図形 ズケイ の 調 シラ べ 方 カタ

数学科指導案
平成 24 年 10 月 11 日(木曜日)第2時
1
単
元
4章「図形の調べ方」(16 時間完了)
(1)単元の目標
①平行線と角の関係や三角形の合同条件を根拠にした証明の進め方や図形の性質について進んで調
べようとする。
【興味・関心】
②合同な図形の性質、三角形の合同条件について理解し、簡単な図形の性質を三角形の合同条件を利
用して証明することができる。
【数学的思考】
③三角形の内角・外角の性質について理解し、対頂角や同位角,錯覚の性質、平行線の性質を利用し
て多角形の内角の和や外角の和を求めることができる。
【数学的技能】
④観察、操作や実験を通して、対頂角や同位角,錯覚の性質、平行線の性質、平行線になる条件につ
いて理解することができる。
【知識・理解】
(2)単元構想
本学級の生徒は,1年生から,定期テストごとに計算力テストと学習相談に取り組んできており,基
本的な計算技能がよく定着している。しかし,その半面で操作や実験から数量の関係を読み取ることや
論理的に推論して根拠に基づいて説明することに苦手意識をもっている生徒が多い。また,そのような
問題に直面したとき,自分の考えに自信をもつことができずに挙手して考えを説明できない生徒や,失
敗を恐れるあまりに他の生徒から答えが出ることを待っている生徒もいる。このように,論理的な思考
の発達には個人差が大きい。よって,必要に応じて操作や実験から,直感的に理解させたり,課題を与
えたりして,その解決過程において論理的に導かせるような指導の工夫が有効であると考えられる。
このような生徒の実態から,論理的な思考の高めるために論証を行う練習として「図形の調べ方」の
単元に着目した。図形の性質を調べるとき,図形をつくっている線分の大きさや角の大きさに着目して
考えていく。第1学年では「平面図形」を扱い,直線と直線が交わってできる図形から角の学習を行っ
てきた。角の学習については,小学校でも実際に測ったりして調べているので操作や実験を通すことで,
抵抗感なく考えることができる。本単元では「論証のための基本的性質をあきらかにすること」,
「論証
の適宜と推論の進め方を理解すること」を目標としている。第1節では,既知のものか直感的に自明な
直線や角の性質を扱い,徐々に演繹的な考え方に目を向けさせていく。第2節では,第1節までの流れ
を壊さないように三角形の合同条件を使う証明を取り上げ,「仮定から出発し,既にただしいと認めら
れた事柄を根拠に使って結論を導く」ということを経験させ,推論の進め方に馴れさせていきたい。
本単元では,直線や角の性質を問題に応じて既習事項として問題解決に取り組める思考力や判断力,
既習事項を根拠として論理的に友だちに説明できる表現力を身につけさせたい。そのために,直線や角
の定義や定理を復習カードとして取り入れ毎回の授業で定着を図る。新しい図形の性質の際には,板書
に具体的な図示を多く取り入れ,既習事項を利用していることを実感させることで,既習事項から問題
解決に導く考え方に慣れさせていきたい。また,多角形の性質や角の大きさを求める際にグループ活動
を取り入れていくことで,答えは一つでも考え方や表現の仕方は複数の方法があり,それを自分なりに
見つける楽しさを味わわせたい。そして,発表の中で他の生徒の考え方と比較してどのような点でその
考え方に利点があるのか考え話し合わせていくことで論理的表現を生徒自身の手で構築させていきた
いと考えている。
(3)単元計画
生徒の活動
活用する力を育む手立て
証明するための図形の性質を見つけよう
・必要に応じて操作や実験から,直感
角や平行線の性質について理解しよう
的に角の性質を理解させる。
1・2
・既習事項を利用して角の大きさを求
対頂角や平行線の同位
角,錯角は等しいんだ
同位角や錯角から平行
線の条件がわかるんだ
める。【判断力】
平行線の性質を利用することでいろいろな角度を求めることができるんだ
多角形の内角の和や外角の和を求めよう
三角形の内角
の和は説明で
きるんだ
多角形の内角
の和は三角形
で考えるんだ
多角形の外角
は 360°に決
まってるんだ
3・4・5・6・7(本時)
補助線をひく
ことで角度が
わかるんだ
三角形の分け
ると角度がわ
かるんだ
・平行線になる条件を既習事項を利用
して説明する。【思考力】
・多角形を図示して,既習事項を使っ
ていることを分かりやすくする。
●本時の学習(7/16)
・多角形の内角の和を参考に角の大き
補助線をひいて三角形に分けることで多角形のいろいろな角の大きさがわかるんだ
三角形の合同条件を利用し,合同な図形か確かめよう
合同な図形は線分や角
の大きさが等しいんだ
三角形が合同になる
には条件があるんだ
8・9・10
合同条件から合同な図
形がみつけられるんだ
角の大きさや線分の長さの関係から図形が合同かどうか判断できるんだ
仮定から結論を導く証明のしくみについて理解しよう
証明のしくみは仮定と結
論からできているんだ
11・12
既 習事項か ら合同の 根拠
を見つけていくんだ
仮定から結論にたどり着くまでに習った知識を利用していくと根拠が見つかるんだ
三角形の合同条件を利用して,図形の性質を証明しよう
証明の進め方ってこの
ようになっているんだ
証明するには合同になりそうな三角形を見つけて,仮定から結論に導けばいいんだ
2
15・16
・いろいろ角の求め方をグループで話
し合う。【表現力】
・自分に合った角の求め方を話し合い
から見つける。【判断力】
・角の大きさや線分の長さから合同な
図形を見つける。【判断力】
・図形から合同条件に見合う性質を見
つける。【判断力】
13・14
合同な図形をつかって証
明することができるんだ
図形の調べ方についてまとめよう
さを求める。【思考力】
・問題から合同な図形を見つける。
【判
断力】
・すじ道をたてて合同な図形を証明す
る。【表現力】
本時の学習内容
(1)本時の目標
①既習事項を利用することでさまざまな解き方があることを知り,積極的に1つでも多くの考え方を
求めようとすることができる。
【興味・関心】
②今まで利用してきた同位角や錯角,対頂角といった平行線と角の性質を利用し,それらを利用して
問題を解き,自分の考えを発表することができる。
【数学的技能】
③グループ追究や全体追究で友だちの意見を聞き入れ,それぞれの考え方のよさについて考えること
ができる。
【数学的思考】
(2)活用する力を育むための手立て
①補助線をひいたり三角形に分けたり,試行錯誤することで既習事項を利用して問題解決をしていく
力を育む。
【思考力】
②さまざまな解き方を個人で追究した上で,グループ追究で話し合いの場を設定することによって,
解き方を自分なりに説明する力を育む。
【表現力】
(3)準 備
・教 師
画用紙 黒マジックペン 問題用紙 復習カード 座席表 教材提示機
・生 徒
教科書 ノート
(4)展 開
生徒の活動
段階
導入
(4)
1 前時の復習をする。
・三角形の内角と外角の求め方を確認する。
・三角形の内角と外角の性質を確認する。
・多角形の内角の和を求めたときに,補助線をひいて
2 本時の学習課題を把握する。
(1)
追究
(42)
・角の性質を復習カードで提示する。
・対頂角や同位角,錯角の性質を確認する。
・多角形の内角の和の求め方を確認する。
課題
教師の活動・支援
三角形に分けたことを確認する。
・本時の学習課題を板書する。
ブーメラン型の角の大きさをいろいろな方法で解こう
3 ブーメラン型の多角形の
∠ x の角度を求める。
・ブーメラン型の問題用紙を生徒に配付する。
・複数の解き方があることを知らせる。
①個人追究(9)
①個人追究
②グループ追究(10)
・机間指導で座席表を使って生徒の考えを把握する。
・情報交換と別の解き方の模索。
・いろいろな考え方を見つけている生徒を称賛する。
・発表する解き方をグループで考えが重ならないよ ・全員が補助線をひいて角の性質を利用できるように
うに画用紙に書いて先生に提出。
③全体追究(18)
②グループ追究
・意見別に解き方の解説。
(画用紙を黒板に)
・発表に対して補足や視点を変えた意見があれば付
け足し発言をしていく。
・全体を通じて角度の求め方のコツを考える。
【生徒から出ると想定される考え 4/12】
(へこみをうめる)
支援する。必要に応じて個別指導する。
【思考力】
(三角形2つ)
・全員が1度は説明する時間があるように指示をし,
できるだけ同じ考え方ではない説明をするように指
示をする。
【表現力】
・司会者を中心に個人追究の発表をさせて,発表に対
して全員が感想を伝えるように指示する。
・座席表を確認し,できるだけ多くの考えが各班から
出るように各班に声掛けをする。
・班ごとに画用紙を提出させ,教師が考え方ごとに分
けて黒板に貼る。
・考え方は 12 種以上あることを示唆する。
(三角形2つ)
(平行線を引く)
③全体追究
・解き方ごとに意見を発表させ,補足を促したり,発
展させた考えを発表させたりする。
・各考えごとにその考え方の利点を発表させる。
・角度の求め方のコツについて考え,発表させる。
4 本時の活動を振り返る。
・自分ならどの方法で解くか考える。
整理
(3)
・自分ならどの方法を選ぶか挙手をさせ,その理由を
答えさせる。
【判断力】
・補助線を引くことで角度がわかってくる。
・本時の活動を振り返り,分かったことを発表させる。
・3つの角の和が∠ x の大きさになる。
・3 つの角の和が出るように導く。
5 授業日記を書く。
・角の大きさを求めるときのコツをまとめる。
・授業日記をグループ・全体追究から分かった角の大
きさを求めるコツを書くように指示する。
(5)板書計画
ブーメラン型の角の大きさをいろいろな方法で解こう
多角形の内角の求め方
①○○○○
②△△△△
③××××
④●●●●
先生
多角形の内角を求めるこつ
補助線を引いて
三角形の集合にして
・補助線を引く
・平行線から同位角,錯覚を
見つける。
・分かるところは書く
考える
(6)評 価
①いろいろな解き方がないか,積極的に試行錯誤して問題解決に取り組むことができたか。
(活動3の個人追究)
・自分から進んでいろいろな考え方に取り組むことができた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【A規準】
・補助線や平行線をひくなどの支援を受けて,問題解決に取り組むことができた。
・・・・・・・・・・
【B規準】
②自分の解いた意見を持ち寄り,自分の解いた視点をグループで発表し,グループの仲間に分かりや
すく説明することができたか。
(活動3のグループ追究)
・補助線のひき方などを根拠として順序よくわかりやすく説明することができた。
・・・・・・・・・・
【A規準】
・班の中で自分の考え方を説明することができた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【B規準】
③いろいろな考え方の中で,より自分が分かりやすい考え方を判断することができたか。
(活動4の授業日記,活動5の発表)
・それぞれの考え方のよさを理解し,その中でより合理的な考え方を見つけまとめることができた。
・・
【A規準】
・それぞれの考え方のよさを理解することができた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【B規準】