1月の見通し 2016年の相場は米国経済がカギ

2016年
1月12日号
Vol.282
1月の見通し
2016年の相場は米国経済がカギ
 米国の「利上げ」、吉か凶か
昨年2015年12月、米連邦準備制度理事会
(FRB)は、ほぼ10年ぶりとなる政策金利の引
き上げに踏み切りました。
これは、米国経済が正常化に向かっていると
判断したからであり、米国経済は段階的な利
上げを吸収できるだけの強さを持っていると
見ています。
ところが、市場では利上げによって米国経済
は悪化するとの見方もあり、今は米国経済の
先行きを巡って期待と不安が入り混じってい
る局面といえます。
 地政学リスクと原油
新年早々、サウジアラビアとイランの国交断
絶や北朝鮮の水爆実験という不穏なニュース
が続々と報じられています。
中東諸国に関しては、原油に国家財政を依
存している中東諸国がかなり苦境に陥ってい
ることが背景にあると思われます。
原油価格が一段安に向かえば、中東諸国の
みならず、ロシアやベネズエラなど多くの資
源国にとって財政悪化リスクを伴う危険性が
あるといえます。
 日本株の目標株価は?
2012年12月に安倍政権が誕生して丸3年が
経過しました。この間、日銀の金融緩和や円
安効果等によって企業業績は2桁の伸びを続
けてきました。
しかし、2016年度の日本企業の増益率は1桁
台半ばに留まると見られ、大幅な上昇を謳歌
してきたアベノミクス相場は一つの節目に差
し掛かっているように感じられます。
相場格言に「小回り三月、大回り三年」という
格言がありますが、これは短期周期で3ヵ月、
長期周期で3年が一つの目処であることを教
えるものです。
今回のアベノミクス相場に一服感が出てきた
のが3年目であることは経験則にも一致して
おり、肝に銘じておく必要がありそうです。
今年の日本株の目標株価については、昨年
末の日経平均株価≒19,000円に、2016年度
の増益率5%を掛け合わせた20,000円が1つ
の目処と見ています。
仮に増益率が2桁へ上振れたり、投資家がリ
スク・オンとなれば、21,000円を目指すことも
あるかもしれませんが、大回り三年という経
験則を踏まえると、過度な期待は禁物です。
ただし、日本経済がアベノミクスによってデフ
レから脱却し、企業業績が伸びやすい環境に
なっている点に変わりはありません。
足下で18,000円を割り込んでいる日本株は、
いくら外部環境が厳しいとはいえ、さすがに
売られ過ぎのように思われます。
今年の株式市場をスゴロクで例えれば「1回
休め」、「1マス戻れ」という年になると見てお
り、業績の伸び程度の株価上昇で御の字で
はないでしょうか。
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市
場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績
は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全
性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることが
あります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護
機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかな
る情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。