高齢者居住安定化 モデル事業

第2部 生きがい就労の実現に向けた取り組み-Ⅲ
※HPでの公表に際して,一部スライドについては内容を
変更させて頂いております。ご了承ください。
アンケート結果に見る
就労希望高齢者の現状と
生きがい就労が与える影響
東京大学高齢社会総合研究機構
特任研究員 室橋弘人
就労セミナー参加者の概略
■参加総数356名のうち、約56%が男性
■男性のうち3割弱しか、柏市内で働いたことがない
・女性は8割近くが市内で働いた経験あり
■男性は65~70歳,女性は60~65歳の参加が多い
80
0.00/1.00
0.75
男性
女性
市内就労経験なし
女性
男性
60
40
20
0
0.25
80
市内就労経験あり
男性
女性
60
40
20
0
0.50
0.00
0.25
0.50
0.75
1.00
55 60 65 70 75 80 85
プロジェクトの目標である「都心部へ通勤していた
がリタイアした男性」を呼び込むことができている
2
就労セミナー参加者の現状
■男女とも70%以上の人が現在は働いていないが、
80%以上は何らかのグループ活動に参加している
・しかし自由な時間はまだまだ残っている
■金銭的に深刻に困っている人は少ない
男性
0.00/1.00
0.00/1.00
働いていない
女性
0.75
0.25
0.75
0.25
まったくない
あまりない
まあある
十分ある
働いていない
0.50
0.00
0.25
0.50
0.75
1.00
自由な時間
0.50
自由なお金
都合に合わせて余った時間で働き、
収入を補うことができる生きがい就労は最適
3
就労セミナー参加者の意識
■働き方としては「これまでの経験にこだわらず」、
「色々と試してみよう」という人が多い
■セミナー参加者の動機は全体的に高い
・中でも「健康維持」を重視している人が多い
5
一つの仕事を
続けたい
21%
32%
53%
合計
31%
69%
2
1
0
仲間に貢献
47%
達成感
37%
世の中に貢献
10%
収入
色々な仕事を
したい
自分の成長
3
人からの評価
4
新しい知り合い
合計
健康維持
こ経
だ験
わに
らは
な
い
会社に貢献
生経
か験
しを
た
い
4
就労動機の構造
■就労への動機は、大きく3種類に分けられる
・収入は金銭的な意味よりも、自分が他人から
「認められていることの証」としての意味が強い
達成と承認
0.67
0.61
他者貢献
0.59
健全な生活
達成感
人からの評価
自分の成長
収入
仲間に貢献
会社に貢献
世の中に貢献
新しい知り合い
健康維持
0.79
0.68
0.61
0.35
-0.13
0.10
0.28
-0.05
0.12
-0.16
0.09
-0.09
-0.04
1.01
0.67
0.39
0.00
0.03
0.02
-0.26
0.17
0.00
0.00
0.00
0.13
0.89
0.43
就労動機は人により様々であるため、
それに合わせた働き方を用意することが望ましい
5
現時点での生きがい就労の効果は
■良いこと
・生きがい就労は、想定していた高齢者層にアピールできて
いる
・生きがい就労は、精神的健康やコミュニティ意識に
良い影響を与える傾向が見られる
■残念なこと
・今のところ、生活全体の状況が明らかに改善されるには
至っていない
・全体的な生活の質が上昇しているわけではなく、
効果はあくまで限定的である
6
これからの課題
■プロジェクトが進めば、生きがい就労の効果は
さらに拡大していく可能性がある
・現時点では就労期間に個人差がある(1~8ヶ月)
・就労を経験している人も限られている
■今後はさらに追跡を続けると同時に、
より詳しい分析を進めていく
・例えば、就労していない人との比較を行い、
「セミナーに参加すること」の影響を分離する
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