『女流作家』の構造化抄録

『女流作家』の構造化抄録
上原誠子
河野光
高田千恵子
北条愛子
あらすじ
デビュー8年目を迎える
現代小説家の星山愛子は、
3年前に執筆した自信作の
『あした』が売れなかったことが
心の棘となっている。
あらすじ
隣駅の『伊良部総合病院』を
嘔吐症と強迫症の治療を
受けるために訪れた。
目的
嘔吐症と強迫症に苦しむ患者の
症状の改善を図る。
研究計画
 治療者(精神科医:伊良部)の計画
 小説全体での計画
2種類の研究計画が登場
研究計画
伊良部:対象者に原因の除去法を
治療の都度、異なる形で提案
様々な介入(P228、P236~237、P246~247)
を行い、その後症状を確認
小説全体:伊良部総合病院で治療を受ける
他のクリエイターの現状の把握
(↑自分の立場の再確認)
場面
伊良部
 伊良部総合病院の診察室
 自宅
小説全体
 出版社
対象者
星山愛子
 28歳で作家デビュー
 流行作家
独立変数・介入
伊良部
独立変数:いったん看板を下ろす
介入:家に帰ると従ってみることにした
小説全体
独立変数: 中島さくらの残酷な話
介入:「じゃあ話してあげる」さくらが一呼吸
置いて話し始める
従属変数
伊良部
官能小説を書いた
小説全体
自分の仕事に対して誇りを持った
(あしたのような小説をかけると思った)
結果

伊良部
一度看板を下ろしてみようと
官能小説を執筆するが、編集部のことを思い
書いた小説の原稿を削除した。
次を書く意思はあるが、
結果が怖くて何も書きたくないと考える。
その後も作業しようとするともどしてしまう。
結果

小説全体
さくらの言葉に励まされ、反省をし
自分の小ささを恥ずかしく思った。
この事によって、
言葉は人間の宝物であると思い
小説家の自分を誇りに思えるようになった。
結論
『あした』での挫折によって星山は
周囲に不信感を抱き、
自分以外の人間を信用しなくなり
孤立していった。
以後は満足な話し相手もいなくなり、
また感情は表に出されることなく
自分の内に溜まる一方で、
更に自分を益々追い詰めていた。
結論
しかし、中島さくらから
ある映画監督の話を聞いたことで、
自分は恵まれていること、
みんな失敗しながらその都度
周りの人に勇気付けてもらって
頑張っていることに気付き、
これからは自分の中に溜めずに素直に、
ときには人に頼っていこうと
思うようになったのであった。