港区学校職員の障害を理由とする差別の解消の推進に関する要綱(素案)の概要 目 的 障害者差別解消法第 10 条第1項の規定に基づき、国が定める基本方針に即して、 法第7条に規定する事項に関し、港区に勤務する幼稚園教育職員、県費負担教職 員、非常勤職員及び非常勤講師(以下「学校職員」という。)が適切に対応するた めに必要な事項を定める。 定 義 この要綱における、障害者及び社会的障壁の定義をそれぞれ定める。 不当な差別的取扱いの禁止 学校職員は、学校等の事務又は事業(以下「事務又は事業」という。)を行うに 当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることによ り、障害者の権利利益を侵害してはならない。 合理的配慮の提供 学校職員は、事務又は事業を行うに当たり、実施に伴う負担が過重でないとき は、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的障壁の除去の実施 について必要かつ合理的な配慮の提供をしなければならない。 校長等の責務 ①所属職員の注意を喚起し、障害を理由とする差別の解消に関する認識を深めさ せる。 ②合理的配慮の必要性が確認された場合は、学校職員に対して適切な合理的配慮 をするよう指導する。 ③障害を理由とする差別に関する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処し なければならない。 委託等の措置 校長等は、以下の場合において、本要綱及び留意事項を踏まえた適切な対応を 行うために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 ①事務又は事業を事業者に委託する場合 ②その他職員以外の者が事務又は事業を行う場合 1 相談窓口の設置 教育委員会事務局指導室に、学校職員による障害を理由とする差別に関する障 害者及びその家族その他の関係者からの相談等に的確に応じるとともに、職員の 適切な対応を支援するための相談窓口を設置する。 港区教育委員会障害者差別相談委員会の設置 学校職員による障害を理由とする差別に関する相談等に迅速かつ適正に対処す るため、港区教育委員会障害者差別相談委員会を設置する。 ・委員長 教育委員会事務局次長 ・副委員長 指導室長 ・委員 障害者福祉課長 ・委員 庶務課長 ・委員 幼稚園長 ・委員 小学校長 ・委員 中学校長 ・委員 統括指導主事 ※臨時委員を指名できる。 研修及び啓発 教育委員会は、障害を理由とする差別の解消の推進を図るため、学校職員に対 し、必要な研修・啓発を行う。 2 港区学校職員の障害を理由とする差別の解消の推進に関する要綱にかかる留意事項 (素案)の概要 不当な差別的取扱いの基本的な考え方 正当な理由なく、障害者を、問題となる事務又は事業について、本質的に関係 する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うことである。 正当な理由の判断の視点 ①障害者、第三者の権利利益 (安全の確保、財産の保全、損害発生の防止等) ②事務又は事業の目的・内容・機能の維持等 ※個別の事案ごとに、①②の観点から具体的場面や状況に応じて総合的・客観的 に判断する。 不当な差別的取扱いに当たり得る具体例 ①障害を理由に窓口対応を拒否する。 ②障害を理由に対応の順序を後回しにする。 ③試験等において、合理的配慮の提供を受けたことを理由に、当該試験等の結果 を学習評価の対象から除外したり、評価において差を付けたりする。 不当な差別的取扱いに当たらない具体例 ①合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ、障 害のある幼児、児童及び生徒の障害の状況等を確認する。 ②障害のある幼児、児童及び生徒のため、通級による指導を実施する場合におい て、また特別支援学級において特別の教育課程を編成する。 合理的配慮の基本的な考え方 ①障害者が個々の場面において必要としている社会的障壁を除去するための必要 かつ合理的な取組であり、その実施に伴う負担が過重でないもの。 ②事務又は事業の目的、内容、機能に照らし以下に留意する。 ・本来の業務に付随するものに限られること。 ・障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものである こと。 ・目的、内容、機能の本質的な変更には及ばないこと。 ③代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ 合理的な範囲で、柔軟に対応するもの。 3 過重な負担の基本的な考え方 ①事務又は事業への影響の程度(事務又は事業の目的、内容、機能を損なうか否 か) ②実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約) ③費用負担の程度 ※個別の事案ごとに、①②③の観点から具体的場面や状況に応じて総合的・客観 的に判断する。 合理的配慮の具体例 ※具体例の詳細は、別紙をご覧ください。 1 物理的環境への配慮 ○段差がある場合に車椅子利用者にキャスター上げ等の補助をする。 ○障害者からの要望に応じ、目的の場所まで付き添って案内を行う。 ○介助等を行う学生、保護者、支援員等の教室への入室、授業や試験でのパソコ ン入力支援、移動支援、待合室での待機を許可する。 2 意思疎通の配慮 ○筆談、読み上げ、手話、点字等の手段を用いて説明等を行う。 ○視覚障害者に資料等を提供する際、読み上げソフトに対応できるよう電子デー タを用いる。 ○比喩表現等が苦手な障害者に対し、比喩や暗喩、二重否定表現などを用いずに 具体的に説明する。 3 ルール・慣行の柔軟な変更 ○電子メールやホームページ、ファクシミリなど多様な媒体で情報提供、利用受 付等を行う。 ○窓口が複数ある場合、本人は移動させずに同じ窓口で職員が交代し対応する。 ○知的発達の遅れにより学習内容の習得が困難な児童生徒等に対し、理解の程度 に応じて、視覚的に分かりやすい教材を用意する。 区の事務又は事業を行う場合における配慮すべき事項 ①学校職員が区の事務又は事業を行う場合は、区が定める要綱及び留意事項にも 留意する。 ②委託事業者、その他職員以外の者が区の事務又は事業を行う場合は、区が定め る要綱及び留意事項を踏まえた適切な対応を行うために必要な措置を講ずるよう 4 努める。 5
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