信号処理

解答


信号処理
「三⾓関数の単純化」
の cos関数のみの表現,および sin関
数のみの表現を求めなさい
解答︓ co
よりsin は位相が
だけ遅れているので,
複素関数に対応させ,かつ
0 の時を考えると
3co
⇔ 3,
4sin
⇔ 4 と 対応する.
よって, 3co
4sin ⇔ 3 4 と複素表現される.
複素数 3 4 の絶対値,偏⾓表現は
3
第2回講義
4
3
4 三⾓関数表現に直すと 5
∴ 5cos
5
⇔ 5cos
tan
5sin
tan
tan
2
演習問題解答 「1.三⾓関数の単純化」
別解答︓
3co
となる
角速度
で複素平面
上を回転
角速度
で複素平面
上を回転
上式の両辺を⽐較し,
=0
3
3
tan
4
5
4
3
4
3
4
また
∴ 3co
3
co
.
∴ tan
3 cos
4 sin
co co
4sin
と
を求める.
co
4sin
sin
5
co
sin sin
3, sin
co
4
tan
3
4
sin
25
5co
5
,
tan
4
アナログ信号・ディジタル信号と信号処理システム
ディジタル信号
6
0
-2
0
6
6
6
5
5
5
2
4
6
8
2
2
1
1
0
0
時刻
アナログ
信号
→
ディジタル
信号
8
7
4
3
4
3
2
2
4
時刻
6
0
0
ディジタル計算機
で演算可能
4
3
2
1
2
4
•サンプリング
•量子化








高精度,処理が安定,経年変化なし
処理内容を簡単に変更改良できる
非線形処理,適応処理,暗号化などの処理が可能
データベース化できる
ハードウエアによる実行も可能(Digital Signal Processor)
多くのアナログ信号はディジタル信号に変
換され処理されている.
0
1
2
3
4
5
ディジタル信号
→
ディジタル信号
ディジタル
信号
→
アナログ
信号
(DA変換)
信号処理システム
6
量子化誤差: 信号の量子化にともなう演算
誤差が必ず入る.
 エリアジング: サンプリングにより,正確に処
理できる信号の最高周波数(帯域)に制限が
ある.
 (コスト): 簡単な処理の場合でも,AD,DA変
換機と,信号処理回路が必要となる.

コンピュータでの処理が容易
数式通りの演算が可能

0
-1
ディジタル信号処理の欠点
雑音に強い
信号が劣化しない
正確にコピーできる

6
時刻
(AD変換)
ディジタル信号処理の利点
アナログ信号
8
7
信号値
4
ディジタル信号
8
7
信号値
8
信号値
第1章
アナログ信号とディジタ
ル信号
観測信号
(アナログ信号)
7
8
6
7
サンプリング
周期T
8
8
6
6
6
4
4
信号値
信号値
2
2
2
4
6
8
-2
0
6
サンプリング
(b)離散時間信号
(a)アナログ信号
(sampling)
独立変数(時刻): 連続値
独立変数(時刻): 離散値
従属変数(信号値): 連続値
デジタル計算機に
より処理可能な
信号(青色)
8
7
1000
2
6
110
5
101
アナログ信号(赤色)と
ディジタル信号(青色)
との差= 量子化雑音
4
3
010
001
0
0
000
6
2
4
6
時刻
量子化
独立変数(時刻): 離散値
独立変数(時刻): 離散値
従属変数(信号値): 連続値
従属変数(信号値): 離散値
10
量子化(quantization)

量子化: 連続信号値 → 離散信号値(2進数)


 V  Vmin

2 n  1  0.5
D
Vmax  Vmin




…(1.25)
 
x : x以下の最大整数
D: 離散信号値, n : 離散信号値のビット長,
V : 連続信号値、 Vmax, Vmin, : 連続信号値の最大値 / 最小値、
2進数化
量子化幅 Δ:

