国の裏切りを許さない!! ∼障害者自立支援法のゆくえ∼ 弁護士 野田 葉子 成 立 当 初から強い反 対の をしたのに、改正法の提 案と はどういうつもり なのでしょ に出たのです。 その後この改正案は参議院 の委員 会でも可決され、あと は参議院本会議で可決される だけ、という 状況にまでなり ましたが、鳩山首相退任騒動 のため参議院本会議は開催さ 持ち込むことができました。 れず、その後なんとか廃 案に しかし、また同様の改正案 が出される可能性は十分にあ ります。 私たちはこのような国の裏 切りを絶対に許すわけにはい きません。 国には、和解の内容どおり 自立支援法を廃止して、障害 内容の新法を制定させなけれ 者が安心して暮らせるような ばなりません。 そのためにも、引き続きご 支援をお願い致します。 当事務所の佐久間と担当したケースで 今回の依頼者の方は、亡くなった男性と 遺族年金を受給できる配偶者が、戸籍上 長年一緒に暮らし、男性が癌の闘病生活 の妻なのか、実質的な妻なのかが争われ、 を送った最後の3年間も必死に看病にあ 厚生労働大臣が社会保険事務所の判断を たっていました。ところが、社会保険事務 覆した事件があります。 所は、戸籍上の妻が受給者だと形式的に 遺族厚生年金は、亡くなった方の死亡 判断をしたのです。 当時、その方と生計を一にした「配偶者」 しかし、十数年来同居して夫婦同然に に支給されますが、この「配偶者」には,婚 暮らしてきた妻が何も受給せず、長年別居 姻届を出していなくても、事実上婚姻関係 して闘病生活中にも、その事情を知りなが がある方が含まれます。 らほとんど接触しなかった妻が、突然、男 ただし、他に戸籍上の配偶者がいる場 性の死亡により年金を得るというのは、余 合には、その婚姻関係がすでに「形骸化」 りに受け入れがたい結果です。 し、その状態が「固定化」していなければ、 今回は、右の最高裁の考え方に照らし、 実質的な配偶者は年金を受給できないと 依頼者の不服申立が認められ、最後まで闘 いうのが最高裁の考え方です。 病生活に付き添った実質上の妻が年金受 遺 族 年 金 を 受 け取る ﹁配偶者﹂とは? あると思うと、大変嬉しい判断でした。 あった障害者自立支援法の廃 こ の よ う に 民 主 党 政 権 は、 うか。 法違憲訴訟が行われていまし 訴訟での和解が成立した途端、 をマニフェストに 掲 げていた 民主党が政権を取ったことか ら、全国の訴訟で国と原告団 年4月 との和解が成立しました。 愛知でも、平成 障害 者が社会の対 等な一員と して安心して暮らせるように 最善を尽くすことを約束する ものとなっていました。 ところが5月下旬、突然、自 立支援法﹁改正﹂法案が提案さ れ、あっという 間に衆 議 院で 可決されてしまいました。 この改 正案は、自民・公明 とほぼ同じ内容で、到底原告 両党が以前提案していた法案 団が納得できるようなもので はありません。 そもそも、自立支援法を廃 手のひらを返したような態度 たが、平成 年1月、同法廃止 止を求めて、全国で自立支援 14 援法を廃止して新法を制定し、 和解の内容は、国が自立支 終結しました。 日、国と和解が成立し、訴訟は 22 案にする、という 内容で和解 7 の意思を推察しても、これが本来の結果で 弁護士 大坂 恭子 22 給者と判断されました。亡くなられた男性
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