BPM BPM ネットビジネスの企画と ウェブサイトの設計 県立岐阜商業高等学校 講義 2005年2月2 - 3日 専修大学ネットワーク情報学部 小林 隆 [email protected] http://www.ne.senshu-u.ac.jp/~thn0674/ All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 1 目次 BPM 1 ネットビジネスとは 2 ネットビジネスの企画 3 ウェブサイトの設計 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 2 目次 BPM 1 ネットビジネスとは All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 3 ネットビジネスの事例 BPM <デル> All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 4 ネットビジネスの事例 BPM <デル> 本社所在地: テキサス州ラウンドロック (日本:川崎市堀川町) 販売業務開始: 1984年 ネット販売は1996年 (日本:1993年) 従業員数: 46,000 名 ( 日本:1,100名) 売上げ:410億ドル、利益:26億ドル (2003年) アジア生産拠点:中国 厦門(アモイ) 台湾の対面で経済特別区 2003年第3四半期パソコン出荷台数 6507000, 15% 6445100, 15% 24497000, 58% 2267300, 5% 1558700, 4% 1322700, 3% マイケル・デル 40歳 デル HP IBM 富士通 東芝 その他 2003年 ガートナーの調査による All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 5 ネットビジネスの事例 BPM <アマゾン> All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 6 ネットビジネスの事例 BPM <アマゾン> 本社所在地: シアトル (日本:渋谷クロスタワー) 販売業務開始: 1995年 (日本:2000年) 売上:52億6000万ドル 、利益:3500万ドル (2003年) 日本の流通センター:千葉県市川市(5000坪) 2003年度の売上と純利益 6000 5,263M$(紀伊国屋の5倍) 売上と純利益 [M $] 5000 4000 3000 2000 1000 35M$ 0 -1000 ジェフ・ペゾス 37歳 2001年 2002年 売上 2003年 純利益 2003年度 amazonの決算報告書による All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 7 ネットビジネスとは BPM 顧客、パートナー企業、供給業者、政府などの利 害関係者との間で行う様々な活動を、インター ネット技術を利用して行う業務。eビジネスとも よぶ。 政府 パートナー、供給業者 顧客 C2C 企業 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 8 ネットビジネスの特徴 BPM <コンピュータを利用するから> 1. 無人営業。 – 商品の展示、説明、問合せ対応、検索、販売、発注等の 多くの業務を自動処理 2. 24時間無休営業。 – 昼夜を問わず、地域に関係なく地球規模で営業 3. 安価な立上げ・運営費。 – 立上げ費:20-30万円、運営費:1万円/月 4. 無限の店舗面積。 – バーチャル空間に、多種多彩な製品を陳列 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 9 ネットビジネスの特徴 BPM <インターネットを利用するから> 1. 全世界を相手に商売ができる。 – インターネット人口:6億6千万人(日本は6500万人) 2. ネットワーキングを利用できる。 – 自分の得意な領域で勝負し、他はパートナーやサプライ ヤに委託 3. 顧客を絞り込むことができる。 – 検索サイトのカテゴリーや検索キー 4. 大企業と渡り合うことができる。 – 顧客からはウェブサイト介したサービスしか見えない All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 10 1990 ネットビジネスの歴史 1995 2000 BPM 2005 ドットコムブーム ネットバブル崩壊 W e b 技 術 海 外 ビ ジ ネ ス 国 内 ビ ジ ネ ス 1993:Mosaic開発(マーク・アンドリーセン) 1995:MSがIEを無償で提供開始 1996:MSがIISを発表 1997:IBMがeビジネスを提唱 1995:Yahoo創業(ジェリー・ヤン) 1995:amazon創業(ジェフ・ペゾス) 1996:Dellがインターネット販売開始 1996:チャールス・゙シュワブがネットトレードを開始 1998:Google創業(ラリー・ペイジ) 2001:AOLとタイムワーナーが合併 1996:Yahooジャパン創業(孫正義) 1997:楽天創業(三木谷浩史) 1998:松井証券がネット取引開始 1999:オートバイテル・ジャパン創 2000:amazon日本法人創業 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 11 ネットビジネスの動向 BPM 市場規模は、おおよそ年に1.6倍の割合で順調に拡大中。 現状、PC関連、旅行、エンタテインメントが中心。 今後、旅行、衣料・アクセサリー、雑貨が伸びる。 各種サービス 6% 金融 4% その他物販 5% PC関連 7% 旅行 エンターテインメント 10% 7% 書籍・音楽 2% 不動産 24% 自動車 21% 雑貨・家具 4% 衣料・アクセサリー 5% 食品・飲料 5% 品目別のネットビジネス市場規模(2002年度) 総額 26,850億円 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 12 目次 BPM 2 ネットビジネスの企画 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 13 ネットビジネスの4つの企画項目 BPM 1. 