「地域に資金が循環するしくみ」は、 「正確には、どれだけ必要か?」と 「なぜ循環しないのか?」の 把握・対応なしには実現しない IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 川北 秀人 http://blog.canpan.info/iihoe/ IIHOEって? 組織目的: 地球上のすべての生命にとって、 (1994年) 調和的で民主的な発展のために 社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援 隔月刊誌「NPOマネジメント」発行(99年創刊) 育成・支援のための講座・研修 マネジメント講座・個別カウンセリング(年100件以上) 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年40県市以上) 調査・提言:「NPOの信頼性向上と助成の最適化」「協働環境」 企業の社会戦略(責任・貢献)のデザイン(年20社前後) ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決 2020年の地球への行動計画立案 専従3名・客員2名、東京(新川)、約4000万円 2 資金はどんな目的に、どれだけ必要か? 「循環」しない理由は何か? 「あればやる」(なければやらない)活動 →「本当のニーズ」を把握・発信していない ビジネスモデルのある「事業」ではなく、 「活動」 →継続的な資金調達基盤をつくっていない →「事業(と資金)のニーズ把握」と、 必要性の高い活動への「継続的な 資金調達基盤づくりの支援」が不可欠! 本当に、すべての分野・団体を 対象にするのか? これまで数年間と今後数年間を見通して 最も必要性の高い課題(分野・事業)に、 集中して基盤づくりを急ぐ必要はないのか →今後数年間を考えれば、子ども・子育て、 高齢者、水・環境、多文化共生が緊急! 「必要性の高い課題の特定」と、「資金需 要予測と事業基盤特性に応じた支援」を しないなら、従来型の助成制度と、どこが どう違う?? 足りないのは、本当に、本当に資金か? 新たに外部から資源を集める前に、 内部の資源を、最大限に活用しよう! 人材(意欲×技能×時間) 道具・施設(持つより借りる!) 資金(経費より投資を!) 情報(収集→編集→発信!) 目的(ニーズへの共感が資源を集める) ネットワーク(専門性を相互共有する) NPOの資金源? 会費 寄付 事業収益 補助・助成 受託(委託) → 会費+寄付+事業収益 =「自主財源」率の高さがカギ! 資金調達を始める前の3つの準備(#67) 成果を生む準備 必要性と効きめを示す ニーズは定量化できているか?(#49) 手法の有効性は確認できるか? 品質を高めながら続ける準備 満足もサプライズも!(#61、#59) 記録→ふりかえり→申し送り!、記念日! 信頼される準備 不安に応えるコミュニケーション(#50) 「団体基本情報」開示、結果報告より経過広報 事業の自立性?→対価と事業がめざす運営形態 必要な資金の負担 例 目指す運営形態 受益者・利用者からの 対価収入により、 収益が見込める。 (対価自立事業) スポーツ・芸術文化活動 主婦・障碍者の起業 環境配慮製品・サービス 受益者・利用者から 対価も取れるが、 継続には外部からの 補助が必要。 (補助継続事業) フリースクール 伝統文化財の維持・継承 里山保全 難アクセス地の公共交通 介護保険事業 CB/SEによる 事業経営の効率化を 進めつつ、行政からの 補助は続ける。 →補助の制度化必須! 基本的人権の保障上、 不可欠な事業であり、 受益者・利用者からの 対価による継続は困難。 (基本的人権保障事業) ホームレスの緊急救援 子どもの電話相談 途上国への開発協力 DV被害者の支援 医療情報の翻訳・通訳 社会的な課題解決の 先駆者としてCB/SEが 先行しており、行政 サービスとして法制化 する必要あり。 →事業の制度化必須! CB/SEによる 自主・単独事業へ →立ち上げ期のみ支援 (リサイクル、有機農業など) 事業が「経済的に自立する」とは? 期待される質と量を供給しつつ、その経費を 対価(受益者負担)などでまかなえる状況 → 「ニーズ」に対して「期待以上の価値」が 提供されていることによって、「対価」が取れている → そのためには、社会にインパクトを与えながら、 単価と客数を高め続ける必要がある → そのために、期待される質+量を供給できるよう 自己投資と研究開発を惜しまない + 自らをモデルとして、常に他に共有し続け、 しくみづくりや社会的な展開を進める 事業の持続可能性を高めるポイント 事業のニーズはあるか? 事業を続けるのか? 対価は取っているか? 対価は適切か? 質を高める努力は適切か? 固定費を減らす努力は十分か? 補填ではなく「投資」として助成を受けているか? 外部と連携・協働しているか? ブランディングしているか? くわしくは「NPOマネジメント」第53号特集を参照 企業・行政に「影響力のあるプログラム」をつくるには? → 欧米の大きなNPOなら、どうする?? STEP1 自分たちの活動分野の主な課題に対する 企業・行政の取り組みを調査し、比較する。 STEP2 調査結果をマスメディアに報道してもらうとともに、 団体のウェブサイトでも「概要」を開示し、 社会的な関心を高める。 STEP3 調査結果をもとに、企業・行政を対象に、 有償で「報告会」を開催する。 STEP4 「もっと詳しく知りたい」という企業・行政を対象に、 個別に有償で「勉強会」を開催する。 STEP5 「本格的に取り組みたい」という企業・行政に、 対策プロジェクトを実施する。 STEP6 その後も定期的に、調査と事例を発表し、 「次にすべきこと」を具体的に提案し続ける。 