研究大会を振り返って

平成17年度修士論文
情報社会の影の部分の実態と求められる情報教育
~情報社会の波に押し流されない児童・生徒を育成するために~
北海道教育大学函館校大学院学校教育専修
4953 佐々木 朗
第1章 研究の背景と目的
• IT社会の到来と情報教育
• 情報教育の歴史
• 自分がこの20何年かでやってきたこと
• 情報教育の今
第2章 情報社会の影の部分と
子どもたちを取り巻く環境
• 子どもたちと携帯電話
中・高生の必需品、低年齢化
メール端末としての危険性
• 子どもたちとパソコン
7割の家庭への普及
家庭でのルール作りの大切さ
• アフタースクールインターネットの功罪
第3章 携帯電話・パソコンに関する
アンケートの実施
• 道南の13校の小・中学校の児童生徒
及び保護者を対象
• 携帯電話・パソコンの状況及び意識の調査
• 調査期間 平成16年12月
• 保護者565名、児童生徒585名から回答
(回答率 保護者55% 児童生徒59%)
結果(携帯電話)
• 学年が進むにつれて上がっている所有率
小学生10% 中3女子51%
• 高まる中学生の利用料金
• 携帯メール(特に中学生)の横行
結果(パソコン)
• 7割ぐらいの家庭が所有し、
ネットにつないでいる場合が多い。
• 親もパソコンの必要性は認識している。
• 操作技能は中学生段階で逆転している。
• ネットに関わるコミュニケーションの欠乏
• 家庭での約束事
結果(情報機器に対する心配事)
• ネットショッピング、料金請求
• 知らない人との交流
• 有害情報
• 性犯罪
• 個人情報の発信や保護
第4章 求められる情報教育と
情報モラル教育
• 学校で指導すべきものと家庭ですべきしつけ
• 子どもたちに必要な情報モラル教育
• 実態に基づき求められる子どもたちの
情報活用能力
• 子どもたちの実態に基づく
情報教育全体計画
第5章授業実践
授業の目的
• 個人情報の概念とその保護
個人情報~個人を特定するもの
個人情報の意識の高まり
個人情報関わる子どもたちの取り巻き
• 個人情報の悪用
第三者への流出
インターネットを手口とした個人情報収集
授業の概要
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日時 平成17年11月25日(金)
場所 上磯町立上磯小学校
研究会 渡島視聴覚教育研究大会
授業
総合的な学習(情報教育)
児童 上磯小学校5年1組 33名
授業者 佐々木 朗(藤城小学校)
附田 勇人(上磯小学校)
授業の内容
内容からして2時間構成とした(研究授業は2/2)
1時間目
個人情報の概念
ニセ電話による個人情報の聞き出しとその対応
2時間目
ニセホームページの個人情報入力体験
収集されたデータのその後
1時間目の授業
• 個人情報とは何か
氏名、生年月日、住所、電話、性別、家族構成、親
の名前、銀行の口座番号、暗証番号、学校名、親の
職業・・・
• ニセ電話のスキットによる学習
給食センター 警察 宅急便
• まとめ
相手に個人情報を教える場合の十分な配慮
2時間目の授業
• ホームページへの書き込みの危険性
学習モジュールの利用(ネット社会の歩き方)
• ニセホームページへの入力
ニセアンケートへの個人情報の入力体験
• 悪徳業者のデータ処理
インターネットで集められたデータのその後の体験
• まとめ
インターネットで特に気をつけなければならないこと
授業の様子(1/5)
授業の様子(2/5)
授業の様子(3/5)
授業の様子(4/5)
授業の様子(5/5)
授業を通しての成果と課題
• こわかったニセホームページの入力
• 子どもたちの十分な警戒心と人間不信のバラ
ンス
• 情報モラルの授業の強い必要性
• 情報モラルと情報社会に参画する態度、そし
て、情報教育の計画的な指導
第6章 研究のまとめと今後の課題
研究全体の成果
• 調査を通して、道南地区の携帯電話・パソコ
ンの所持・利用状況及び意識をつかむことが
できた。
• 子どもや保護者の情報機器に対する心配事
をつかむことができた。
• 授業実践を通して、児童にインターネットの利
用に際して、個人情報保護の心構えや意識
に変容があった。
今後の課題
• 「不易」と「流行」の「流行」に当たる部分の情
報教育の果たす役割の共通理解
• 学校間や教師間で温度差が大きい情報教育
に対する意識
• 誰でも実践できるような情報教育に関する指
導計画や授業教材の提供
最後に
• 今後においても、情報教育の光の部分、また、
影の部分に対する指導、情報モラル指導など
の教育実践に力をいれていきたい。
End