高温殺菌処理を行う 鹿肉の肉軟化処理

高温殺菌処理を行う
鹿肉の肉軟化処理
大阪府立大学大学院
総合リハビリテーション学研究科
講師 黒川 通典
深刻な野生鳥獣の害
森林における鳥獣被害対策のためのガイド(林野庁)から
鳥獣捕獲とその利活用
「鳥獣被害対策の現状と課題」農林水産省 (平成27年8月)から
シカ肉の利活用の例
• 飲食店と連携し、シカ料理を提供
(例) 北海道「エゾシカウィーク」
鳥取県「森の贅沢ジビエフェア」
高知県「四国ジビエグルメフェスタ」
熊本県「熊本ジビエフェア」
• 一般消費者へのアプローチ
レシピブックの配布
精肉の販売
惣菜へ用(コロッケなど)
可能食品へ利用(レトルトカレー、ハヤシライスなど)
• ペットフードとして
消費者が抱く
シカ肉のイメージ
実施期間:
平成26年3月5⽇〜7日
有効回答数:
1,030名
調査実施機関:マクロミル株式会社
シカ肉にどんなイメージをお持ちですか(1)
シカ肉にどんなイメージをお持ちですか
(%)
新鮮だ
4.9 16.7
53.5
栄養的に優れている
7.6
21.8
おいしそうだ
8.1
19.7
高級食材である
10.2
脂肪が多い
5.3
[値
値]
肉質がかたい
においが気になる
食べるのはかわいそう
そう思う
10.9
15.3
4.1 14.6
ややそう思う
16.3
48.0
14.9
40.2
23.9
21.0
36.5
50.3
41.0
38.5
40.5
どちらともいえない
8.6
7.8
11.1
19.8
30.0
35.2
28.2
25.0
あまりそう思わない
9.6
12.9
8.0 5.0
11.7 6.2
15.9
そう思わない
シカ肉にどんなイメージをお持ちですか(2)
シカ肉にどんなイメージをお持ちですか
値段が高い
22.0
入手しづらい
衛生面が不安(寄生虫やウイルス等)
32.5
39.5
38.3
16.8
調理方法が分からない
2.7 (%)
3.2
2.0
2.4
14.4
42.8
31.6
33.2
37.5
31.1
9.9
24.8
7.1
今後(も)シカ肉を食べたい、または調理したいと思いますか
自分で調理してみたい
5.5 8.5
衛生的とわかっていれば食べてみたい
17.3
値段が安ければ食べてみたい
15.9
おいしいとわかれば食べてみたい
機会があれば積極的に食べたい
そう思う
ややそう思う
23.9
18.1
13.0
31.9
23.3
32.8
どちらともいえない
11.1 12.4
25.5
40.8
24.9
3.9
(%)
30.1
35.9
4.3
12.1
18.6
24.0
あまりそう思わない
13.6
11.1 11.5
22.1
16.0
そう思わない
消費者がシカ肉に求めるもの
流通・販売
衛生的
入手しやすい
肉質
やわらかい
食感
手頃な値段
臭くない
おいしい
料理したくない
シカ肉の特徴
•
•
•
•
•
•
•
一般的な訴求ポイント
高蛋白、低脂肪
鉄分が豊富
強み
抗アレルギー性
技術的な
臭みがある
解決ポイント
硬い
脂肪の融点が45℃と高い
値段が高い
付加価値で訴求
牛肉・豚肉・鶏肉が食べられない
肉アレルギー患者は
全国に数多くいる
全国に数多くいる
発想の転換
シカ肉を使った料理
食品衛生法に規定する
特定原材料27品目を使用しない料理
(蛋白質源としてシカ肉を使用)
さらに付加価値
食品衛生法に規定する
特定原材料27品目を使用しない料理
(蛋白質源としてシカ肉を使用)
缶詰にして長期保存可能にすれば
災害用備蓄食品としても活用できる
臭くない
硬くない
料理したくない
精肉
シカ肉使用
調理済み加工食品
• レトルト殺菌(120℃4
分以上)でもシカ肉は
柔らかいまま
• シカ肉の臭みを取り除
く
• シカ肉をジューシーな
味わいに
独自開発技術
衛生的
入手しやすい
缶詰
アレルギー特定
原材料等不使用
保存がきく・少量多品種
高付加価値缶詰
地域の食材を活用
高くても買う
地域の活性化
特産品化・備蓄食品対応
シカ肉をおいしく食べる
野生のシカ肉は衛生的配慮から
十分な加熱が必要
シカ⾁は低温調理だと固くならない
しかし、⻑期保存させるためには
レトルト殺菌(120℃で4分以上)が必要
また、融点が⾼いため冷たいシカ⾁はおいしくない
シカ肉を高温加熱後もやわらかく、
シカ肉を高温加熱後もやわらかく、
そして
そして臭みをとる
臭みをとるために
をとるために
独自技術の開発
シカ肉を冷たくてもおいしく
シカ肉を冷たくてもおいしく
食べられるように
べられるように
独自技術の開発
本技術の特徴
肉の軟化方法そのものは数多くあるが、本技術の特徴は
• 従来技術の複合技術である
• レトルト殺菌後も肉の柔らかさが維持できている
• 抗アレルギー効果が期待できる食品を肉軟化剤として
使用している
• 非常災害用食品として想定しているため、加熱するこ
となくそのまま食べても風味よく柔らかいことを求めて
いる
肉 40g
野菜 96g
計 136g
肉 28g
野菜 112g
計 140g
肉 36g
野菜 99g
計 135g
肉 39g
野菜
115g
計 154g
肉 49g
野菜 101g
計 150g
本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :鹿肉食品およびその製造方法
• 出願番号
:特願2015-112157号
• 出願人
:大阪府立大学
• 発明者
:黒川通典
産学連携の経歴
• 2013年 みどり製菓株式会社と「いちじくスイーツ」を開発
地元特産のいちじくの活用
→ いちじくの啓発
• 2014年 みどり製菓株式会社と「大阪いちじく」を開発
いちじくを皮ごと乳酸発酵させて作ったソース
→ いちじく農家がかかえる問題の解決を図る
• 2015年 羽曳野市観光協会とタッグを組み、新たな
地元特産品の開発に着手
→ 羽曳野市長、観光協会長らとともに商品開発
大阪もんの新しいスィーツが誕生‼
-大阪府立大学とみどり製菓(株)との地域貢献コラボ-
「Habikinoいちじくプロジェクト」進行中‼
大阪いちじく
大阪いちじく
お問い合わせ先
大阪府立大学
URAセンター
センター長 辻川 正人
TEL 072-254-9317
FAX 072-254-7475
e-mail [email protected]