全国の地域通貨の動向 と hana の位置づけ 専修大学経済学部講師 泉 留維 2006年3月18日 (町田市民フォーラム) 一般的にいわれている 地域通貨の役割 • 地域の資源(例:特技、生ゴミ)に新しい価値を与える • 地域のヒトとヒトを結びつける • 地域で新しい市場(いちば)を作り上げる 地域を活性化させる道具としての地域通貨 日本における地域通貨の浸透 1999年NHK-BS番組 「エンデの遺言」以降、注目を集める ・現行のお金そのものへの疑問 ・海外での地域通貨導入によるコミュニティ 再生の試みを紹介 ・当時現役の通産官僚による『エコマネー』 (98年)の刊行も地域通貨の認知拡大に貢献 1999年以降、日本各地で取り 組まれていく。さまざまな主 体・方法による実践。 実働している日本の地域通貨の推移 3 00 24 5 26 8 2 50 2 00 1 81 1 50 12 1 14 1 1 00 53 50 9 0 9 9年4月 0 1年4 月 ↑ 地域通貨萌芽期 <NPO団体が多い> 02 年3月 02 年8月 0 3年4 月 ↑ ボランティアの評価 <NPOや地方政府> 0 5年1 月 05 年1 2月 ↑ 地域市場の貨幣 <NPO、地方政府、商工会> 誰が地域通貨を発行しているの? 2002年3月 市民団体・ NPO 商店会・商 工会 地方自治体 2005年1月 2005年12月 86% 68% 70% 5% 14% 10% 2% 7% 9% その他としては、自治会、学校、社会福祉協議会などがある なぜ、商店会や地方自治体が、地域通貨を取り組むようになったのか? 地域通貨の価値の基準は? 2002年3月 2005年1月 2005年12月 円貨 27% 47% 47% 時間 34% 29% 30% 円貨・時間 26% 14% 15% なぜ、円を地域通貨の価値の基準にする団体が増えたのか? 2005年12月のデータから・・・ 全268団体 地方自治体 市民団体・ NPO 商店会・商 工会 円貨 72団体 25団体 18団体 時間 68団体 1団体 0団体 円貨・時間 32団体 0団体 2団体 その理由は・・・・ • 商店の売上増大につながる(かも・・・) • 商品券の複数回使用の認可(金融庁:02年4月) • 中央政府の様々な形でのモデル事業の推進(経済 産業省、総務省) • 円と兌換性を持たせた方が、多くの事業者が参加 する(だろう) などなど・・・ 地域通貨は、「直接的」に地域経済を元気 にしてくれるの? hana へのインプリケーション • 地域通貨導入により、「直接的」に商店の売上が増大し • • • た事例は、おそらく日本では無い 安さと利便性で勝負をしないのなら、ヒトとヒトの関係の 持続性で勝負する ちなみに法的問題は? → 日本では具体的に問題になったことは無い 事業者は受け取った地域通貨を他で使わないとダメ 地域の人々のつながりをつくる道具 と考える方がより自然だろう
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