平成20年度小・中学校教育課程研究協議会 生 活 科 (小) 福島県教育委員会 Ⅰ 改訂の要点 1 学年の目標の改善 (1) 目標(3)を加え、四つに増やした。 (2) 文言を加え、一人一人の児童に育つ ことを期待する認識を明確にした。 ① 目標(1)「地域のよさに気付き」 ② 目標(2)「自然のすばらしさに気付き」 ③ 目標(3)「自分のよさや可能性に気付き」 ※ 「考える」ことを強調 2 内容及び内容の取扱いの改善 (1) 気付きの明確化と気付きの質を高める 学習活動の充実 (2) 伝え合い交流する活動の充実 (3) 自然の不思議さや面白さを実感する指 導の充実 (4) 安全教育や生命に関する教育の充実 (5) 幼児教育及び他教科との接続 Ⅱ 教科の目標 1 現行の目標の維持 (1) 五つの要素で構成されている。 ① ② ③ ④ ⑤ 「具体的な活動や体験を通して」 「自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわりに関心をもち」 「自分自身や自分の生活について考えさせるとともに」 「生活上必要な習慣や技能を身に付けさせ」 「自立への基礎を養う」 (2) 端的に言えば・・・ ※ 具体的な活動や体験を通して、 自立への基礎を養う。 2 五つの要素をもとにした目標の趣旨 (1) 「具体的な活動や体験」とは ・ 見る、聞く、触れる、作る、探す、育てる、遊ぶなどの学習活動 ・ 言葉、絵、動作、劇化などで表現する学習活動 (2) 「自分とのかかわりに関心をもつ」とは ・ 人々、社会、自然の自分自身にとっての意味に気付き、見直し、問 題意識をもって、新たな働きかけをしたり表現したりすること (3) 「自分自身や自分の生活について考える」とは ・ 人々、社会、自然と直接かかわる中で、新たな気付きをすること 2 五つの要素をもとにした目標の趣旨 (4) 「自分自身への気付き」とは ① 集団生活になじみ、集団における自分の存在に気付くこと ② 自分のよさや得意としていること、興味・関心をもっていることなど に気付くこと ③ 自分の心身の成長に気付くこと など (5) 「生活上必要な習慣」とは ① 健康や安全にかかわること ② みんなで生活するためのきまりにかかわること ③ 言葉遣いや身体の振る舞いにかかわること など (6) 「生活上必要な技能」とは ① 手や体を使うこと ② 様々な道具を使うこと など 2 五つの要素をもとにした目標の趣旨 (7) 「自立」とは ① 学習上の自立 ② 生活上の自立 ③ 精神上の自立 ※ 「自立への基礎を養う」ことが、 生活科の究極的な目標 Ⅲ 学年の目標及び内容 1 学年の目標 (1) 目標の設定と構成 ① 2学年共通の目標 ② 四つの項目で構成 ・ 目標(1) ・・・主に自分と人や社会とのかかわりに関する こと ・ 目標(2) ・・・主に自分と自然とのかかわりに関すること ・ 目標(3) ・・・自分自身に関すること ※ 新設し明確化した ・ 目標(4) ・・・生活科特有の学び方に関すること ※ 目標(1)(2)(3)は、目標(4)によって充実・発展 2 学年の内容 (1) 内容構成の具体的な視点 ※ 従来の10の具体的な視点から 11の具体的な視点への変更 ① ③ ⑤ ⑦ ⑨ ⑪ 健康で安全な生活 ② 身近な人々との接し方 地域への愛着 ④ 公共の意識とマナー 生産と消費 ⑥ 情報と交流 身近な自然との触れ合い ⑧ 時間と季節 遊びの工夫 ⑩ 成長への喜び 基本的な生活習慣や生活技能 2 学年の内容 (2) 各内容と階層性 ※ 従来の八つの内容から、九つの内容へ ① 内容(8)「生活や出来事の交流」を位置付けた。 ② 三つの階層としてとらえる。 第1の階層・・・内容(1)~内容(3) ・ 最も身近な学校、家庭、地域を扱う内容 第2の階層・・・内容(4)~内容(8) ・ 自らの生活を豊かにしていくために低学年の時期 に体験させたい活動に関する内容 第3の階層・・・内容(9)「自分の成長」 ・ 内容(1)~内容(8)のすべての内容との関連 Ⅳ 指導計画の作成と学習指導 1 指導計画と学習指導の見直しや改善 (1) 指導計画作成上の重要な三つの視点 ① 具体的な活動や体験が十分にできる時間的 な視点 ② 主体的な活動の広がりや深まりを可能にする 空間的な視点 ③ 学習の対象にじっくりと安心してかかわること のできる心理的な視点 ※ 計画を点検する視点 1 指導計画と学習指導の見直しや改善 (2) 学習指導の五つの特質 ① 児童の身近な生活圏を活動や体験の場や対象にすること ② 児童が身近な人や社会、自然と直接かかわる活動を重視すること ③ 児童の思いや願いをはぐくみ、意欲や主体性を高め学習過程にす ること ④ 働きかける対象についての気付きとともに、自分自身に気付くこと ができるようにすること ⑤ 児童の姿を丁寧に見取り、働きかけ、活動の充実につなげること ※ 「生活圏」 生活科 2 年間指導計画作成上の配慮事項 (1) (2) (3) (4) (5) 児童の実態に対応する。 地域の環境を生かす。 指導体制を整える。 授業時数を適切に割り振る。 2年間を見通し立案する。 3 単元計画作成上の配慮事項 (1) 複数の内容の組合せによる単元を構成し、児 童の学習意欲や気付きの質を高める。 (2) 各内容の構成要素を視野に入れた学習活動を 組織化し、単元の構想を具体化する。 (3) 発達や成長に配慮し、同じ内容でも実施する学 年によって単元の構成を変える。 (4) 評価規準や評価計画をあらかじめ設定しておく とともに、様々な立場からの評価資料を収集する。 4 気付きの質を高める学習指導の進め方 (1) (2) (3) (4) 振り返り表現する機会を設ける。 伝え合い交流する場を工夫する。 試行錯誤や繰り返す活動を設定する。 児童の多様性を生かす。 具体的な活動や体験を通して、 児童の気付きの質を高め、 自立への基礎を養う。
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