楽読 (ラクヨミ) 2015年12月22日 Vol. 1,045 ニッポン1億総活躍社会への道程 ~経済成長の加速に期待~ 2013年頃から始まったアベノミクス第一弾では、デフレ脱却や経済再生に向けて、大胆な金融政策、機動的 な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略に取り組み、その結果、企業の経常利益は過去最高益を更新、 賃上げ率は2年連続で伸び、有効求人倍率についても23年ぶりの高い水準となりました。一方、労働生産人 口は減少傾向が続き、足元の設備投資の回復は緩慢になるなど、課題もあります。 そこで、政府は来年1月4日から開催される通常国会を前に、これらの課題に対処すべく、経済界や国民との 対話を行ないながら、持続可能な成長ができるようアベノミクス第二弾の準備を進めています。その内容は、 引き続きアベノミクス第一弾の成長戦略を推進することに加え、人口減少に歯止めをかけ、介護離職者をゼロ にし、名目GDP(国内総生産)600兆円を目指し、ニッポン1億総活躍社会を実現させる、というものです。 喫緊の課題である少子高齢化は、労働力の減少や生産性の低下、介護人材の不足などを引き起こします。こ の課題への対応の一つとして、生産性革命を実現し、IoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)、ロボット などを活用することにより、製造現場の生産性向上や社会福祉の充実を図ろうとしています。政府は、これら の技術などに対する研究開発費として2016年度から5年間で約26兆円を投じる計画であることに加え、税制 面においても、2016年度の法人実効税率を、32.11%から29.97%に引き下げる予定であり、国内で活躍する 企業を支援する方針です。 GDPの7割を占める個人消費については、2014年の消費税率引き上げ後に大きく下振れた後、足元で緩や かな回復傾向にありますが、力強さを欠いています。そこで、政府は賃上げ環境の整備や企業への賃金引き 上げの働きかけなどで所得環境を改善し、消費の本格的な回復を軌道に乗せようとしています。 18日には、強い経済を実現するとの大きな考え方の下で総額3.3兆円の2015年度補正予算案が閣議決定さ れ、アベノミクス第二弾を軌道に乗せるきっかけになると思われます。2016年は、さまざまな政策を実行に移し、 企業の設備投資や個人消費などを拡大させることで、経済成長の加速が期待されます。 日本企業の経常利益と設備投資の推移 現金給与総額と消費総合指数の推移 (2005年1月~2015年10月) (1955年1-3月~2015年7-9月) (兆円) 20 経常利益 115 設備投資 (%) 現金給与総額(前年同月比)(右軸) 12 消費総合指数(左軸) 110 15 8 消費税率引き 上げの反動減 105 4 100 0 95 -4 10 5 設備投資の 伸びは鈍い 0 1955年3月 1975年3月 1995年3月 90 2015年3月 2005年1月 *全産業(除く金融・保険業)・全規模ベース、4四半期平均 -8 2008年1月 2011年1月 2014年1月 *消費総合指数は、実質・季節調整済みで、3ヵ月平均 (財務省、厚生労働省、内閣府のデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘 資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建 資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付 目論見書)をご覧ください。 1/1
© Copyright 2024 ExpyDoc