-理科編― 【指導改善のポイント】 <知識・技能を活用すること> ■日常生活や社会の特定の場面において、理科で学習した知識・技能を活用できるようにする ・理科で学習した知識・技能に関連した自然の事物・現象や科学技術などについて、考えたり説明し たりする学習場面を単元全体の課題として設定したり、単元の終わりに設定したりすること <分析して解釈すること> ■観察・実験の結果を分析して解釈できるようにする ・観察・実験の結果を予想や仮説と比較したり、理科で学習した知識・技能と関連付けたりする視点 を示すこと <実験を計画すること> ■自然の事物・現象から問題を見いだし、適切に課題づくりができるようにする ・提示する自然の事物・現象どうしや、あるいは提示する自然の事物・事象と学習して得た知識との 間に違いがあるようにして、問題を見いださせる ■予想や仮説を設定し、検証する実験を計画できるようにする ・変化すること(従属変数)と、その原因として考えられる要因(独立変数)に着目して自然現象を 捉えさせること <検討して改善すること> ■自らの考えや他者の考えを、検討して改善できるようにする ・課題に正対した考察になっているかなどの視点を示すこと(仮説と実験の結果が一致しているか) 1:化学式で表すことができる ■化合物の組成について原子のモデルを用いて表し、それを化学式で書き表す学習場面を設定する 2:特定の質量パーセント濃度の水溶液の溶質と水のそれぞれの質量を求めることができる ■溶質と溶媒の割合の関係を視覚的に捉えることができるように、線分図を利用する。身近なものとしてし ょうゆや即席めんなどの食品を取り上げ、 実際に含まれる食塩の質量パーセントを求める学習場面を設定 する。 3:溶け残りの量を溶解度に結び付け、分析して解釈し、炭酸水素ナトリウムを溶かした方の試験官がど れかを指摘できる ■溶解度に関する観察・実験の結果を基に、溶け残りの質量を溶解度の大きさと比較したり関係付けたりす る視点をもって、分析して解釈する学習場面を設定する 4:水上置換法では二酸化炭素の体積を正確に量れない理由を説明することができる ■気体の特性と気体の補集法との関連を説明できるようにする ■実際にそれぞれの捕集法での実験を行い、集まった気体の量を比較して、気体の特性と捕集法を関係付け て捉える学習場面を設定する 5:グラフを分析して解釈し、化学変化について正しく読み取ることができる ■単に測定値をグラフに表したり、グラフの縦軸・横軸から数値を読み取ったるりするだけではなく、グラ フの縦軸を従属変数として、横軸を独立変数として捉えたり、複数のグラフの特徴を比較したりするなど の学習場面を設定する 6:炭酸水素ナトリウムが二酸化炭素の発生に関係していることを特定するための対照実験を計画するこ とができる ■対照実験を計画するには、調べたい条件以外は全て同じ条件になることが必要である。 ■課題づくりを行い、その課題を解決するために考えられる条件の中から対照となる条件に気付かせ、予想 を検証する観察・実験の計画を立てる学習場面を設定する。 7:熱による分解の知識を活用して、他者の考えを検討して改善し、化学変化を説明することができる ■グループで各自の考えを説明する時間を確保したり、ホワイトボードなどにまとめて共有したりして、検 討して改善する学習場面を設定する 8:天気の記号から風力を読み取ることができる ■天気の記号から風向、風力を読み取るための知識を習得する場面を設定する ■風向、風力の観測を日常生活と結び付け、理科を学ぶ意義に気付くことができるようにする ■日常生活の安全を守るために風力や風速を観測していることなどをあげ、日常生活と密接な関係が あることに気付かせる 9:天気の記号から風向きを読み取り、風向計を使って風向を観測することができる ■風向きを観測する技能を身につける。指導に当たっては、天気の記号から風向、風力を読み取るための基 礎的・基本的な知識を身に付け、風向計の原理や仕組みを理解して、風向を観測する技能を身に付ける学 習場面を設定する 10:雲の成因に関する知識を活用して、他者の考えを検討して改善し、水の状態変化と関連付けて雲の 成因を正しく説明する ■多面的、総合的に思考できるようにする。