2015 年度 慶應義塾大学 法学部(世界史) 全体概況 試験時間 60 分 大問数・解答数 難易度の変化(対昨年) 大問数:4題 ○ 難化 ○ やや難化 解答数:46 問 ○ 変化なし 問題の分量(対昨年) ○ 多い ● 変化なし 出題分野の変化 ○ あり ● なし 出題形式の変化 ● あり ○ なし 新傾向の問題 ● あり ○ なし ● やや易化 ○ 易化 ○ 少ない 総評 ここ3年の間、数十個の語群から選ばせる語句・数字の選択問題のみで大問4題・解答数50個という 伝統的な形式から変化が続いていたが、今年度は空欄補充や一問一答式の語句の選択問題が36題、一方 で文章選択型の正誤判定問題は8題であった。正誤判定問題は3年前から5題→2題→15題と出題数が 変動を続けている。また、昨年度は姿を消した地図問題と年代整序問題が1題ずつ出題された。そして 経済学部で頻出の、グラフを用いる問題が大問Ⅱで出された。ただし年代の特定のために用いているだ けであり、この形式をとった意味はあまり感じられなかった。以上のように、問題形式はまだ変化を続 けており、今後も要注意である。 出題範囲は、古代史から現代史までバランス良く出題する例年の傾向の通りである。ただし例年より 西洋史の比重が大きく、西洋史2題・西洋史と東洋史の混合問題が2題という構成であった。また、3 年前から出題数が大きく減少した文化史の問題は、今年度も4題であり少数に留まった。 難易度については、入試問題のレベルを超える非常に細かい語句を求める難問が昨年度は非常に多か ったが、今年度はそうした問題は減少し、難易度は少し低下した。しかし、そうした難問の数は他大学 と比較するとまだまだ多い。選択式であるため、知識にない語句が正答でも消去法などの手法で解ける ものもあるが、それでも正答を特定できない問題が目立つ。こうした問題に対しては、語群の選択肢を 可能な限り絞り込んで正答の確率を上げる努力は重要だが、それ以上こだわる必要はないだろう。正誤 判定問題は、大別すると「正文・誤文とも判断しやすい平易な問題」 ・ 「些末な内容の文を配合してある が誤文のポイントが明確な標準的レベルの誤文選択問題」 ・ 「消去法的に残した複数の候補を比較すると 何とか解ける問題」の3種類であるが、ポイントが細かすぎて受験生には正答不可能なものも少数出題 された。また年代整序問題は、国際連合に関する非常に細かな事項を扱うもので、受験生には正答は困 難であろう。総合的に見て、昨年度よりはやや易化したものの、受験生には手強い内容である。 Copyright (C) 2015 Johnan Prep School Copyright (C) 2015 Johnan Prep School
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