高齢者に多いインターネットトラブル(2015年3月17日掲載)

高齢者に多いインターネットトラブル
平成25年度の総務省の「情報通信白書」によると、65歳~69歳の
62.7%、70歳~80歳は48.7%の人が、インターネットを利用してい
ます。5年前に比べると、それぞれ約25%、約20%増加していて、
年々増加傾向にあります。これに比例するように、高齢者のインタ
ーネット関連の消費者トラブルの相談件数も増えています。
怪しいHP、メールに注意
全国の消費生活センターに寄せられた高齢者のインターネットトラブルに関する相談の
なかで、類似する内容の多い事例を紹介します。
①身に覚えがないのに「以前利用した有料情報料と延滞金を8万円請求する。連絡がな
ければ訴訟手続きをとる」というメールが届いた。どうすればよいか。
②「スクラッチ型宝くじの次回当選番号がわかるので、確実に当選する」というメール
が届いた。情報提供料が必要みたいだが、信用できるか。
③パソコンの画面に警告表示がしつこく出るので、表示をクリックし、開いたサイトの
セキュリティーソフトを契約した。しかし、ソフト会社の詳細が分からず不安なので解
約したい。
④投稿画像をクリックしたら突然アダルトサイトに飛び、年齢確認のボタンを押したら
「登録完了」と表示された。その後5万円を請求する画面が張り付いて削除できない。
⑤「友達になってくれたら1万円差し上げます」とうメールを信じてやり取りをした
ら、サイト利用料を30万円請求され、支払った。会う約束をしても、なかなか会えない。
-などが挙げられます。
高齢者の生活や社会参加のサポートとして、インターネットの利用価値は、今以上に高
まっていくものと思われます。ネット通販を利用すれば、商品は玄関まで届けてもらえる
し、ニュースや趣味など、さまざまな情報をみることができます。また、家族や友人とメ
ールで連絡したり写真を送ったり、家にいながらコミュニケーションをとることもできま
す。
しかし、インターネットを利用する時は、トラブルにあう危険性もあると考えて、でき
る限りトラブル未然防止の対応を怠らないようにすることが大切です。
まず、インターネットを利用するときの環境です。パソコンのOS(基本ソフト)、イ
ンターネット閲覧ブラウザ、ウィルス対策ソフトを最新のものにしておきましょう。これ
らソフトのバージョンアップが自動更新になっていない場合は手動で行う必要がありま
す。
次に、怪しいホームページやメールに注意することです。迷惑メールや不審なメールに
ついているリンク先や添付ファイルは、クリックしないようにしましょう。
また、突然、請求画面や申し込み画面が出てきても慌てずに対応してください。お金の
支払いはもちろん、名前や住所を入力しないようにしてください。また、自分からメール
や電話で連絡するようなことは、相手にメールアドレスや電話番号の個人情報を教えてし
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まうことになるのでので、よくありません。
それから、個人情報の取り扱いは、慎重にしてください。掲示板やSNS(会員制交流
サイト)などに情報発信する時は、自分や友人のプライバシーに関することを書き込まな
いようにしましょう。スマートフォンなどで撮影した写真は、設定の仕方によって位置情
報が含まれますので、写真を投稿した時に撮影場所が分かってしまうことがあります。い
ったん情報がインターネット上に表示されてしまうと、完全に消去することは困難です。
インターネットトラブルにあった消費者は、トラブルに巻き込まれたことに「気がつか
なかった」ということがよくあります。インターネットを利用していて、もし疑問に思う
ことや納得のいかないことがありましたら、最寄りの消費生活センターに相談してくださ
い。
【筆者ひとこと】
インターネット関連の消費者被害は非常に多様であり、高額な詐欺など犯罪も次々と新
しい手口が使われています。被害にあうリスクを避けるための自衛が大切です。
(県消費生活センター)
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