複数の資料を使って、多面的に思考しながら総合的に根拠ある 考えをつくる学習場面を設定する 11:モデルを使った実験で、空気を徐々に抜いていく操作によって生じる気圧の変化に対応する「飛行 機の状況」を計画することができる ■モデルを使った実験を行う際、実験の装置や操作が自然の事物・事象の何と対応しているかを明らかにす る学習場面を設定する 12:露点を測定する場面において、気温による飽和水蒸気量の変化が、湿度の変化に関わりがあるとい う知識を活用して、最も高い湿度の時刻を指摘することができる ■気象現象の観察や観測の記録から、気象要素の変化と相互の関連を推定できるようにする。自記温度計な どを利用して生徒が実際に観測した記録を基に、気象要素の変化と天気の変化の間の規則性を読み取り考 察できるようにする 13:一定の時間に多くの雨が降る現象について、異なる4つの方法を比較し、原因を探る実験を計画す ることができる ■予想を確かめる実験を計画する際、はじめに変化することの原因として考えられる要因(独立変数)を全 て挙げ、それらの妥当性を検討するようにする。次に、挙げた要因(独立変数)を変える条件と変えない条 件に整理して、実験を計画する学習場面を設定する 14:凸レンズに関する実験の結果を分析して解釈し、様々な規則性を指摘しうることができる ■従属変数が複数ある実験の結果を分析して解釈する際には、変化すること(従属変数)とその原因として 考えられる(独立変数)を表にまとめ、規則性を見いだす学習活動を設定する 15:凸レンズの働きについての知識を活用し、他者の考えた実験の方法を検討して改善し、具体的な仕 組みについて説明することができる ■第1分野と第2分野を横断した総合的な見方や考え方ができるようにする。既習事項について、十分に振 り返らせる場を設定する 16: 「オームの法則」を使って、抵抗の値を求めることができる ■抵抗の大きさを計算して求めることができるようにする 17:コイルと磁石の相互運動で誘導電流が得られるという知識を活用して、回路のスイッチの入り切り による磁界の変化を説明することができる ■理科で学習したことが関係する科学技術について、 科学的な概念を使用して考えたり説明したりできるよ うにする。単元全体の課題として設定し、単元の終わりに設定したりすることが考えられる。生徒が説明 する際、根拠を示し、事実と考えを区別して表現させることが大切である 18:音の高さは振動数に関係する知識を活用して、音の波形の特徴を指摘することができる ■音の大小、振幅、振動数の規則性を実験を通して見いだし、身近な現象を課題として設定し、理科で学習 した知識や概念を活用しながら課題解決に取り組む学習場面を設定する 19:音の高さを決める条件が「空気の部分の長さ」か、 「水の部分の長さ」かを確かめる実験を計画する ことができる ■自然の事象・現象の原因として考えられる複数の要因を基に、知識や概念を活用して仮説を立て、それら を検証するための実験を計画する学習場面を設定する 20:デンプンが消化酵素によって分解されて、最終的にできる物質の名称を表すことができる ■食物が消化され、吸収される仕組みを理解できるようにする。 21:事物、事象に関係した問題を基に適切な課題を設定することができる ■見いだした問題をそのまま課題にあてはまめるのではなく、原因として考えられる要因を挙げるなど、視 点を明確にした解決の見通しをもった課題づくりを行う学習場面を設定する。 22:背骨のある動物を、セキツイ動物と表すことができる ■基礎的、基本的な知識を身に付け、活用できるようにする。比較の視点を明確にして動物を分類できるこ とを認識させ、それらを活用する学習場面を設定する 23:平均値を活用して、平均値を求める理由を説明することができる ■目的意識をもって観察・実験を行い、多様性や規則性を発見できるようにする。生徒自身が実験の目的や 予想、見通しを確実にもつことが大切である。 24:他者の考察を検討し改善し、課題に対して適切な考察を記述することができる ■観察・実験の結果から課題に正対した考察ができるようにする。課題を繰り返し確認する学習場面を設定 する。
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