Vmax  Vmin
2n 1
時刻
時刻
(c) 量子化信号
0
0
011
1
4
6
(b)離散時間信号 (quantization) (c) 量子化信号
100
2
2
4
時刻
111
信号値
信号値
信号の分類(3)
従属変数(信号値): 連続値
9
4
3
1
時刻
時刻
量子化幅Δ
5
2
-2
0
4
6
2
0
2
8
7
サンプリング
周期T
0
0
-2
0
信号値
8
4
サンプリング
周期T
信号の分類(2)
信号値
信号の分類(1)
(d) デジタル信号
独立変数(時刻): 離散値
独立変数(時刻): 離散値
従属変数(信号値): 離散値
従属変数(信号値): 2進数
11

…(1.2)
例題: 0~10Vの電圧値を、8 ビット2進数に量子化する場合の量子化幅は?
また、3.82Vに対応する離散信号値は?

10  0
8
2 1

10
 0.0392V
255


 3.82  0 8
  3.82

D
 255  0.5
2  1  0 .5   
 10  0
  10

 97 10  0110 00012
12
(補足) 10進数 → 2進数 の計算
量子化誤差 (quantization error)
例: (97)10 → (110 0001)2
2
97
…….1
2
48
…….0
2
24
…….0
2
12
…….0
2
6
…….0
3
…….1
2

量子化誤差: 連続信号値と、対応する離散信号値との誤差
V  D

最大量子化誤差(Δ/2):
量子化誤差の最大値
 1 Vmax  Vmin

2 2
2n 1
…(1.5)
Δ
電圧(V)
離散信号値
9.9618
254
V (観測値)
量子化誤差
9.9216
253 D
1
13
量子化幅の決定
14
演習問題1 量子化数の決定
±0.1Vの分解能で、-50~50Vの範囲の電圧を測
定したい。この時、必要とされる最小の量子化数
(必要ビット長)は何ビットか?
 計算
V
 Vmin
式(1.2)
  max
2n 1


量子化誤差 小
→ 量子化幅 小
→ 必要ビット長 大
→ 信号を表現するのに必要なデータ量 増大

最適量子化幅:
量子化誤差と、データ量のトレードオフから決定
において量子化幅が分解能,nが必要ビット長なので,
Vmax  Vmin
50  (50)
1 
 1  1001

0 .1
n  10ビット
 n  log 2 1001  9.967...
2n 
15
16
8
サンプリング
信号値
サンプリング:
連続時刻 → 離散時刻

様々なサンプリング周期Tにおける離散信号の変動 (1)
6
T = 1 / 20 s
アナログ信号 1Hz
4
1
1
0.8
2
0.8
0.6
0.6
0.4
0
0.4
0.2
サンプリング周期(sampling period)

T
4
6
8
-0.2
-0.4
-0.4
-0.6
サンプリング
周期T
8
[sec-1 または Hz]
-1
1.5
2
2.5
3
-1
1
0.6
0.6
0.4
0.4
2
0.2
0.2
0
0
0
-0.2
-0.2
-0.4
-0.4
-0.6
-0.6
4
-2
0
2
4
6
-0.8
17
時刻
0.8
0
-1
0.5
1
1.5
2
2.5
3
1.5
2
2.5
3
T=1/4s
0.8
サンプリング周期Tが、T > P/2
(P:元の信号の周期) となると、
元のアナログ信号を, 離散信号
から再現することが不可能のよ
うに見える。
0.6
1
1
-0.8
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
-1
18
0
0.5
1
ナイキストのサンプリング定理
1
0.8
0.5
0.8
T = 1 / 3.0 s
アナログ信号 1Hz
-0.8
0
T=1/8s
様々なサンプリング周期Tにおける離散信号の変動 (2)
1
-0.6
-0.8
6
適切なサンプリング周期・周波数は、
処理対象の信号からどのように適
切に定めるべきか?

