2ヶ月で立ち上げる 知識マネジメントシステム 藤波 努* 五井 隆浩 河崎 さおり 佐々木 達也 北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 目次 知識科学研究科の理念・現状・将来 情報技術を活用できる知識活動家の育成 知識マネジメントシステムへのアプローチ システム構築の実際 成果(システム、グループワーク、技術) 考察:知識表出化の重要性 今後の課題 知識科学研究科の理念 「知識」をテーマに設立された学科(1998) 分野横断的な研究の推進 個人、組織、社会、自然における「知」の創造、 蓄積、活用および体系化のメカニズムを探究 知識の時代を先導する人材の育成 知のプロデューサー 経営がわかる情報処理技術者 情報処理技術がわかるマネージャ 知識科学研究科の現状 宙に浮いたビジョン 講座・研究室単位の研究体制 目標とそこへ至る段階が不明確 分野横断的な研究プロジェクトがない 講座間の交流(共同ゼミ)が少ない 様々な分野を中途半端に学ぶカリキュラム 結局の所、何を学ばせたいのか? 知識を創造する研究科への道 知識経営の知見を自己適用する 意欲ある学生の探究心を出発点とする 対話を促進する 知識創造を推し進める活動家を育てる 適切な知識創造の「場」を創り出す 経験・知見を世界に向かって発信する (知識創造スクールとして独自性を確立) 2ヶ月で立ち上げる 知識マネジメントシステム 情報技術を活用できる知識活動家を育 成 知識活動家の役割 暗黙的知識の表出化:組織に埋もれている 知識を掘り起こす 知識の連結化:様々な知識創造の試みを相 互に関連させる 知識の内面化:知識創造に向けて組織が進 むべき方向性を広く知らしめる 知識マネジメントシステムの要件 とアプローチ 現場の要求に即した設計 使っているうちに知識が蓄積される仕組み 少人数・短期間で開発 知の現場・現物主義 グループワーク(小集団活動) 探索的構築が可能 ラピッド・プロトタイピング開発手法 知の現場・現物主義 身近なところに知識資源を探す 対象地域をJAISTに限定 JAISTに関わる人々(教官・学生・事務員な ど)を対象とする グループワーク 1グループ4人の構成(全4グループ) グループ分けは参加者自身が行う 各グループにチューター1名(D1学生) 「何を作るか」議論する過程を重視 ラピッド・プロトタイピング サンプルプログラムを提供 三層クライアント・サーバーシステム 計算機言語はJava/Servlet ServletエンジンはTomcat コンテンツ記述言語としてXML(XSLを併用) データベースはMySQLで管理 知識ベースはSWI-prologで実装 構築したシステム じゃいくるK:気軽にアクセスしてもらえる ポータルサイトを提供する JAISDAQ:教官や設備を株に見立てた投 資ゲームで隠れた意見や要望を引き出す Nanpou:自主的なゼミや輪講の開催に向 けて、仲間探しと知の蓄積を支援 REcycle@J:物と一緒に知識も流通・蓄積 するリサイクル支援システム グループワークの進め方 計3回(8週間中)の発表とフィードバック 少なくとも週1回のチューター付きグループ ミーティング 自主的なグループ分けは機能した模様 プログラミング能力の差は大きな問題とは ならなかった システム構築技術の習得 Java/Servlet、XML、データベースの基本 技術を習得 JavaによるXMLデータの操作は難易度高 Prologも難易度が高い 各人が得意技を生かすことにより、グルー プとして高い技術レベルに達した 履修者に対するアンケート 私家版アンケート結果のまとめ 考察:知識表出化の重要性 与えられた状況からどのような知識が汲み 出せるかを見極める作業が最も重要 第1段階は、個人の経験や予感、期待に 依存する 第2段階は、グループとして多面的視点か ら有効なビジョンを模索、洗練化する過程 第3段階は、第三者にも意見を求めてビ ジョンを正当化する過程 まとめ 知識活動家育成のため、2ヶ月で知識マネ ジメントシステムを構築する授業を行った 知の現場主義、グループワーク、ラピッド・ プロトタイピングを主な柱とした 2ヶ月で成果を出すことができた 知識という無形のものを扱うには個人的洞 察、グループでの議論、客観的フィード バックが重要であることを認識した 今後の課題 保守と安定運用を考慮したシステム 部品共有・再利用の促進(J2EE, EJB) ロジックとプレゼンテーションの分離(JSP) DBアクセスや推論実行を容易にする工夫 (JSPカスタムタグの導入) Less programming, more tags! 位置検出システムなど新しい機器の活用 他プロジェクトとの連携 知識サロン:知識をテーマにした学生の自 主的な会合 コミュニケーションや対話の研究:創造的 会話の特徴 知識創造ビルヂングス:いつでもどこでも 知識創造できる「場」を提供 「知識科学」の確立 知識創造ビルヂングス
© Copyright 2024 ExpyDoc