視線一致とインタラクティブ性を両立する 双方向インタフェースの提案

視線一致とインタラクティブ性を両立する
双方向インタフェースの提案
東海大学大学院
鳥居
1.
工学研究科
弘樹
山田
はじめに
ビデオ会議システムは、出張の時間と手間を省く
ことができ、ビジネスの分野では当たり前になって
いる。またシステムの小型化・低価格化とブロード
バンドの普及は、家庭レベルにも実用化が始まって
いる。しかし従来から、ビデオ会議システムでは、
相手方との視線一致と文字・図形の書き込みによる
インタラクティブ性の実現が課題になっている。
そこで我々は課題解消のため、以前からプロンプ
ターとタッチパネルの組み合わせた双方向インタフ
ェースを提案している。本装置はプロンプターを用
いることで、操作者とカメラの視差を少なくし対話
者同士の視線一致を可能とする [1]。またタッチパネ
ルによる文字・図形入力をサポートすることで、イ
ンタラクティブ性を確保している。
我々はインタラクティブ性と視線一致を両立さ
せ、高いコミュニケーション能力を持つ双方向イン
タフェースの開発を目的に研究を行っている。また
以前の研究成果[2]を取り入れ、本装置を用いた場合
でも、眼球運動測定を可能とする。
2.
光穗
になる画面は奥まった状態になる。そのため操作者
の頭部位置により、画面の見方が変化する。結果、
描画時のポインタ位置がずれて見えてしまう。この
誤差を修正するため、accFace で眼球位置を取得、そ
の後独自のアルゴリズムを用いて誤差を修正する。
タッチパネルによる入力が行われるたびに誤差を修正
することで、頭部位置に関わらずに直感的な操作を可能と
する。
4.
まとめ
本装置の最も大きな特徴はインタラクティブ性と
視線一致の両立にある。そのためビデオ会議の参加
者らは多種多様な情報の交換が行える。また真正面
から人の顔を撮影できるため、眼球運動測定や顔パ
ーツ取得を行える。
装置構成
プロンプターの前面部にはタッチパネルが取り
付けられており、操作者はこのタッチパネルを使っ
て本装置を操作する。
図 1 は実際に本装置が動作している様子である。
本装置は画面左上にカメラからの映像を表示してい
る。また画面中央には操作者が自由に書き込みを行
うことができる描画領域を配置した。そして画面右
には操作者の描画をサポートするためのツールを用
意した。
3.
情報理工学専攻
顔検出とその応用
3.1
accFace
本装置は操作者を真正面から撮影可能な点を活
かし、ATR-Promotion 製作の accFace[3] を用いること
で、眼球や鼻などの顔パーツを検出できる。
本装置は取得した眼球位置から、下記の頭部運動
補正を行っている。
3.2
頭部運動補正
構成上、本装置において実際に操作者が見ること
図 1 インタフェース画面
参考文献
[1]
[2]
[3]
佐藤利喜夫、三浦彰、永田邦一:“映像電話に
おける撮像管の位置に関する検討”,昭 42 連大,
No.1998(1967)
塩田陽一郎、鳥居弘樹、山田光穂:“眼球運動
と図形模写時の軌跡を同時測定できる新しい
装置の開発”
、 HIS2006 , 2331
川戸、鉄谷、”SSR フィルタと SVM を用いた顔
の実時間検出と追跡”、信学技報、
PRMU2003-160, pp.55-60, Nov. 2003.