処理する信号の最高周波数が fmax のとき
0.6
0.4
fs = 2 fmax
0.4
0.2
0.2
0
となる fs を、ナイキスト周波数(Nyquist frequency)と呼ぶ.
fs を越えた周波数でアナログ信号をサンプリングしなければ、
その信号を(周波数の観点から)忠実には再現できない。
0
-0.2
-0.2
-0.4
-0.4
-0.6
-0.6
-0.8
-1
0
-0.2
時刻
信号値
1
fs 
T

2
[sec]
サンプリング周波数
(sampling frequency)

0.2
0
-2
0
-0.8
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
-1
0
0.5
1
1.5
2
2.5
fmax = 1.0
1
Hz
1
1
1
0.8
0.8
0.8
0.8
0.6
0.6
0.6
0.6
0.4
0.4
0.4
0.2
0.2
0.2
0
0
0
0
-0.2
-0.2
-0.2
-0.2
-0.4
-0.4
-0.4
-0.4
-0.6
-0.6
-0.6
-0.6
-0.8
-0.8
-1
-1
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
fs = 1.3 Hz
19
0.5
1
1.5
2
2.5
3
-1
0.4
0.2
-0.8
-0.8
0
元の信号には本来含
まれていない、低周波
成分が出現
3
T = 1/ 1.2 s
T=1/2s
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
-1
0
0.5
1
1.5
2
20
2.5
エリアジング(aliasing)
エリアジング(aliasing)


連続信号を離散信号に変換する場合、ナイキスト周波
数以下の周波数でサンプリングすると、単に波形の高
周波成分が失われるだけでなく、全く異なる周波数(元
の波形よりも低い周波数)をもつ信号が現れ、誤差を生
ずる現象。
例1: Wagon-wheel effect
TVや映画で、車輪の回転が逆方向に遅く回る現象
(


例3: デジタル画像のエリアジング
http://www.michaelbach.de/ot/mot_strob/index.html
http://www.michaelbach.de/ot/mot-wagonWheelCol/index.html)
例2: デジタルオーディオ信号
( fs = 44.1KHz)
 ダウンサンプル信号 ( fs = 4KHz)
 オリジナル信号
21
スマホで撮影した量集センタ側壁面(1)
622 × 756 pixel
205 × 250 pixel
22
スマホで撮影した量集センタ側壁面(2)
この壁は実際は
どのような表面か?
ASUS zenfone 5 フロントカメラで撮影 画像サイズ:1600x900
23
ASUS zenfone 5 フロントカメラで撮影 画像サイズ:1600x900
24
(補足)ビットレート(bps)
演習 サンプリング定理の応用


連続時間信号
ビットレート(ビット速度,bit rate)
一秒間にシステムで処理されるデジタル信号のビット数
 単位: [bps] (bit per sec), [ビット/秒]

xt   cos2 f1 t   cos2 f 2 t 
を再現できるようにサンプリングしたい。サンプリング
周波数をどのように設定すれば良いか? ただし、
f1= 1 kHz, f2 = 1.5 kHz とする。

例: 2CHオーディオ信号を,48KHzのサンプリング周波数,
16ビットの量子化数でデジタル化した場合のビットレートは?
48x103x2x16 = 1536000 = 1536K bps

信号処理システムのbps値の例
MP3: 320kbps(最大), AACオーディオ:256kbps(最大)
ワンセグ動画:128kbps,地デジHD放送画像:15Mbps
 スマホ(LTEデータ通信)75-100Mbps(理論値),??(実際)


25
課題 「サンプリング周波数」

以下に示す信号のサンプリング周波数値を調べよ.
また,その値としている合理的な設定理由を述べよ.


オーディオCD:
? KHz
量集センタ壁面を,1600x900程度の解像度で,クローズア
ップ撮影した画像と,駐車場から離れて撮影した画像を夫々
レポートに記載し,なぜ離れて撮影した画像には縞が現れ
たのか理由を簡単に説明せよ.
情報棟
量集センタ
27
26