新学習指導要領の実施にむけて

教育課程研究集会資料 小学校
「新しい学習指導要領」実施にかかる留意点
平成21年1月5日
徳島県立総合教育センター
説明事項
1
「習得・活用・探究」の学習の流れ
2
休業日の期間における授業日の設定
3 10分間程度の短い時間を単位とした授業
4 総合的な学習の時間の実施による特別活動の代替
5 言語活動の充実
6 道徳教育の充実
7
障害のある児童の指導(特別支援教育)
8 情報教育の充実
9 指導要録の改善に伴う評価
10 移行措置期間中の標準授業時数
11 教育課程研究集会資料の提供
1-1 「習得・活用・探究」の学習の流れ
習得・活用・探究とは
「基礎的・基本的な知識・技能」及び「思考力・判
断力・表現力等」を身に付けさせるための学習活動
留意点1
これらの学習活動は相互に関連し合っており,截然と分類され
るものではない
留意点2
各教科での「習得」や「活用」,総合的な学習の時間を中心とし
た「探究」は決して一つの方向で進むだけではない
留意点3
学習の基盤となるのは言語に関する能力であり,そのために
各教科等で言語活動を充実する
1-2 「習得・活用・探究」の学習の流れ
児童に思考力,判断力,表現力等をはぐくむ
基礎的・基本的な知識・技能を習得
レポートの作成,自分の考えを論述等,知識・技能を活用
教科等を横断した課題解決的な学習や探究活動
習得
活用
教科
探究
総合的な学習の時間
言語活動の充実
言語に対する関心や理解を深める
言語環境を整える
2 休業日の期間における授業日の設定
総則第1章第3の1
各教科等や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,夏季,
冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含
め,これらの授業を特定の期間に行うことができる。
留意点1
長期休業期間については,学校教育法施行令第29条におい
て,学校の設置者が定める
留意点2
集団宿泊活動などの学校行事は,長期休業期間中に授業日
を設定してまとめて行うことは可能
留意点3
道徳の時間は,35週にわたって行うことが原則であり,夏休
み等にまとめて実施することは,適切とは言えない
3-1 10分間程度の短い時間を単位とした授業
総則第1章第3の3
各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教
科等の年間授業時数を確保しつつ,児童(生徒)の発達の段階及び
各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めるものとする。
留意点1
特定の学習活動を10分間程度の短い時間を活用して行う場合
については,当該教科や学習活動の特質に照らし妥当かどう
かの教育的な配慮に基づいた判断が必要である。
例えば
観察や実験の際の理科の授業は60分で行ったり,計算や漢字の反
復学習を10分間程度の短い時間を活用して行ったりするなど,児童
の発達の段階や,各教科等や学習活動によっては授業時間の区切
り方を変えた方が効果的な場合もあることを考慮して設けた
3-2 10分間程度の短い時間を単位とした授業
留意点2
道徳の時間や特別活動(学級活動)の授業を毎日10分間程度
の短い時間を活用して行うことは,通常考えられない
留意点3
10分間程度の短い時間を活用して児童が自らの興味や関心に
応じて選んだ図書について読書活動を実施するなど指導計画
に適切に位置付けることなく行われる活動は,授業時数以外
の教育活動となる
留意点4
指導計画に適切に位置付け,指導と評価が行われるものでなけれ
ばならない。
4 総合的な学習の時間の実施による特別活動の代替
総合的な学習の時間とは別に,特別活動として改めて(自然体
験活動→旅行・集団宿泊活動)(ボランティア活動→勤労生
産・奉仕的行事)等の体験活動を行わないとすることも考えら
れるため,今回の改訂においては,第1章総則第3の5として
総合的な学習の時間の実施による特別活動の代替を認める記述
を追加した。
総合的な学習の時
間
○
特別活動
自然体験活動
遠足・集団宿泊的行事
ボランティア活動
勤労生産・奉仕的行事
総合的な学習の時間においてその趣旨を踏まえると同時に,
特別活動の趣旨をも踏まえ,体験活動を実施した場合に特別
活動の代替を認めるものであって・・
5-1 言語活動の充実
総則第1章第4の2(1)
各教科等の指導に当たっては,児童の思考力,判断力,表現
力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の
活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心
や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な
言語環境を整え,児童の言語活動を充実すること。
習得・活用・探究の学習活動の基盤
コミュニケーションや感性・情緒の基盤
豊かな心をはぐくむ
言語活動の充実
・各教科の指導
・学校生活全体における配慮
5-2 言語活動の充実
学校生活全体
算数
理科
生活
音楽
社会
図画工作
特別活動
国語科(中核)
家庭
道徳
体育
総合的な学習の時間 外国語活動
5-3 言語活動の充実
国語科では
話すこと・聞くこと,書くこと,読むことのそれぞれに記録,要約,
説明,論述といった言語活動を例示した
教科等では
(社会)観察や調査・見学などの体験的な活動やそれに基づく表現
活動の一層の充実
