cy が x と直交するような実数 c を求めよ。
⎛ ⎞
x
⎜ ⎟
(c) 3 次元空間中の点 x = ⎝ y ⎠ から、平面 x − y + z = 0 に下ろした垂線と、この平面の交点 p
z
の座標を求めよ。
また、x に対して p を対応させる変換は線形変換であり、p = Ax と 3 次行列 A を用いて表
わすことができる。この行列 A を求めよ。
(d) 次の行列の逆行列を求めよ。
⎛
⎜
⎜
⎜
⎜
⎝
1 −1 0
0
−1 2 −1 0
0 −1 2 −1
0
0 −1 2
⎞
⎟
⎟
⎟
⎟
⎠
(e) 次の行列 A の固有値を全て求めよ。
⎛
⎞
0
2 1
⎜
⎟
A = ⎝ −2 4 1 ⎠
2 −2 1
裏面にも問題があります
2. 以下は正しいか誤りか答え、その理由を説明せよ。(配点:50 点、各小問 10 点)
(a) A は n 次正方行列であり、A = BC と、2 つの n 次正方行列 B, C の積で表わすことができ
る。このとき、A が正則であるならば、B, C も共に正則である。
(b) {x1 , x2 , · · · , xm } は n 項列ベクトルの集合である。このとき各 xi は
(xi , xj ) = xTi xj =
1
0
i=j のとき
それ以外
¯ を以下のように定義する。
を満たすとする。ベクトル x
¯=
x
1
(x1 + x2 + · · · + xm )
m
このとき以下が必ず成立する。
¯) = 1
¯
x2 = (¯
x, x
(c) X は n 次直交行列 (即ち X T = X −1 が成立) である。このとき、どんな n 次正方行列 A につ
いても、A の行列式と AX の行列式の値は等しい。
(d) 任意の (m,n) 型行列 A と、零ベクトルでない任意の n 項列ベクトル x について xT AT Ax は
必ず非負である。
(e) A は n 次正方行列である。このとき A の特性多項式と AT の特性多項式は等しい。すなわち
det(λEn − A) = det(λEn − AT )