詳しくは「NPOマネジメント」第53号参照 自発的・積極的な情報開示が 信頼と支援を促す・支える! - 情報開示の意義とポイントを 再確認しよう IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 川北 秀人 http://blog.canpan.info/iihoe/ 助成機関などとの関係では、 パナソニックNPOサポートファンド 環境分野 審査委員(04年~)、委員長(06-09年度) セブン・イレブンみどりの基金 最終審査員(05年~) トヨタ環境基金 一次選考担当(07年~) 千葉県協働提案事業 審査員(08年~)、委員長(09年~) 経産省ソーシャル/コミュニティ・ビジネス支援事業 (独)科学技術振興機構 社会技術研究開発センター実装支援プログラム あの「エコポイント」アドバイザリー委員! ETIC.×NEC 社会起業塾 塾長(02年~) ETIC.×ブラザー工業 東海若手起業塾(08年~) などなど 資金提供者は何を期待しているか? 状況の緩和・改善 → ニーズに対する効き目 原因の解消 → 再発の抑制・防止 基盤の整備 → 団体内でも、社会にも 担い手の成長 → 特に、自主財源率の改善 協働や寄付は、 なぜ広がらない?増えない?? 「どんな団体があるか、 わからない」 「活動や運営の実態が、 わからない」 「実績や事務能力がない と、任せられない」 「活動するので精一杯」 「現場ではしっかり伝えている (つもり)」 「機関誌は配布・発送してる (大変!)」 「ホームページはつくったけど、 更新は・・・」 → ITの進化(メール、ブログ、検索エンジン)、 マスメディアの関心の高まり(記事増)など、 発信は増えているのに、なぜ?? 相手の立場から、考えてみましょう 「どんな団体があるか、探してみよう!」 「ウェブで検索してみよう」 「NPO支援センターに、問い合わせてみよう」 「この団体、信頼して大丈夫?」 「行事の案内は来るけど、どんな団体だろう?」 「これまで、どんな実績があるんだろう?」 「年間の事業規模って、どれぐらいだろう?」 「どんな人が参加・利用しているんだろう?」 「参加・利用している人たちは、どう感じているんだろう?」 「どんな人が運営しているんだろう?」 → 「出したい・出せる情報」ではなく、「答える情報」を! IIHOEの「GATE」プロジェクト Grantmaking optimization and nonprofits’ Accountability & Transparency Empowerment 「NPOの信頼性・透明性の向上」 「NPOはなぜ、ちゃんと情報開示しない」 「どうせ開示するなら、どうすればいい?」 「助成・資金提供の最適化」 「助成する側が欲しい情報って、どんなこと?」 「助成する側にとって、何が大変なんだろう?」 「助成・資金提供って、今後どうあるべき?」 同じ問題の裏表→ 市民社会への扉を支える2本柱=「門」 資金提供のプロは、どうしている? 91機関・133の助成プログラム(計338億円!) の申請書・報告書の設問を集計・分析しました! たずねられているのは(あたりまえですけど)、 団体の概要 連絡先だけでなく、実績・歴史や財政も! 事業のニーズ 「本当に必要とされているか?」をデータや事例で 事業の実現可能性 「どのように、誰が、いくらで?」を詳細+現実的に の3つ! → その分析から作成したのが「団体基本情報シート」! 「基本的な団体情報」は、常備しましょう! 基礎情報: 団体の概要と連絡先情報の一覧 活動概要: 設立の目的、主な活動実績、事業概要 連携の実績、今後の方向性: 他の組織からの支援内容・協働の実績、今後の方向性 運営体制: 事務局スタッフや会員数、意思決定機関 財務状況: 収支内訳、財務状況 添付資料: 定款、会計報告など、備えておきたい書類 → つくっておくと、申請書式の記入が楽! & ブログで紹介しておきましょう! → この機会に、準備を始めましょう! 全国規模と地域規模の助成、どこが違う? 記入項目は、全国規模の方がわずかに多い 6割以上のプログラムが記入を求める項目は、全国11・地域10 5割以上は全国22・地域13、4割以上は全国28・地域18 全国規模で求められるのは、「目的」「実績」「ウェブサイト」 添付資料を求めるのは、地域規模の方が多い! 定款70%、パンフ・会報66%、予算書51%、決算書47%! 全国規模では、審査基準が詳細 地域規模では、申請期間中のコミュニケーション重視 そこで 「団体基本情報」を毎年更新し、常に開示する! 「目的」「主な実績」は、必ず毎年更新する! 定款、事業報告書、財務諸表は必須! ニーズや実績は、「数・量」を示す! 審査基準や採択傾向から、「知りたい情報」を! 対面できる機会に「知りたい情報」をたずねる! 日常的にできることとして 「団体基本情報」は、HPやブログに! 「目的」「主な実績」は、HPにも名刺・封筒にも! 定款、事業報告書、財務諸表も、HP・ブログに! 毎回の活動は、必ず記録し、集計・分析する! 次のニーズは、アンケートでたずねる! 募集要項・申請書は、流し読みしてマーク! 申請書の「重要項目」を下書きして、質問する! ぜひこの機会に、参考資料を! 「団体・活動の情報を、正確にしっかり開示しよう!」 (「NPOマネジメント」第50号) 「助成する側・される側が、『伝わりあう関係』になる ために」 ( 同 第52号・第53号) 「その申請書は、なぜ通らない? - 伝わる申請書の ポイント」 ( 同 第56号) 「そのプレゼンテーションは、なぜ伝わらない? - 伝わるプレゼンテーションのポイント」(同第57号) 「NPOへの資金提供・助成の最適化に関する調査」 「助成申請書の団体基本情報に関する、地域規模・ 全国規模助成の比較調査」も、好評発売中!
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