2016年 9月2日号 Vol.319 米国の利上げ、9月はあるの? 覚えておきたいジャクソンホール 利上げが「近い」っていつ? 8月26日、ジャクソンホールの会合でイエレンF RB(米連邦準備制度理事会)議長が「米国の 利上げが近いこと」を示唆しました。この発言 の背景は、雇用統計をはじめとした労働市場 の改善などです。これにより、利上げ時期が早 まるとの観測が強まって、ドル高(円安)が進 行しました。この会合は、各国の中央銀行関係 者が課題を話し合う場として1978年に始まり、 1982年からジャクソンホールで行われるように なりました。世界の市場関係者が注目するよう になったのは、バーナンキ前FRB議長が、 2010年に量的緩和(QE)第2弾を予告したこと などがきっかけです。 今回、イエレンFRB議長は「利上げが近い」こ とを示唆するにとどまり、明確な時期は述べま せんでした。しかしその後、フィッシャーFRB副 議長がインタビューで「9月の利上げの可能性 を残している」と発言したことで、9月の利上げ 観測も高まりました。 これまでの雇用指標と主なイベント <6月> 5月雇用統計、非農業部門雇用者数前月比3.8万人増、 2010年9月以来の小幅な伸び 英国国民投票でBrexit(EU離脱)決定 <7月> 6月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比28.7万人増 4∼6月期 米GDPは前期比年率で1.2%増と低調 <8月> 7月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比25.5万人増 8月26日、イエレンFRB議長がジャクソンホールで講演 ※非農業部門雇用者数、GDPは速報値を表示 出所:各種報道、ブルームバーグを参考にピクテ投信投資顧問作成 9月・12月、本命はどっち? 9月の利上げの可能性も浮上している今。 しかし、9月の利上げとなれば「急激なドル高」 が懸念されます。もし、ドルが急上昇すれば、 原油安や新興国からの資金流出、輸出企業を 中心とした米国企業の収益悪化にもつながり かねず、舵取りは容易ではありません。11月 に大統領選挙を控えていることからも、9月より も12月の利上げのほうが有力かもしれませ ん。今回のイエレンFRB議長の発言からは、 結局、利上げの明確な時期についてははっき りしないままです。その回答は、次回、9月20 日∼21日のFOMCまで待ちましょう。 今号のポイント ジャクソンホール会合でイエレンFRB議長は「利上げ が近い」と示唆するにとどまり、明確な時期には言及 せず。 もし、9月利上げとなれば、「急激なドル高」に注意! ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市 場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績 は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全 性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることが あります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護 機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかな る情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
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