泡を用いた3次元ディスプレイの提案

泡を用いた3次元ディスプレイ
の提案
○椎名美奈 須佐育弥 時崎崇
加藤史洋 青木孝文* 長谷川晶一
電気通信大学 知能機械工学科
*東京工業大学 精密工学研究所
はじめに

様々なディスプレイ
•
•
•
•
水
霧
パウダー
砂
など
水ディスプレイ
霧ディスプレイ
花や葉の成長を表現する場合、
細い茎から伸びる大きな葉や花
びらの成長を表現するのは難しい。
3次元形状を長時間保持することを可能
にする泡ディスプレイを提案する。
パウダーディスプレイ
泡ディスプレイ
泡の出る量や形を機械的に制御することで造形
を行い、そのリアルタイムに変化する造形物にテ
クスチャを投影することを目指す。
<特徴>
 3次元造形が可能
 発生・消滅を制御できる
 投影が容易

今回は泡ディスプレイ実現への第一歩として、
細かい泡と荒い泡の2つの泡を用いてこれらの
要素を実験した。
実験(細かい泡)
目的
ノズル形状を変えてどのような造形が可能であるかを実
験し、投影を行う。
装置
 使用した泡
• 市販のシェービングフォーム
• 0.06g/cm3
• 流量34.2cm3/s

使用したストロー
ノズル
スプレー
缶
• 市販の直径6mmストロー

ノズル
• 柔らかいプラスチック板
実験装置(細かい泡)
実験1
丸いノズル
 ノズル形状
• 丸く切ったノズルを使用。
• 上方に勢いよく噴射した。

結果
• うねりながら泡の出口を中心に
円を描いた
• 花のような形状になった。
• 圧力が弱いと泡は綺麗な円を
描けなかった。
実験1で使用したノズル
実験1 結果
実験2
泡を噴出口に対して垂直方向に出す
 ノズル先端の寸法
• 30mm×30mm×10mm の直方体
• 30mm×30mm×10mm の三角柱
• 噴出口は20mm×4mm

結果
• 直方体ノズルでは噴出口に対して垂直方向
に出た。その後重力で落ちてしまった。
• 三角柱ノズルでは上に巻きあがった。

実験2 使用したノズル
考察
ノズル先端と泡の出る管の付近でノズルの厚さ
が違うので,狭まったノズル先端が抵抗になり,
長方形の上部は泡が出にくく巻き上がってしまっ
たと考えられる。
実験2 結果
実験3
ガイドの種類
実験2の結果から、どのようなガイドが最適である
かを調べた。

ガイドの種類
• ガイドの幅を5mm、2mm。本数を2本と3本で実験
• 実験2と同様の噴出口(20mmx4mm)

結果
幅が広く本数の多いノズル→厚い泡。噴出速度は遅い
幅が狭く本数が少ないノズル→噴出口とほぼ同じ厚さ。
噴出速度は速い。
実験4
幅の異なる長方形噴出口
噴出する泡の厚さを薄くする実験を行った。

実験条件
• 長方形の短辺の幅7mm,5mm,3mm
• ガイドなし、ガイドあり

結果
• ガイドなしの場合
泡の厚さ→噴出口とほぼ同じ
しかし、ガイドがないためすぐに重力で落ちてしまう。
• ガイドありの場合
泡の厚さ→短辺の長さに関係なく噴出口より分厚い。
ガイドが抵抗なり厚い泡になったと考えられる。
投影(細かい泡)
ノズルで花と葉の形状を作り、色を投影した。

結果
• 泡が白いため、色は綺麗に映し出された。
• 明るい部屋でもある程度薄い色が写し出
された。
• 泡の凹凸に投影されるため、影が生まれ
立体的な表現ができた。
葉を作るのに
使用したノズル
実験(荒い泡)
目的
比較的細かく、投影ができ、形状が保てる泡を生成し、テ
クスチャを投影する。

使用した洗剤
• ビオレ泡ハンドソープの原液を水で7倍に薄めたもの
を使用。
泡の生成
 泡発生ユニット
• インジェクション方式
• 洗剤を霧状にする
• ストッキングに均一に洗
剤をつけることができる
ストッキング
空気
洗剤
泡発生
投影(荒い泡)
泡の木を作り、葉と赤い実の
色を投影。

結果
• 色を投影することができた。
• コントラストがはっきりした
色の方が綺麗に映し出さ
れた。
• 形状が変化しやすいため、
毎回異なった様子がみら
れる
• しかし、変化するため投影
が難しい。
消泡(細かい泡・荒い泡)

市販の消泡剤
• ユニゾールAF(日本油化工業株式会社)
• 廃液を再利用できない。

エタノール
• 99.5%の高濃度エタノールを
使用。
• 濃度70%までなら比較的早く
消泡できるが、消泡量は濃度
に比例するため消えにくくなる。

• 揮発性が高く、引火しやすので
危険。
• 廃液は再利用可能。
細かい泡に比べ荒い泡の方消えやすかった。
IVRC2007参加作品
作品名「HAPPA!!」
 荒い泡を使用。

まとめ・今後の課題
まとめ



細かい泡
• ノズルの形状により泡の造形を行った。
荒い泡
• 泡発生ユニットを作成した。
細かい泡・荒い泡
• 色の投影を行った。
• 消泡を行った。
今後の課題

泡の特性を生かした形状が作れるノズルを考案し、多様な形状が提
示できるようにしたい。

生成中の泡形状の計測を行い、計測に合わせたテクスチャを投影す
ることで動きのあるディスプレイを目指す。
ご清聴ありがとうございました。