まえがき - 福島市教育実践センター

ま え が き
学校教育法や学習指導要領に示されているとおり,「基礎的・基本的な知識や技能」「知
識や 技 能 を 活 用 し て 問 題 を解 決 す る た め の 思 考 力・ 判 断力 ・ 表現 力」「主 体 的に 学 習に 取
り組む態度」は,これからの社会を生き抜く子どもたちに育成していかなければならない
力であり,各学校においてはそのことを念頭に,日々指導の改善に励んで参りました。
そのような中,福島市教育委員会では,今年度から全国学力・学習状況調査の結果を市
民のみなさんに公表しました。調査結果については既に御案内のとおりですが,公表資料
の「 福 島 市 の 子 ど も た ち の学 力 を 一 層 伸 ば す た めに …」(小 学 校) の 「育 て たい 力 」と し
て,次のような記述があります。
○
国語では,
①
問題の条件に合わせて考えを書いたり,様々な形式で書かれた文章の内容を的確に読み
取り関連付けてまとめたりする力
②
○
詩や物語の表現の工夫など優れた叙述を正確に捉える力
算数では,
(具体的な問題の場面を示して)問題に対し,答えと考えた道筋を,数式や言葉を用いて
適切に記述できるような力
ここに挙げられている事柄は,正に「思考力・判断力・表現力」育成の必要性を述べて
いるものに他なりません。今回の全国学力・学習状況調査の結果公表において,広く市民
のみなさんに,これらの力を育てていくことが,本市の子どもの学力を更に向上するため
に必要なことである,と述べている意味は非常に大きいといえるでしょう。私たちは,
「思
考力・判断力・表現力」の育成を意識した指導の充実について,認識を新たにする機会と
捉えたいものです。
さ て , 福 島 市 小 学 校 長 会カ リ キ ュ ラ ム 委 員 会 では , 平成 2 2年 度 より 「『 確か な 学力 』
を向上させる授業づくり」をテーマとして,授業改善の参考となる実践資料を提供して参
りま し た 。 特 に , 昨 年 度 から は ,「 活 用 力 」 育 成 の視 点 から , 知識 や 技能 の 活用 を 図る 学
習活動に重点を置いた研究資料を作成し,実践事例をもとに紹介してきました。
今 年 度 は ,「 活 用 力 」 に つ い て「 今 ま で の 体 験 から 学 んだ こ とや , 習得 し た知 識 ・技 能
を駆使し,課題解決に取り組むために必要な思考力・判断力・表現力」と捉えることを再
確認しました。そして,昨年度の成果と課題を明確にし,各教科・領域の特性に応じた活
用力を踏まえ,指導の系統性を考慮した単元(題材)指導計画のもとでの実践事例作成に
取り組んで参りました。実践研究に当たっては,福島地区小学校教育研究会各研究部の御
理解と御協力を頂き,これまで以上に合同授業研究会などを実施しながら研究を深めるこ
とができました。
各学校におかれましては,先に述べたような子どもの実態と今求められる力を踏まえつ
つ,確かな学力の一層の向上に向けて,本資料を大いに御活用いただければ幸いです。そ
の際 , 昨 年 度 の 資 料 や 前 次研 究 資 料 「『 確 か な 学 力』 を 向上 さ せる 授 業づ く り~ 言 語活 動
の充実の視点から~」も併せて参考にしていただければと思います。
最後になりましたが,本研究資料の作成・発刊に当たり御指導,御助言を賜りました福
島市教育委員会様をはじめ,関係の皆様に御礼申し上げますとともに,校務繁多の中,熱
意を持って資料作成に取り組んでいただいたカリキュラム委員・専門委員の先生方に,衷
心より敬意と感謝の意を表したいと存じます。
平成27年1月
福島市小学校長会カリキュラム委員会委員長