パワーポイント20

数理統計学
西 山
統計的仮説検定
第4章4.2節
検定の誤りと「検出力」
• 第1種の誤り = 棄却ミス
• 第2種の誤り = 採択ミス
• 検出力=想定の誤りを確認できる確率
【例題】
レストランを開業する予定地の近くで、25人の人にその日の
ランチ代をきいてみた。そうしたところ以下のデータが得られ
た(単位:円)。
660 600 630 700 440 480 710 520 630
490 510 610 530 630 510 550 660 670
640 630 610 520 710 580 600
開業プランでは、ランチ代の平均を600円と想定し
ている。しかし、潜在的な顧客の平均が600円を下
回るなら、メニューを考え直すつもりである。上のサ
ンプル結果から、どんなアクションをとるべきか?
以前の議論(再掲)
サンプルから分かること:
平均値
𝑋 = 592.8
不偏分散 𝜎 2 = 5804
平均値の標準誤差
仮説検定
帰無仮説(想定)
76.2
25
標準偏差
= 15.2
𝜎 = 76.2
この誤差を(当面)無視する
母平均=600
592.8 − 600
= −0.47
15.2
検定の結論
誤差の範囲 ➡ 想定600円でよい
判断したいこと
帰無仮説
対立仮説
H 0 :   600 vs H1 :   570
ランチ代の平均が想定より30
円も下回っていたら、データから
確認したい
サンプルの出方-片側検定の図
棄却
限界値: 576=600-1.6×15.2
570
採択
600
15.2
15.2
結果が低すぎる
と思う(5%)
低くない
と思う
35%
想定600円が間違いでも、よいと思わせる結果は、確率35%で出てくる
【確認】
P X  576 |   570
576  570 

 P Z 

15.2 

 PZ  0.39 
 0.65
検出力
確率0.35で、サンプルの平均値は限界値を上回る。
➡ 有意でない。600円想定の誤りに気付かず。
第2種の過誤
厳密な説明:実験(1万回)
T値の出方を比較する
-1.7
正しい場合
5%(α)
𝑇=
想定の間違いを
確認
58%
(検出力)
-1.7
𝑋 − 600
𝜎
25
想定の範囲内
と判断
誤りの場合
42%(β)
𝑇=
𝑋 − 600
𝜎
25
検定ミスに二つあり
検査結果
正常
真
相
正常
(H0)
異常
(H1)
異常
第1種の
あいまい
過誤(α)
第2種の
検出
過誤(β)
練習問題
無作為に5台の自動車を抜き取りブレーキ性能
検査をする.60Km/hからの停止距離の基準は60
メートルである.
いま工場内に異常があり、停止距離が平均で2
メートルも基準値を超えている。5回の停止実
験で、この異常に気がつくだろうか?但し、ブ
レーキを踏むタイミングなどから、停止距離の
測定値は2メートルの標準偏差でばらつく.
H 0 : 元の平均() 60 vs H 1 : 元の平均() 62
正常
異常
教科書176ページ以降を参照
比較-サンプルの出方
採択
限界値: 61.4 = 60 + 1.6 ×
60
2
5
棄却
62
止まらないように
見える(5%)
止まるように
見える
結果が異常に
見える(5%)
β
α
【解答】
第2種の過誤 
 P X  61.4 |   62 
4回に1回はブ
レーキ異常に
気付かず
61.4  62 

 P Z 

0.894 

 PZ  0.67 
 0.25
検出力=1-0.25=0.75
クイズ
問題のブレーキ検査で、異常を
見落とす確率をもっと小さくし
たい。とりあえずどうすればよ
いか?
「厳しい」検査をすればよい
採択
限界値: 61.4 = 60 + 1.6 ×
60
2
5
棄却
62
止まらないように
見える(5%)
止まるように
見える
結果が異常に
見える(5%)
β
α
生産者危険と消費者危険
必要のない検査をした
意味では生産者危険
欠陥車に気が
つかないので
消費者危険
検査結果
正常
真
相
異常
第1種の
正常(H0) あいまい 過誤(α)
異常(H1)
第2種の
過誤(β)
検出
クイズ
生産者危険は5%のままで、消費
者危険を小さくしたい。どうす
ればよいか?
ていねいな検査を実行する
サンプル数を増やす(16台)
2
16
異常は、ほぼ
確実に検出
検出力≒1
= 0.5
正常な結果は
正常の証拠
60.8 = 60 + 1.6 ×
2
16