筋収縮率および異なる姿勢による腹横筋機能の評価 Function of the Transversus Abdominis Muscle Evaluated by Contraction Rate of the Muscle and Different Postures 1K05A192 指導教員 主査 中村千秋先生 【緒言】 本庄 悠之 副査 金岡恒治先生 位 での測 定 課 題 (以 下 、IAP-P)は、腹 横 筋 収 縮 昨今のスポーツ科学の発展に伴い腰部への注 を 1 分間保持し、最初の 10 秒間の平均値を最後 目 度 は増 し、多 裂 筋 や腹 横 筋 などのローカル筋 の 10 秒 間 の平 均 値で正 規 化 し、その値を圧 変 群 へのアプローチが重 要 視 されるようになった。 化 率 (%) と し た 。 仰 臥 位 で の 測 定 課 題 ( 以 下 、 特に腹横筋は注目度の高い筋肉であり腹横筋に IAP-S)は、腹横筋収縮を 10 秒間保持させ、10 秒 ついて様 々な研 究 がなされている。腹 横 筋 の機 間の休息を与える。これを5セット行い最初の 1 セ 能 評 価 には圧 バイオフィードバック装 置 (以 下 、P ット目 の平 均 値 を最 後 の1セットの平 均 値 で正 規 B装 置 )及 び超 音 波 画 像 診 断 装 置 を用 いた測 定 化することで圧変 化率(%)とした。それを腹横筋 収 方 法 が一 般 的 である。この測 定 姿 勢 は腹 臥 位 で 縮率 60%未満・60%以上 75%未満・75%以上の 行 うことがほとんどであるのに対 して、腹 横 筋 トレ 3つに分 類 した。それぞれのエクササイズにおい ーニングは仰 臥 位 で行 うものが多 く、この姿 勢 の てグループ間 の変 化 率 の平 均 を算 出 し、2群 間 差 による研 究 報 告 はない。さらに超 音 波 画 像 診 で比 較 検 討 した。なお有 意 水 準 は5%未 満 とし、 断 装 置 による腹 横 筋 厚 の評 価 においては、実 際 比較には Microsoft Excel を用いて対応のない t に腹横筋厚が何 mm あるいは何%の増加がみら 検定を行った。 れたかについて述べている研究報告はない。そこ で本研究は、腹横筋収縮率と PB 装置の関係性 【結果】 を明らかにすることを目的とした。加えて従来行わ 被験者の PB 装置による 2 種類のエクササイズ れている腹 横 筋 の機 能 評 価 測 定 の姿 勢 が腹 横 の結 果 と腹 横 筋 収 縮 率 との間 には、それぞれ相 筋機能評価にどういった違いが現れるのかを明ら 関関係は認められなかった。IAP-P および IAP-S かにすることで、より正 確 な腹 横 筋 機 能 評 価 の指 のどちらにおいても腹 横 筋 収 縮 率 60%未 満 ・60% 針を提示することを目的とした。 以上 75%未満・75%以上のいずれの結果でも相関 関係は認められなかった。IAP-P と IAP-S の圧変 【方法】 被験者は健康な男子大学生 21 名(年齢 20.9 ±1.2 歳)とし、超音波画像診断装置で腹横筋を 化 率 は 、 IAP-P で -4.63 ± 7.79 % 、 IAP-S で -11.83±13.80%で、両 群 間 には有 意 な差 が認 め られた。 安静呼吸時 と随意的に収縮させたときを撮影し、 電 子 ノギスで筋 厚 を測 定 し腹 横 筋 収 縮 率 (収 縮 【考察】 時 -安 静 呼 吸 時 )を算 出 した。その後 、腹 臥 位 と 腹横筋収縮率と IAP-P と IAP-S のどちらの圧 仰臥位の 2 つの姿勢で腹横筋エクササイズを行 変 化 率 においても相 関 関 係 は認 められなかった。 い、PB 装置を用いて圧の変動を記録し、超音波 また腹横筋収縮率による 3 つの分類の全ての結 画 像 診 断 装 置 での結 果 と比 較 し検 討 した。腹 臥 果 でも相 関 関 係 は認 められなかった。このことか ら PB 装置の結果には腹横筋の収縮率は関係し のことから腹 横 筋 機 能 評 価は仰 臥 位 で行うことで ないことが示 された。測 定 に際 し、腹 横 筋 収 縮 時 代償動作を抑制する可能性が示唆された。 に起 こりうる代 償 運 動 に関 して対 策 を講 じなかっ たために腹 横 筋 の収 縮 と共 に代 償 運 動 が起 こり 【結論】 やすい。その中の 1 つである骨盤の後傾は、腹臥 腹横筋収縮率と PB 装置による腹横筋機能評 位 と仰 臥 位 で比 較 において少 なからず影 響 した 価には関 係 性は見られなかった。また、腹臥 位 で と考 えられる。仰 臥 位 では臀 部 が固 定 されること 行 う腹 横 筋 エクササイズでは仰 臥 位 に比 べて代 によって臀 筋 群 の働 きが低 下 し、腹 横 筋 での骨 償 動 作 が発 現 しやすいことから、腹 横 筋 機 能 評 盤 後 傾 およびそれに伴 う腰 椎 後 弯 への働 きが強 価は仰 臥 位 で行うことで代 償 動 作が抑 制され、よ まると推 測される。そのため仰 臥 位の方で腹 横 筋 り正確な評価を行うことが可能になることが示唆さ に加わる負荷が増加し、腹臥位よりも仰臥位で疲 れた。 労 度 が増 し圧 変 化 量 が低 下 したと推 測 される。こ
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