これが遷延

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• 禁煙外来で禁煙を開始した人の半数以上が再喫煙する
• 妊婦の8割がいったん禁煙を試みる
⇒ 7割が、1歳半健診時に、再喫煙
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元喫煙者に対するケアこそが重要
• 依存症は、慢性の再発性の疾患と捉えられるようになった。
⇒ 元喫煙者に対するケアこそが重要
消化性潰瘍に対するピロリの除菌
気管支喘息に対する吸入ステロイド(予防薬)
再喫煙の原因は?
長期間禁煙後の再喫煙は、体の依存が原因ではない!?
なぜそう考えられるのか。
数週間もすれば、ニコチンはもうぬけてしまっているのでは?
ということは・・・
なぜ吸いたくなるかといえば、
心の依存が残っているため。
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身体的依存と心理的依存
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これが
遷延
• 生理的症状=離脱症状
• 行動的症状=渇望、使用制御困難
• 認知的症状=認知の歪み(心の色メガネ)
– 薬物摂取価値の上昇、影響の無視など
心理的依存の評価と治療
元喫煙者の『依存症』評価?
ICD-10, TDS は使えない
∵ 現喫煙者が対象
指標として KTSND(加濃式社会的ニコチン依存)
◎ 非喫煙者も評価可能
元喫煙者の『依存症』治療?
パッチやバレニクリンは非適応
∵ ニコチン切れはない
失楽園仮説による心理教育、リセット禁煙
自助グループ?
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加濃式社会的ニコチン依存度調査票(KTSND)
1.
2.
3.
4.
5.
6.
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8.
9.
10.
タバコを吸うこと自体が病気である。
喫煙には文化がある。
タバコは嗜好品(味や刺激を楽しむ品)である。
喫煙する生活様式も尊重されてよい。
喫煙によって人生が豊かになる人もいる。
タバコには効用(からだや精神に良い作用)がある。
タバコにはストレスを解消する作用がある。
タバコは喫煙者の頭の働きを高める。
医者はタバコの害を騒ぎすぎる。
灰皿が置かれている場所は、喫煙できる場所である。
設問1:そう思う(0)、ややそう思う(1)、あまりそう思わない(2)、そう思わない(3)
設問2-10:そう思う(3)、ややそう思う(2)、あまりそう思わない(1)、そう思わない(0)
30点満点; 暫定規準(禁煙指導等での目標):合計9点以下
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18
禁煙準備ステージが高いとKTSND低い
Yoshii et al.
J UOEH
2006;28:45-55.
禁煙成功群と不成功群のKTSND変化
30
加濃ら KTSNDの禁煙外来試用
みやこ禁煙学会 2007年2月(京都)
20
25
20 15
15
10
10
5
5
0
0
2回目前-初診後
-0.8±3.9
成功群
p=0.049
不成功群
3.5±4.8
初診前
初診前
初診後
初診後
2回目前
2回目前
5回目前
5回目前
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友人が喫煙者であるとKTSND高い
栗岡ら 日本禁煙学会雑誌 2007;2(5)
20
21
受動喫煙を気にしない非喫煙者は高得点
北田ら 日本禁煙医師連盟通信 2006;15(3):9-10.