発展」概念の基本的な考え方; 成長のプロセスと発展の現状;

「発展」概念の基本的な考え方
成長のプロセスと発展の現状;
基礎的なデータを利用し、格差の現状、
成長の実際など、地域別の比較を行い
ます。
また、問題発見のための簡単なアン
ケート(世界の現状についての20の
視点)を実施します。
世界の現状についての20の視点:
1 科学技術=科学技術の進歩が問題を解決する
2 価値観=人間は金と所有欲に囚われすぎている
3 産業=産業はもっと経済的に行われなければなら
ない
4 政治参加=一般市民はもっと国政に参加すべきだ
5 人口問題=人口問題は発展の代償である
6 軍事費=軍事費が増えれば戦争の危険も高まる
7 新資源の発見=ある種の金属資源は枯渇するだろ
うが、新しい資源が発見されることも間違いない
8 自動化と失業問題=生産の自動化が進むので失業
問題が深刻化する
9 原子力エネルギー=将来のエネルギー源としては
原子力がもっとも有望だ
10 巨大都市と人間生活=現代都市は巨大化しすぎ
て孤独で非人間的な生活になる
世界の現状についての20の視点
11 農業改良=人口増加に備えて食糧増産のためにもっと農業
を改良すべきだ
12 自然環境=人間は自然環境にもっと注意を向けるべきだ
13 経済成長と消費の拡大=経済成長を維持するためにはもっ
と消費を拡大しなければならない
14 自己と他者=他人に対して関心を持たなすぎる
15 強大な政府=事を推し進めるには強大な政府をつくるしか
ない
16 貧しい国と富める国=貧しい国は富める国に対してこれ以
上我慢できない
17 技術進歩と余暇=技術が進歩すればつまらない仕事から開
放されるし、余暇も増える
18 人口圧力=人口圧力はそのうち発展途上国の社会的崩壊に
つながる
19 能力に応じた給与=だれでも能力に応じた給与がもらえな
ければならない
20 援助の拡大=先進国は途上国にもっと援助を与える余裕が
ある
世界の現状につての20の視点:
以上の20の視点について、皆さ
ん自身どのように考えますか。ま
た、これらの中で、もし優先順位
をつけるとすると、どうなるで
しょうか。
「発展」概念について
Ⅰ.「『発展』(development)とは、
『低開発』(underdevelopment)の状
態から抜け出るプロセス、貧困から立
ち上がるプロセスを意味する。
それは、『発展のための計画化』
(planning for development)によっ
て探求され、またおそらくは、その計
画化によって実際に達成される。
「発展」概念について
ある国を『低開発』として特徴づける際
に実際に意味するのは、その国に仕事と
生活にとって望ましくない多数の条件の
集積が存在する、ということである。す
なわち、産出高、所得および生活水準は、
いずれも低い。生産様式の多くが不利で
あり、態度と行動のパターンもまた不利
である。
「発展」概念について
さらに、国家レベルから家族や隣近所の
社会的・経済的関係を律するレベルに至
るまで、様々の不利な制度が存在する。
これらは、『発展』の望ましさという見
地(したがって価値前提)からすれば、
望ましくない、不利な条件として評価さ
れる。
「発展」概念について
これらすべての条件の間には、一般的な
因果関係が存在する。したがってこれら
は、一つの社会体系を形成しているので
ある。『発展』とはつまり、その全体系
を上昇させることを意味する。」
Ⅱ.南アジアにおける近代化諸理念の内容
合理性
発展と発展のための計画化
生産性の上昇
生活水準の上昇
社会的・経済的平等
制度および態度の改善
国民的統合
民族独立
政治的民主主義
草の根民主主義
社会規律対「民主的計画化」
(補論的価値前提)=e.g.裁量的統制<非裁量的統制、大衆
教育と識字率の向上、公衆衛生の改善など。
(グンナー・ミュルダール『アジアのドラマ:諸国民の貧困の一研究』
(1971年)より)
Ⅲ.『発展』-指導原理か幻想か-
歴史に関する認識の再考~5つの問題~
1.発展とは何の発展か
2.実際には誰が、また何が発展したのか。
3.発展の要求の背後で何が求められてい
るのか。
4.いかにしてそうした発展は生じうるの
か。5.最初の四つの問題にたいする解答
には、いかなる政治的含意があるのか。
Ⅳ.発展は指導原理か幻想か
<答え>「一国的発展は、今日では幻想
である。...。しかし、発展は指導原
理ともなりうる。」
(イマニュエル・ウォーラーステイン『脱=社会科学:一九世
紀パラダイムの限界』より)
Growth of industrial and
developing country GDP, 1970-2003(f)
10 Percent
1998-2003
projection
First oil
shock
8
8
2nd oil shock
start of debt crisis
6
10
Asian financial crisis
6
Early 90s
recession
4
4
2
2
0
0
1970
1975
1980
1985
Industrial
1990
1995
2000
Developing excl. transition
Note: GDP measured in constant 1987 prices and exchange rates.
Source: World Bank data and projections, November 1998.
Annual GDP growth in
developing regions, 1997-99
Percent
8
1997
1998
1999
6
4
2
0
East Asia
South Asia
Europe and
Central Asia
Latin
America &
Caribbean
Note: Real 1987 dollars.
Source: World Bank data and projections, November 1998.
Sub-Saharan
Africa
Middle East
and North
Africa
14th August 1999
*Jeffrey Sachs is director of the Centre for International
Development and professor of international trade at Harvard
University. A prolific writer, he has also advised governments of
many developing and East European countries
Helping the world’s poorest
Jeffrey Sachs, a top academic economist,
argues that rich countries must mobilise
global science and technology to address
the specific problems which help to keep
poor countries poor
*
Jeffrey Sachs, a top academic economist,
argues that rich countries must mobilise
global science and technology to address
the specific problems which help to keep
poor countries poor
Science at the ecological divide
In this context, it is worth noting that the inequalities
of income across the globe are actually exceeded by
the inequalities of scientific output and technological
innovation. The chart below shows the remarkable
dominance of rich countries in scientific publications
and, even more notably, in patents filed in Europe and
the United States.