2015年 3月11日号 Vol.211 利上げ、いつやるの?○○でしょ! 円安のきっかけは? 3月10日の東京為替市場では、一時7年8ヵ 月ぶりに122円台まで円安・米ドル高が進み ました。 きっかけは、3月6日に米国労働省が発表し た2月の雇用統計でした。 非農業部門雇用者数は前月比29.5万人増と 前月(同23.9万人増)、市場予想(同23.5万人 増)を上回りました。また、家計調査に基づく 失業率は5.5%と前月の5.7%から低下しまし た。 予想を上回る雇用統計を受けて、市場では 米国の利上げが近いとの見方が強まりまし た。その結果、為替市場では円安・ドル高に 動きました。 利上げのタイミングは7-9月か 堅調な雇用統計を受けて、6月に利上げを予 想する市場参加者が増えました。 しかし、ピクテでは、従来通り今年7月-9月 期を予想しています。 理由は、国債市場利回りから推定される期 待インフレ率が上昇していないためです。 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議 長も2月24日の議会証言で、期待インフレ率 の低下傾向を懸念しているという発言があり ました。 指標の改善が続けば6月の利上げも考えら れますが、インフレ動向を見ると7月-9月期 の可能性が高いと見ています。 「米国強い」がもたらした「円安」 米ドル・円相場は、昨年10月末の日銀の金 融緩和で円安に振れた後は120円台の壁が 厚くなっていました。今回、その壁を突破した のは米国経済の回復でした。 為替が変動する要因は、いくつかあります が、短期的に影響を与えるものから中長期 的に影響を与えるものまであります。 短期的な要因としては、要人の発言や投機 筋の動きなどが挙げられ、中長期的な要因 として金利差やマネー供給量や経済成長な どがあります。 今回の円安・米ドル高は、米国経済の立ち 上がりがきっかけでした。 利上げ観測も経済が回復してきたからこそ の話です。 これに引き換え、日本では追加緩和が継続 され、ECB(欧州中央銀行)も今年の1月に量 的緩和策を発表、3月9日から国債などの買 取がスタートしました。 円安・米ドル高は、中長期的なシナリオに乗 っていると考えられそうです。 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市 場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績 は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全 性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることが あります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護 機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかな る情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
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