2015年12月22日（No.2,354）〈マーケットレポートNo.4,578〉スペイン総選挙、ラホイ首相率いる与党が過半数割れ与党が過半数割れ確実（議席） 200 急進左派のポデモスなどが躍進 175 ■20日投開票のスペイン総選挙で、ラホイ首相が率いる国民党は下院で過半数割れが確実となり、急進左派のポデモスなどが躍進しました。その結果、国民党は政策の近い中道右派のシウダダノスと連立を組んでも、過半数を下回ることは確実で、2カ月以内に連立政権が樹立出来ずに再選挙となる可能性が出てきました。 ■国民党の敗北の要因は、汚職疑惑などへの国民の不満です。スペインは2012年に金融機関の財務悪化が原因で金融危機に陥り、以降、ラホイ首相は緊縮財政を進めてきました。経済は回復傾向にあるものの、若年層の失業率が高止まりし、反緊縮を掲げるポデモスが勢力を拡大したと見られます。スペイン総選挙（下院）政党別獲得議席数半数 175議席 150 （定数350議席） 2011年 2015年 100 50 0 国民党社会労働党ポデモスシウダダノスその他（注）定数350議席。ポデモスとシウダダノスは今回が初の選挙。 2015年は開票率99.6％の時点。（出所）各種報道資料を基に三井住友アセットマネジメント作成（ポイント） 420 欧州株式とスペイン国債の利回り（％） 2.8 欧州株式（左軸） 360 2.3 300 1.8 欧州株式は下落スペイン国債の利回りは上昇 ■選挙結果を受けた21日の市場は、政治の不透明感の高まりを嫌気し、欧州株式では下落傾向が、債券市場ではスペイン国債の利回りの上昇傾向が強まりました。一方ユーロは対米ドル、対円で上昇し、為替市場への影響は限定的でした。スペイン10年国債の利回り（右軸） 240 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 12/1 1.3 （月/日）（注）データは2015年7月1日～2015年12月21日。欧州株式はストックス・ヨーロッパ600指数。（出所）Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成若年層の不満の高まりが政治のかく乱要因に ■焦点は、反緊縮財政を掲げるポデモスが、他の左 ■欧州では今年、ギリシャやポルトガルの総選挙で反派政党と連立を組み、最大勢力となるかにあります。緊縮財政の左派勢力が議席を伸ばしました。これらの国でも若年層の失業率が高く、既存政党への不仮にそうなると、上院では引き続き国民党が過半数満が高まっていたことが背景でした。政治の不透明を制しているために、上下院でねじれが発生すること感の高まりによって、欧州の景気が腰折れし、市場になります。また、財政赤字の対GDP比を2016年の変動が高まる動きに注意が必要と見られます。までに3％以下に縮小する目標の達成が危ぶまれます。 2015年12月18日 2015年を振り返るキーワード「ギリシャ問題」（欧州） 2015年12月16日 2016年のユーロ圏経済の見通し ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨･勧誘するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当資料にインデックス･統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。