物理学実験I 電磁気学 2日目 - HEP Tsukuba Home Page

物理学実験 I 電磁気学 2日目
実験概要
 19世紀前半に発見された電流と磁場に関
する電磁気の法則を再発見する.
アンペールの法則
 ファラデー(電磁誘導)の法則
 ビオ・サバールの法則

実験の内容

実験1

交流磁場中のコイル(サーチコイル)の振舞いの把握


サーチコイルに発生する電圧と磁場の強さには相関があるらしい・・・
アンペールの法則を前提としてファラデーの法則を検証する.

コイルの電流  磁場を発生
• 磁場(B) ∝ コイルを流れる電流(I) (アンペールの法則)

(交流)磁場中にコイルを置いたら何が起こるか?
• 磁場 ⇒ コイルに電圧を発生させる?

実験2


実験1の結果の応用
サーチコイルを磁場測定器として利用し、コイルの周りの磁場分
布を測定.
ビオ・サバールの法則  コイル(円環状電流)が作る磁場
 ビオ・サバールの法則を検証
実験1
① 大コイルに交流電流を
流し、交流磁場を発生させる。
② 小コイルを大コイルの中
心に配置し、両端の交流電
圧を測る。
V
(電圧計)
交流電流 I
実験1 実験内容

サーチコイルに発生する交流電圧の、電流の大
きさ、周波数に対する依存性を調べる
電流の大きさ:400, 200, 100, 50 mArms
周波数:3.2 k, 1.6 k, 800, 400 Hzについて測定

結果をグラフにまとめる。
注意; テキスト 34ページ図3
縦軸:大コイルの電流
横軸:サーチコイルの電圧、としてプロットする。

解析する⇒ V ∝ I ∝ B
V∝f
(解析例はテキスト参照)
実験2
実験1の結果を応用
サーチコイルの電圧 V ∝ I ∝ B
⇒ 磁場の相対的な大きさがわかる
⇒ サーチコイルを磁場計として利用
 大コイルの中心軸上の磁場分布を調べる

V
(電圧計)
I
実験2 実験内容




大コイルに1.6 kHz, 400 mArmsの電流を流す。
サーチコイルの出力が最大になる点を原点とし
て、中心軸上 0, 0.5, 1, 1.5, 2, 3, 4, 5, 6, 8cm,
…(以後2 cmおき)に 20cmまで出力を測定する。
結果を両対数グラフにまとめる。
解析を行う。(テキストの解析例参照)

(ゴール)中心軸上の磁場の距離依存性を明らかにす
る。(関数形)
実験装置
発振器
増幅器
大コイル(ヘルムホルツコイル)
サーチコイル
交流電圧計(デジタルマルチメータ)
ケーブル切り替え器
抵抗器・ヒューズ箱
同軸ケーブル各種
発振器(交流電圧源)
電源
周波数調整
出力調整
(2.5Vに合
わせる)
出力(BNC)
同軸ケーブル

高周波数(~GHz)の信号を歪ませること
無く伝送できる
外部導体
(接地:GND)
絶縁体(誘電体)
芯線
末端:
・ BNCコネクタ
・ ペアプラグ(芯線側に白点、
または外部導体側にGND)
増幅器
出力調整
つまみ
出力
スイッチ
電源
入力
出力
交流電圧計(デジタルマルチメータ)
ペアプラグ-BNC
入力2
CH1/CH2切替SW
入力1
ヒューズ・抵抗箱
抵抗1Ω
(両端の電圧
から電流値が
わかる(オー
ムの法則)
ヒューズ
大コイル(ヘルムホルツコイル)
片方のコイルを使用
サーチコイル
ヘルムホルツコイルの軸に対して平行に
なるように注意
回路図
増幅器
大
コイル
発振器
(交流電圧源) 同軸ケーブル
(2.5V)
V
~
switch+Digital Multimeter
交流電圧計 サーチコイル
実験終了時に見せるもの


実験1「サーチコイル出力電圧の大コイル電流依存
性」(p. 34図3)
実験2「サーチコイル出力電圧の軸上距離依存性」
(p.37 図7右、両対数プロット)
レポート

テキストに沿って解析する。




実験1:Kの導出まで(V, f → H)
実験2:データ全体をあらわす式を求める(p37~p40)。
実験結果からなにが結論できるかを「論理的に」「わか
りやすく」議論する。(他人を納得させられるように)
テキスト40ページの問題2,3,4はなくても可。(あれ
ば、加点)
ビオ・サバール(Biot-Savar)の法則

ds
電流要素(Ids)が任意の点に作る磁場を記述
z