中国中央病院 産婦人科病棟 2013 年7月号 VOL,183 じっとりと汗ばむ蒸し暑い季節になりました。気温の高い日々が続き、疲れが溜まりやすいですが、夏バテはしていま せんか? 今回は妊婦さんの約半数以上が経験する腰痛について詳しくお話します。少しでも腰痛が軽減でき、妊娠生活を快適 に過ごして頂けたらと思います。 腰・背・足の付け根の痛みはどうして起こるの? いつ頃に起こりやすいの? 出産に備えて靭帯や骨盤が広がりやすく不安定 妊娠 18 週頃に始まることが多く 50~80%が腰や背部、足 な姿勢の場合骨盤が歪みやすくなります。また、妊 の付け根の痛みを経験します。妊娠後期になると子宮が大 娠に伴う歩行姿勢の変化や体重増加、子宮の増大 きくなりバランスを取る為にお腹を突き出し、背中を後ろに により骨盤に負担がかかり、腰痛を引き起こします。 反らしすぎる極端なS字になりやすい為痛みが強くなること もあります。 腰痛はどうやったら予防できるの? 骨盤が歪んでいるとどういう影響がでるの? 横座りやぺたんこ坐りでなく骨盤が歪まないよう 体全体を支えている骨盤が歪むことに にあぐらをかいたり、さらし等で骨盤固定をし、骨盤 よって腰の痛みだけでなく頭痛、肩こり、尿漏れ が広がらないようにしましょう。妊婦体操の「立って なども出現します。そして骨盤が広がってしまうと子宮も下 体をねじるポーズ」や「骨盤の傾斜・振動運動」(お に下がりやすく切迫早産の可能性が高くなります。 産のしおり参照)、散歩を行ってみるのも骨盤矯正 また、骨盤が歪んでしまっていると産道も歪んでしまい胎 になります。過剰な体重増加は骨盤に負担をかけ 児が上手に産道を通ることが出来ず、お産に時間がかかっ やすいため体重コントロールを行いましょう。 てしまいます。 正しい姿勢、動作は? 痛みを和らげる方法は? 前かがみのままで物を持ち上げたり、足を組まな 背中を湯たんぽ等で温めたり、湯船に浸かったり冷たい いようにしましょう。座る時:深く腰を掛けたり、背も ものを食べ過ぎない、腹帯をしたり靴下を履く等して全身の たれのある椅子を選び、膝とお尻が同じ高さになる 循環を良くしましょう。温めることによって代謝も上がり体重 ようにして猫背にならないようにします。 増加予防にもなります。安静が必要と言われていなければ 立つ時:頭の上から紐で真っ直ぐに引っ張られてい しっかり家事や散歩等をして無理のない程度に動いていき るような気持ちで真っ直ぐに立ちます。 ましょう。また、背中を拳で押すなどのマッサージや、妊婦体 横向きに寝る時:膝の間とお腹の下に枕を挟み、胎 操等をして筋肉の凝りを解消していきましょう。 盤への血流を増やして腰への負担を減らしましょ う。 母親学級のお知らせ 腰痛予防の為の骨盤固定の方法・ポイント さらしや骨盤ベルトを使用して骨盤を固定します。 ・7 月 3 日(前期) ,7 月 10,24 日(後期) 妊娠初期から使用でき、骨盤の関節の緩みが抑え ・8 月 7 日(前期) ,8 月 14,28 日(後期) られ、腰痛予防に繋がります。上前腸骨棘(腰骨)と 時間:13:30~(16:00) <予約について> 大転子部の間を閉めましょう。 外来妊婦相談室に予約ノートを置いています。 強さは気持ち良いと感じる くらいです。 場所:講堂AB ○ ○ 予約なしでも受けられます。 (大転子部:股関節の外側にある *詳しくは外来相談室でお尋ねください。 出っ張りの部分)
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