8月の見通し 好天に恵まれた株式市場

2016年
8月9日号
Vol.317
8月の見通し
好天に恵まれた株式市場
 株式の評価、やや強気を維持
世界経済が緩やかながら成長を続けている
ことや各国中銀による緩和的な金融政策が
続いていることから、ピクテ・グループの短期
的な投資環境見通しは株式のやや強気評価
を維持します。一方、バリュエーションが極め
て割高な水準にある債券の評価は引き続き
やや弱気とします。
 日銀緩和は限界?!
7月の日銀金融政策決定会合の直前、日本
政府は28兆円規模の財政政策を発表しまし
た。日銀には追加緩和で財政拡大をサポート
することが期待されていましたが、蓋を開け
てみると今回会合では、ETFの買い入れ額こ
そ年間3.3兆円から6兆円へとほぼ倍増したも
のの、マネタリーベースの増加ペースはター
ゲットである80兆円を維持するとし、国債やJ
リートの買い入れ方針、政策金利に変更はあ
りませんでした。
しかし、日銀は次回9月の金融政策決定会合
までに「総括的な検証」を行うと述べました。
米連邦準備制度理事会(FRB)が当面追加利
上げを据え置くと見られる他、欧州中央銀行
(ECB)は9月の金融政策決定会合で2017年3
月までとしている資産購入プログラムの期限
を延長すると予想されています。
また、8月4日の会合でイングランド銀行(BOE)
は、「ブレグジット」対応として2009年以来とな
る利下げを実施し、9月には量的緩和を再開
すると表明しました。主要国の中央銀行が緩
和強化に舵を切るなか、日銀の動向により一
層注目が集まると見ています。
 悪材料、出尽くしは買い
英国のEU離脱決定後、当初こそ金融市場は
大幅な下落に見舞われたものの、世界の株
式市場は反発しており、既に「ブレグジット」
前の水準を上回っています。
なかでも、米国株式は史上最高値を更新して
おり、震源地である英国の株式市場も上昇に
転じています。また、金融市場が混乱したこと
の副作用として米国の追加利上げ観測が後
退しており、ピクテのメインシナリオでは少なく
とも年内の利上げはないと見ています。
中国の景気見通しが安定してきていることと
合わせて、新興国株式市場を下支えしてお
り、投資家の資金は再び新興国に向かって
います。
「悪材料出尽くしは買い」という相場の格言が
ありますが、「ブレグジット」というイベントには
これが見事に当てはまりました。
一方、欧州株式市場はイタリアを筆頭に弱含
んでおり、未だに「ブレグジット」前の水準を回
復していません。
また、日本も日銀緩和が限界に近付いている
との観測も出ており、欧州と日本については
まだまだ「悪材料出尽くし」とはいかないと見
られ、秋に向けて不安定な相場環境を覚悟し
ておく必要がありそうです。
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