経済統計 第一回 Business Statistics 鈴木智也 紫英館 304号 1 講義のテーマ • 計量経済学への準備コース(後述)。 • 統計学の経済分析への応用。 • 数学的理論の厳密さより、統計学を現実問題 にどう適用するのかという応用面に力点。 • PCを使った実習も行う。(面倒な計算はPC に任せ、結果の解釈に注力する。) 注:平均や分散、共分散などの統計学の基礎 的な概念を知っていることを前提とする。 2 この講義に関する重要事項 • • • • • 講義ノート: ウェブに掲示。各自でDL。 練習問題: ウェブに掲示。講義冒頭で解説。 教科書:谷沢弘毅『経済統計』新世社 オフィスアワー: 月曜日 2講 成績の評価方法 (A)中間試験50%+期末試験50% (B)期末試験100% のうち、得点の高い方を最終評価とします。 3 経済学のカリキュラム 経済学 ミクロ経済学 マクロ経済学 計量経済学 4 コアとなる科目群について • ミクロ経済学 企業や消費者の行動原理を記述。 • マクロ経済学 一国全体の経済動向を記述。 • 計量経済学 統計学に基づき、経済データから、「理論 の検証」や「経済動向の予測」を行う。 5 計量経済学をなぜ学ぶのか • 経済学の核となり、応用範囲が広い。 • 計量経済学は実践的な科目である。 例えば、 ・官庁(とくに、白書の作成) ・シンクタンク(総合研究所) ・金融機関の調査部 ・IMFや世界銀行などの国際機関 などで、業務上、必要とされる。 6 我が校での統計関連の科目群 • 統計学: 一年生向け はじめの一歩。 「記述統計」を主に扱う。 • 経済統計: 二年生向け ← 今はここ! 計量経済学への準備コース。 「推測統計」を主に扱う。 • 計量経済学: 三年生向け 「回帰分析」の応用など。 7 記述統計と推測統計 記述統計: データ自体の規則性が対象 ↑↓ 推測統計:データを生み出すものが対象 例:このクラスでの試験を行った場合、 記述統計:結果を(平均や分散で)分析。 推測統計:結果を基に、真の学力を調べる。 8 推測統計の例 • 新聞などの内閣支持率の調査 関心事項:有権者全体の内閣支持率 →でも、全有権者を調べるのは、ほぼ不可能。 →1000人くらいを選んで、電話インタビュー。 →その人達の支持率を元に、有権者全体の支 持率を「推測」する。 9 推測統計で何をするのか • 例:インタビューされた人達の内閣支持率が 40%を切ったとする。 Q:有権者全体の内閣支持率は40%未満? A:インタビュー結果は、有権者全体の内閣支 持率よりも、たまたま低くかっただけかも。 →誰をインタビューしたかで、結果が異なる。 →有権者全体の支持率が40%未満と言ってよ いかについて「確からしさ」の指標を与える。 10 推測統計におけるキーワード 内閣支持率調査を例にとると、 • 母集団:日本の有権者全体 • 標本(サンプル):インタビューされる人全体 • 母集団特性値:有権者全体の内閣支持率 • 標本統計量:インタビューされた人の支持率 統計的推測:標本統計量に基づき、母集団特 性値を推測すること。 11 推測統計と確率 • 母集団特性値(例:有権者全体の内閣支持 率)は、知られていないものの、確定している。 • 標本をどう採るかで、標本統計量(例:インタ ビューされた人の内閣支持率)は左右される。 • つまり、標本統計量の値は、今の時点では、 確定していない(「確率変数」)。 • 標本統計量と母集団特性値の間に、「確率的 関係」が存在する。→次週は確率論について 12
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