発行日 2015.7.20 みなさんこんにちは。大垣徳洲会病院 医療情報誌 です。 臨床工学科が発行する PCPS(Percutaneous Cardio Pulmonary Support )経皮的心肺補助法とは? ◆このPCPSって装置は何をするものなのか? 心臓から送られる血液循環の代行と肺でのガス交 換の代行をする装置です。 PCPSに限って言えば、血液循環の代行とガス交換の 代行がメインの仕事です。 想定されることは心臓の状態が極めて悪い状態で使 用する事がほとんどです。 ◆大垣徳洲会病院のどこにある装置なのか? 心臓カテーテル室に設置されています。 このPCPSは移動式ですので、時と場合によってはDr カーに設置されたりICUや病棟での稼働もあります。 Medical partners ◆適応疾患について ①心肺停止状態に対する緊急蘇生 ②急性心筋梗塞や急性心筋炎による心原性ショックや心停止に対する心肺蘇生 ③術後人工心肺離脱困難症例に対する生命維持 ④急性肺塞栓症に対する循環維持 ⑤重症肺障害による呼吸不全に呼吸補助 ⑥重症冠動脈疾患症例の経皮的冠動脈インターベンション施行時の循環補助 などが挙げられます。 ◆適応基準 カテコラミンやIABPを使用しても以下を満たす重度心不全 ・心係数2.0L/min以下 ・収縮期圧80mmHg以下 ・PCWP20mmHg以上 ・CVP22mmHg以上 禁忌 ・重度の大動脈弁閉鎖不全 ・出血性ショック ・閉塞性動脈硬化症 ・播種性血管内凝固症候群(DIC) ◆補助流量の決定因子 ①混合静脈血酸素飽和度(SvO2)65%以上 ②血圧維持:平均血圧60mmHg ③代謝性アシドーシス、乳酸値の改善 ④尿の流出 ⑤大動脈の開放が認められる(心エコー) ⑥右上肢の酸素化評価(血ガス) Page 2 ◆POINT 緊急時にPCPSを開始する計算式 BSA×2.2⇒目標還流量(L/min) (例)BSAが1.3であれば1.3×2.2= トータルフローで使用できます。 方法 人工心肺装置による体外循環法を用います が、開胸などの大きな外科的処置を必要と しません。 通常は大腿の動脈と静脈へアプローチし、 それぞれ外径6~8mmのカテーテルを挿入し ます。 基本的にPCPSの脱血カニューレは21Fr (太くて短い) 送血カニューレは15Fr(細くて長い).を使 用しています 送血カニューレと脱血カニューレ PCPSはとても強い吸引力がかかりますので 脱血するカニューレは送血に比べてかなり太 く短い仕様になっています。 次に動脈のカテーテル(送血管)の先端を腹部大動脈内に、静脈のカテーテル(脱血管) の先端を右心房付近に留置します。 PCPSは遠心ポンプと人工肺を備えており、脱血管で右心房から脱血された血液を、 ポンプによって大動脈内の送血管から体内へ送り出しますが、回路の途中で人工肺 を通過させることにより、生命維持に必要な循環とガス交換を実現します。 問い合わせ先 2015年7月号 臨床工学科 内線 制作・編集担当 2037 中野 久富 路子 俊宏 次回8月は各場所の詳しい説明と使用中の観察についてをお送りします。
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