6. そよ風分教室 東京都立光明特別支援学校 校 長 神 山 寬 (1)沿革と概要 東京都立光明特別支援学校は、病気療養児に対する教育の機会を確保するために、国立 小児病院内での訪問教育を昭和 61 年に開始した。平成 4 年に、関係機関の理解及び支援に より教員が常駐し、小・中学部 9 学級の分教室が開設された。その後、平成 7 年に高等部 の 1 学級が認められ合計 10 学級となった。平成 14 年 3 月国立小児病院と国立大蔵病院が 統合され、 「国立成育医療センター」(以下センターという。)が開院した。これに伴い、国 立小児病院内に設置されていた「そよ風分教室」(以下分教室という。)は、センター内に 移転し、子どもたちは新しい施設で学習ができるようになった。 分教室には教員 12 名と非常勤講師 3 名がおり、26 名の児童・生徒(平成 20 年 3 月 1 日 現在)が分教室で学習している。 (2)分教室の教育 病気で入院しなければならない子どもたちには、落ち着いて治療に専念することと、 途切れずに教育が受けられることが必要である。 また、療養生活には生活リズムや潤いが必要である。単調になりがちな病院生活にメリ ハリをつけ、希望をもって治療が受けられるよう精神的な支えと励みの一助になることを 願い、以下の教育目標を掲げている。 ○体を大切にし、健康の回復、向上に努める。 ○すすんで学習に取り組み、もっている力を伸ばす。 ○友だちやまわりの人とのつながりをつくり、入院生活を豊かにする。 学習形態は、医師の判断を仰ぎ、児童・生徒が登校して行う教室での授業と教師が病室 に出向くベッドサイドでの授業がある。指導内容は、健康・感覚指導を主とした指導と、 前籍校の学習を引継いだ教科指導を行っている。 (3)特色ある授業 センター開設に伴い、普通教室はもちろん、特別教室も設置された。この充実した施設 設備のもとで、インターネットによる調べ学習を活用した総合的な学習、外国人英語講師 による英会話の学習、理科では植物の栽培・観察そして実験等、特色ある授業づくりに努 めている。また、漢字検定、数学検定、パソコン検定なども希望者には実施している。ま た、東京都特別支援学校総合文化祭への出展も行っている。 (4)連携の在り方 都立光明特別支援学校は、特別支援学校として重度・重複障害児童・生徒の教育の充実 と特別支援教育のセンター的機能を果たしている。分教室においても児童・生徒のニーズ を踏まえ、教育相談の充実、前籍校との連携、センターをはじめ関係機関との連携支援を 推進していくことが課題である。 6 月に看護部・分教室連絡会を開催し、副看護部長、関係病棟師長に分教室の教育活動 の説明を行った。また、3 月には病院・分教室連絡会を開催し、病院からは副院長、看護 副部長、庶務課長、庶務課長補佐、学校から副校長、経営企画課長、副校長、主任、副主 任が出席して、分教室に関する諸課題に対し、適切に対処するための連携を図った。また、 次年度にはセンターと共同した防災訓練を計画していきたい。今後もセンターの「成育医 療」の理念を踏まえ、センターと一層の連携・協力を図り、病気医療児の教育的ニーズに 応えていきたいと考えている。 (5)そよ風分教室の紹介 (児童・生徒の作文から) ○そよ風分教室について そよ風分教室は、いつも笑いの絶えない学校、というより学童保育のような楽しい温か い雰囲気に包まれています。時にダジャレを言ったり、音楽を聴いて騒いだり、ザリガニ を捕まえに行ったり・・。すごくアットホームな感じのなので是非来てみてください。 (中3 女子) ○そよ風ライブについて ぼくがそよ風ライブをやって思った事は、みんな病気に負けないくらい元気にやってい てすごいなあという事です。小学校低学年の合奏は、一生懸命やっていることが伝わって きたし、中高生の音楽クイズは、問題がよく出来ていて、さすが中高生と思いました。ぼ くらがやった劇は、みんながお話を作って一生懸命準備をして、本番もうまくいったので よかったです。小学校低学年の人も、みんな一生懸命に準備をしていてすごいと思いまし た。 (小6 男子) 6.授業の様子 ① ② ② ③ ① そ よ 風 分 教 室 入 り 口 運営部 5F ② 図画・工作の授業 ③ そよ風ライブ(文化祭) 総合的な学習などで調べた事柄 を発表します。
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