持続可能な漁業

持続可能な漁業
• 3つの資源
– 水産資源=自己増殖する。種も
みを残せ
– 化石燃料=採った分だけ減る
– 水資源 =使った量と無関係に
補充
Thomas R. Malthus(1798)
Essay on Population)
• 食糧は等差数列的に増加するが,人口
は等比数列的に増加する
• 超マルサス
コーエン1998,
Cook 1971
最大持続収穫量
• dN/dt
= r(1-N/K) N-C
• N:資源量
• C:漁獲量
• C<Kr/4 のとき
定常状態あり
• C>Kr/4のとき
資源が枯渇
MSYギリギリは危ない
乱獲の理由(1)経済的割引き率
• t年後の価値はe-dt倍
• MSYで獲り続けたとき
e-dt(Kr/4)dt=Kr/4d
• いますぐすべてを獲るとK
• r> 4dのとき、乱獲が経済的に有利
• r(過疎時の増加率)の低い資源が
乱獲される(鯨、森林)
Minke whaleの現状
• IWC科学委員会が合意事項
– 南極海のクロミンク75万頭説
– 捕獲枠は毎年2000頭(IWC総会で否
決)
– 調査捕鯨Scientific whalingは400頭
– もし、75万頭をいっぺんに獲り、利
益を銀行に預けると、年1%の利子
でも7500頭分の利益
乱獲の理由(2)共有の悲劇
T.Hardin(1968)より
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E1-E2 : 2漁業者の「漁船数」
dN/dt=(r-aN-E1-E2)N
定常資源量 N*=(r-E1-E2)/a
漁獲高:C1=E1N*, F2=E2N*,
協力解: E1= E2 =r/4, C1= C2 =r2/8a,
非協力解C1/E1=C1/E1=0より
E1= E2 =r/3, C1= C2 =r2/9a,
参入者が多いほど乱獲になる
• Ei=r/(n+1)
• Ci=r2/a(n+1)2
• nr2/a(n+1)2
Stackelberg解
• 一方が先に漁獲枠E1を決め、他
方に通告すると後出しが不利
• C2/E2=(r-E1-2E2)/a=0 より
E2(E1)=(r-E1)/2 これをC1に代入
• C1=p1E1[r-E1-(r-E1)/2]/aこの最適
解はE1=r/2,E2=r/4
Nash解とStackelberg解
(p2=2p1のとき)
資源量
操業日数
漁獲高
1
2
1
2
合計
1のみ
5000
50
0
250
0
250
2のみ
5000
0
50
0
500
500
非協力
3333
33
33
111
222
333
1優先
2500
50
25
125
125
250
2優先
2500
25
50
62
250
312
魚は何歳から獲るべきか?
• 大きくなる前に獲る
–成長乱獲
–小さな魚は泳がせろ
• 種もみを獲る
–加入乱獲
条件付き最適化

Y  N0  F (s) L(s)V (s)ds
t0

P  N0  E(s) L(s)ds  N0
t0


L(t )  exp   ( F ( s )  M ) ds
 0

t
• L=Y+m(P-N0), L/F(t)=0,
L(s)/F(t)=-1 (s>t) or 0 (s<t)
Fisher(1930)の繁殖価
• ある齢の魚を「泳がせた」ときに、将来
成長して次世代に貢献する期待産卵量
RV (t )  

t
L( s )
E ( s)
ds
L( t )
生存率×産卵数(体重)
収穫価
• ある齢の魚を「泳がせた」ときに、
将来成長して漁獲に貢献する期待
漁獲量
– (Matsuda et al. 1999 Env. Econ. Pol. St. 2:129-146)
H (t )  

t
L( s )
F ( s)
V ( s)ds
L(t )
漁獲係数×生存率×魚価(体重)
子供と妊婦は大切に
• マサバの1980年代の漁獲圧
激しい乱獲,未成魚捕獲
70年代
尾数
80年代
65.0% 60.0%
90年代
93年以降
87.0%
90.6%
その他の問題
• 後継者難
–後継ぎがいてこそ持続可能性
• 初期投資:船は高い
• 非定常資源:不合理
• 不確実性=利子率で考慮