新学習指導要領の実施にむけて

教育課程研究集会資料
平成20年12月26日(金)
言語活動の充実
徳島県立総合教育センター
プレゼンの構成
① 言語活動充実の経緯
② 国語科を中核とすること
③ 各教科における言語活動の充実
④ 学校全体における言語環境の整備
① 言語活動充実の経緯
中学校学習指導要領「総則」
生徒の言語環境の整備と言語活動の充実
(第1章第4の2(1))
(1)各教科等の指導に当たっては,生徒の思考
力,判断力,表現力等をはぐくむ観点から,
基礎的,基本的な知識及び技能の活用を図
る学習活動を重視するとともに,言語に対
する関心や理解を深め,言語に関する能力
の育成を図る上で必要な言語環境を整え,
生の言語活動を充実すること。
① 言語活動充実の経緯
思考力,判断力,表現力等をはぐくむ
背景
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)をは
じめ,各種の学力調査において,これらの力
を見る問題の正答率が低いという現状
単なる知識の詰め込みではなく,それを現実
の生活の問題解決に活用していくことができ
るような学びが必要
① 言語活動充実の経緯
(1)各教科等の指導に当たっては,生徒の思考力,判断
力,表現力等をはぐくむ観点から,基礎的,基本的な
知識及び技能の活用を図る学習活動を重視する
今回の改訂
基礎的・基本的な知識・技能を習得する学習活動
知識・技能の活用を図る学習活動
総合的な学習の時間を中心とした探究活動
基礎的・基本的な
知識・技能の習得
バランスの
重視
流
れ
の
重
視
思考力・判断力・
表現力等の育成
中央教育審議会の審議の流れ
① 言語活動充実の経緯
中央教育審議会答申(「新しい時代の義務教育を創造する)」
習得型と探究型の教育とは対立的・二者択一的にとらえ
るものではなく,両方を総合的に育成することが必要
習得と探究をどのように関係付けて総合的にはