アクティブラーニング型授業の事例報告(佐藤・基礎数学 A)

アクティブラーニング型授業の事例報告(佐藤・基礎数学 A)
【計画】 ①概要
科目名: 基礎数学A (第7回)
ク ラ ス:
1-3
時 間:
水
曜日
1~2
前期 後期 通年(7/60 回)
限
実施日:
2015
年
教員名:
佐藤 健太郎
5 月
13 日
(4単位)
授業のねらい:
・(上位目標)工学の基本的問題を解決するために必要な数学の知識、計算技術および応用能力を修得し、この知識
および技術等を工学における現象面と関連づけて活用する能力を養う。
・(目標)繁分数式の基本的な計算ができる。
対象クラスについて感じている学生の雰囲気、特徴:
・グループワークにも慣れはじめ、能動的に学ぼうとする雰囲気がみられる。
・分からない部分は周囲の学生に質問したり、協力したりして明らかにしようとする様子がみられる。
アクティブラーニングに関して改善・工夫をしたこと、今後改善したいと思っていること:
・授業にグループワークを取り入れ、学生が主体的に学べる環境をつくっている。
・教員は教室を周りながら学生の学習上の困難の把握に務め、サポートをおこなっている。
科目の特徴・特性(反転授業の導入のしやすさ(しにくさ)、双方向の授業、アクティビティの活用など):
・ 事前課題・教材を準備すれば反転授業への展開も可能である。
・ グループワークを取り入れることにより、授業内での理解度の向上が可能である。
・ 全体質問、ペアワーク、グループワーク、振り返りにより、理解度の向上と現状把握ができる。
②本時の授業
時 間
1 校時
導
分
15
8:50~9:05
入
授業内容
備 考
授業
(■:説明 ○:学習活動☆:ALのポイント ※:チェックポイント)
形態
○電池と豆電球を使った実験の経験を聞く(全体質問)。
■学生になじみのある具体例を提示する。
○抵抗の直列・並列接続の計算方法について学生に聞く。
☆本授業との関連性を話し、動機の向上を図る。
一斉
○以前に解いた分数式の問題を例に出し、分数式の勉強の必要
性を説明する。
9:05~11:45
40
○事前準備したプリントを配布する。
※学生はグループで協力しながら問題に取
○グループワークにより、分数式の基本的な問題(教科
り組んでいるかを確認する。
書の問題)に取り組む。
☆教員は教室を周りながら学生の学習状
協働
況の把握に務め、グループワークが円滑に
進むように環境を整えるようにする。
展
2 校時
開
11:45~12:10
12:10~12:20:
25
○ホワイトボードにグループワークで取り組んだ問題(分
■解答を例に解説をおこなう。
数式、4問)を解いてもらう。
10
○教科書の例題(繁分数式)の解説をおこなう。
協同
一斉
■例題(繁分数式、1問)の解説をおこ
協働
なう。
12:20:~12:30
ま
と
め
12:30~12:35
10
5
○ホワイトボードにグループワークで取り組んだ問題(繁
■解答を例に解説をおこなう。
協同
分数式、1 問)を解いてもらう。
一斉
○次回の授業(繁分数式の続き)について話す。
一斉
【報告】 ➂授業の様子(写真:イメージ)
○教材(学習シート)
○協働学習
○演習の様子
④担当者コメント記入欄:
○教員のねらいどおりに授業が展開されたか?
高専生として、工学に興味を持ち、純粋な気持ちに本校に入学してきた1年生であるため、その気持ちを損なわないように、
専門と数学の関連性を強めながら授業を行ってきた。今回の授業では、多くの学生がおこなったことがあると思われる電池と豆
電球の話から始め、抵抗値の計算に使われている分数式の計算方法の話に展開し、基礎数学の重要性を強調することによ
り、動機付けに繋げることをねらいとした。この授業のねらいは十分に達成できたと考えているが、学生進度にばらつきがあり、小
テストへの対応ができなかったのが反省点として挙げられる。
○改善や工夫に対する学生の反応や気づいたこと
・初回の授業から継続的にグループワークをおこなうことにより、学習における説明と質問の重要性に気がつき始めているようであ
る。4月初旬と比較して、学生間で主体的な話し合いがおこなわれている様子が見られる。
○その他気づいた点(例:○、※に対するコメント)
・数学が得意な学生、不得意な学生が共に授業中に多くのことを学べるように、グループ分け、教材の難易度の調整、学習へ
の動機付けなどを工夫していく必要を感じている。特に、グループワークでは、教師がいなくても学生間同士で教え合うことによ
り、コミュニケーション能力が高まる。その上、他者の能力を認め、自分を振り返るきっかけになると考えられる。
⑤担当教員によるファシリテーションスキルのチェックリスト(指導力のふり返り)
スキル項目
評価基準
十分に満足
① 学びの場づくり
○
② 対人関係
○
おおむね満足
③ 構造化
○
④ 合意形成
○
⑤ 情報共有化
○
改善の余地あり
⑥全体的な感想(授業者からの意見収集)
今年度の初回の授業では、教科書の内容には入らず、グループワークの重要性を認識するための特別活動を2時間か
けておこなった。特別活動後におこなった学生アンケートを見ると、グループワークの重要性のみならず、新学期が始まって間
もなかったこともあり、学生間の交流も深められたという意見が多く、授業へのペア・グループワークの取り入れは、クラス運営
にも重要であることが理解できる。
なお、課題として、グループワークの時には教室の狭さが重要な問題であり、移動型の机椅子および教室環境スペースな
どこれから検討に値するものと考える。
今後も、アクティブラーニング型授業を続けていく予定であるが、グループワークだけではなく、他の授業形態のアクティブラー
ニング型授業や ICT 活用(タブレット型パソコンの活用)も検討していきたい。