商品と市場 – 何を誰に売るのか 2. ビジネスプロセス – どうやって売るのか 3. ITの活用 – コンピュータとインターネットをどこに使うのか 4. 収益 – どうやって儲けるのか All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 14 商品と市場 BPM <ウェブ販売に向いている商品> 高 不動産 自動車 家具 単 価 証券 旅行 PC 家庭用品 衣料 玩具 ゲーム 書籍 チケット 音楽配信 低 低 ビッタビリティ 高 (購入体験をデジタル化できる度合) (東洋経済 2000.4.1、“気まぐれになる消費者”) All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 15 商品と市場 BPM <ウェブ販売に向いている商品> • • • • • • 利益率が高い。 独占的に販売できる。 商品がデジタル的にダウンロードできる。 ネット販売が従来の販売手段より有利。 誰もが必要とする。 顧客が定期的に購買する。 完璧に当てはまる商品を追い求めるよりは、 「自分の強さを発揮できる商品」を選ぶ。 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 16 商品と市場 BPM <ニッチな市場> • 参入者なしの市場 – これは非常に見つけ難い。 • 参入者が少ない市場 – 案外見つけやすい。まだネット化されていないビジネス は? • Ex. ネット型法律相談、ネット型スーパーマーケット • 参入者がまだらな市場 – まだ参入者が少ないセグメントがある。 • Ex. 法人向けゲーム、シルバー向け漫画 • 新しいニッチ市場 – 新しい観点で市場を捉える。 • Ex. ボールの店、にんにくのレストラン All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 17 ビジネスプロセス BPM <業務イベントモデル> 「ビジネスは依頼者と実行者の会話である」 要求 ①準備 依頼者がほしい商品/ サービスを定義する 依頼者 代案提示 ②交渉 依頼者と実行者が 提供条件に同意する 満足 同意 受入拒否 ④合意 依頼者が成果物を受入 れ評価する : 状態 完了報告 実行者 ③実行 実行者が商品/サービ スを提供する : ビジネスイベント All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 18 ビジネスプロセス BPM <業務イベントモデル> 業務イベントモデルに従ってビジネスプロセスを設計する。 ①準備 来店 ②交渉 商品選択 本を探す 在庫を確認する 決済方法を決める 宣伝 満足 注文 ④合意 受入拒否 ③実行 出荷 配送 決済 配送確認 配送指示 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 19 ITの活用 BPM <ビジネスプロセス改善パターン> 「2人の会話で顧客を満足させるには?」 ①準備 ②交渉 要求 「アクセス性」 •ブランド形成 •宣伝 「マッチング」 代案提示 •検索 •シミュレーション 満足 同意 ④合意 ③実行 受入拒否 「信頼感」 「実行力」 •問合せ対応 •クレーム対応 •ネットワーキング •スケジューリング 完了報告 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 20 ITの活用 BPM <ビジネスプロセス改善パターン> ビジネスプロセス改善パターンに従ってITを活用する。 ①準備 ②交渉 来店 宣伝 広告・リンク 商品選択 本を探す検索エンジン 自動在庫管理 在庫を確認する 決済方法を決める 満足 注文 ④合意 受入拒否 ③実行 出荷 宅配便連携 配送 決済 クレジット連携 配送確認 配送指示 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 21 収益 BPM 1. 販売 – ネット経由で物品やサービスを販売して得られる収益。 • – Ex. ヤフーはオークション手数料、楽天はテナント料。 大半のオーナにとって、これが主たる収入源となる。 2. 広告 – – ホームページやメルマガに他社の広告を出す対価。 アクセス数がかなり多くなければ儲からない。 • • Ex. ヤフーは月間94億PV、楽天は月間16億PV(2003年8月時点)。 Ex. 月間100万PVで100万円くらい。 3. 紹介(アフィリエーション) – ホームページのリンクを介して他社のサイトで物品を購入 した際の報酬。 • Ex. Amazonのアフィリエート・プログラム場合、5%-15%の紹介料 を払う。 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 22 目次 BPM 3 ウェブサイトの設計 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 23 ネットビジネスのウェブサイトとは BPM ウェブサイトは店舗でありブランドである。 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 24 ウェブサイトの4つの設計項目 BPM 1. ユースケース図 – ウェブサイト(システム)と利用者(アクター)の相互作用 2. シナリオ – 相互作用の具体的な処理手順 3. コラボレーション図 – シナリオを実現するためのソフトウェア構成 4. 