(音楽)楽曲を聴いて想像したことや感じ取ったことを言葉で表すな
どして,楽曲の特徴や演奏のよさを理解することの重視など
学校生活全体の言語環境では
①教師は正しい言葉で話し,黒板などに正確で丁寧な文字をかくこと
②校内の掲示板やポスター,児童に配布する印刷物において用語や文
字を適正に使用すること
③校内放送において,適切な言葉を使って簡潔に分かりやすく話すこと
など
6-1 道徳教育の充実
道徳の時間は,学校における道徳教育のいわば扇の要となる
重要な時間であり,それぞれの教育活動の特質に応じて行わ
れる道徳教育を補充,深化,統合するのが道徳の時間である
ことを明確化した。
部活
各教科等
道徳の時間
行事
各教科,道徳,総合的な学習の時間及
び特別活動が,それぞれ固有の目標や
ねらいの実現を目指しながら,それぞ
れの特質に応じて適時適切な指導を行
い道徳性の育成を図るようにすること
が大切である。
6-2 道徳教育の充実
道徳教育の推進を主に担当する教師を「道徳教育推進教師」とし,
その教師を中心として,学校が組織体として一体となって道徳教
育を進めるために,全教師が力を発揮できる体制を整える必要
があることを示した。
「道徳教育推進教師」の役割
ア 道徳教育の指導計画の作成に関すること
イ 全教育活動における道徳教育の推進,充実に関すること
ウ 道徳の時間の充実と指導体制に関すること
エ 道徳用教材の整備・充実・活用に関すること
オ 道徳教育の情報提供や情報交換に関すること
カ 授業の公開など家庭や地域社会との連携に関すること
キ 道徳教育の研修の充実に関すること
7-1 障害のある児童の指導(特別支援教育)
総則第1章第4の2(7)
障害のある児童などについては,特別支援学校等の助言又は援助
を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福
祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別
に作成することなどにより,個々の児童の障害の状態等に応じ
た指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと・・
①
②
③
児童の障害の種類や程度を的確に把握する
個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容
・指導方法の工夫を検討し,適切な指導を計画的,
組織的に行う
(個別の指導計画)(個別の教育支援計画)
学校全体の支援体制を整備する
7-2 障害のある児童の指導(特別支援教育)
①
児童の障害の種類や程度を的確に把握する
(障害の種類)
視覚障害,聴覚障害,知的障害,肢体不自由,病弱・身体虚弱,
言語障害,情緒障害,自閉症,学習障害,注意欠陥多動性障害等
②
(個別の指導計画)(個別の教育支援計画)
障害のある児童一人一人について,指導の目標や内容,配慮事
項などを示した計画
(個別の指導計画)
家庭や医療機関,福祉施設などの関係機関と連携し,様々な側
面からの取組を示した計画
(個別の教育支援計画)
③
学校全体の支援体制を整備する
担任教師だけが指導に当たるのではなく,校内委員会を設置し,
特別支援教育コーディネーターを指名するなど学校全体の支援
体制を整備する。
8-1 情報教育の充実
総則第1章第4の2(9)
・・児童がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手
段に慣れ親しみ,コンピュータで文字を入力するなどの基本的
な操作や情報モラルを身に付け,適切に活用できるようにする
ための学習活動を充実する・・
①
②
③
児童がコンピュータや情報通信ネットワーク
などの情報手段に慣れ親しむ
情報モラルを身に付ける
視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適
切な活用を図る
8-2 情報教育の充実
①
児童がコンピュータや情報通信ネットワーク
などの情報手段に慣れ親しむ
◆キーボードなどによる文字の入力などの基本的な操作を確実に身に付
ける
◆調べたものをまとめたり発表したりする学習活動など,情報手段を適
切に活用できるようにする
②
情報モラルを身に付ける
◆情報発信による他人や社会への影響について考えさせる
◆ネットワーク上のルールやマナーを守ることの意味について考えさせる
◆情報には自他の権利があることを考えさせる
◆情報には誤ったものや危険なものがあることを考えさせる
◆健康を害するような行動について考えさせる
③
視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適
切な活用を図る
◆学校においては情報機器にフィルタリング機能の措置を講じたりして,
情報セキュリティを確保する
9 指導要録の改善に伴う評価
指導要録の改善に伴う評価規準や評価の観点
の見直しの可能性と今後のスケジュールについて
◆今後,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領を改訂し
た後,専門的な検討を行う
◆ いわゆる「4観点」をどう考えるかも含め,具体的な改善
の内容についてはこれからの検討による
◆新学習指導要領の基本的な考え方を踏まえ,「より一層簡
素で効率的な」ものとする
10 移行措置期間中の標準授業時数
学習指導要領
p118
配布p106
11 教育課程研究集会資料の提供
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