画面 – 画面遷移とレイアウト All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 25 ユースケース図 BPM システム 要求 ユースケース1 結果 要求 結果 ユースケース2 主アクター ユースケース3 要求 結果 支援アクター All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 26 ユースケース図 BPM <オンラインショッピングシステムの事例> オンラインショッピングシステム 商品選択 配送業者 注文受付 顧客 状況確認 決済 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi クレジット会社 27 シナリオ BPM ■ユースケース名: 対象とするユースケースの名称 ■要約: 概略の処理手順 ■基本パス 単純な正しいパス(ハッピーパス)、すなわち、間違いや失敗がなく、最 も一般的な流れを示す。 ■拡張パス どちらかというと一般的でないパス(選択肢)、または、間違いがあった ときに発生するパス(エラー処理)。 ■事前条件 ユースケースを開始するために準備すべきこと。 ■事後条件 ユースケースが正常終了した後に満足されている条件。 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 28 シナリオ BPM <オンラインショッピングシステムの事例> ■ユースケース名:注文受付 ■要約:顧客から注文を受け、商品を調達して、顧客の元に配送する。 ■基本パス: 1. 顧客から注文を受ける。 2. 商品の在庫を調べ予約する。 3. 顧客に商品の納期と価格を回答する。 4. 配送業者に商品の発送を依頼する。 ■拡張パス: 2a. 商品の在庫がない: 2a1. メーカに商品を発注し、納期を確認する。 3a. 顧客が注文をキャンセルする: 3a1. 注文のキャンセルを記録し、商品の予約を解除する。 ■事前条件:商品の注文受付準備ができている。 ■事後条件:注文された商品を配送業者に依頼済み。 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 29 ユースケース図とシナリオの作成手順 1. アクターを識別する。 – – – 2. 開発対象とするシステムを定義し、それと相互作用(要求と)する外 部環境をリストアップ。 システムに処理を要求する主アクターをシステムの左に配置。 システムから処理を要求される支援アクターをシステムの右に配置。 ユースケースを識別する。 – – – 3. BPM 主アクターとシステムの相互作用に対応したユースケースを設定。 支援アクターとシステムの相互作用に対応したユースケースを設定。 相互作用を見つけるには「業務イベントモデル」が有効。 ユースケースのシナリオを記述する。 – – – 各ユースケースの処理手順を記述(10ステップ以内が適当)。 何も失敗がなくうまくいく状況を仮定して、基本パスを記述。 条件分岐や例外処理として、拡張パスを記述。 All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 30 コラボレーション図 BPM ユースケースのシナリオを実現するためのオブジェクト群と、そ れらの間のメッセージの流れを示す。 1:入力する アクター 2:指示する 画面 4:登録する 作業の実行制御 3:参照する オブジェクト間のメッセージ の流れを示す All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 情報 情報 情報 31 画面 志願者リスト 志願者情報 内容表示 学業成績 志願者番号 評価状況 N1600011 N1600012 N1600015 N1600019 N1600021 N1600031 N1600032 学業成績 N1600045 学業成績証明書 N1600049 N1600051 BPM d d d d d d d d d d 論文 評価 •志願者番号: N1600011 •氏名:専修太郎 •住所:川崎市多摩区東三田 •E-mailアドレス:taro@isc.senshu-u.ac.jp •生年月日:1986.1.1 •性別:男 •出願年月日:2003.11.20 •検定料支払:済 •評価状況:d評価結果情報 •学業成績評価:A •英語検定評価:C 書類審査:B+ •論文評価: •面談評価: 最終審査: All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 32 参考文献 BPM 1. 小林 隆: ビジネスプロセスのモデリングと設計, コロナ 社 (2005) 2. アリスター・コーバーン: ユースケース実践ガイド―効果 的なユースケースの書き方, 翔泳社 (2001) 3. マーチン・ファウラー: UMLモデリングのエッセンス, 翔 泳社 (2000) 4. ロバート・S. キャプラン, デビッド・P. ノートン: バラン ス・スコアカード―新しい経営指標による企業変革, 生産 性出版 (1997) 5. 戸田保一 , 飯島淳一: ビジネスプロセスモデリング, 日科技 連出版社 (2000) 6. ラルフ・F・ウィルソン:ネットでビジネスを成功させる 方法, 税務経理協会(2003) 7. パトリシア・シーボルト:ネットビジネス戦略入門, 翔泳 社(2003) 8. インターネットビジネス研究会編:インターネットビジネ ス白書2002, ソフトバンク・パブリッシング All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 33 付録:ワークシート(業務イベント図) BPM ①準備 ②交渉 (要求) (代案提示) (満足) (同意) ④合意 ③実行 (受入拒否) (完了報告) : 状態 : 業務イベント All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 34 付録:ワークシート(ユースケース図) BPM システム All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 35 付録:ワークシート(シナリオ) BPM ■ユースケース名: ■要約: ■基本パス: 1. 2. 3. 4. 5. ■拡張パス: 1a. : 1a1. ■事前条件: ■事後条件: All Rights Reserved, Copyright © 2005, Kobayashi 36
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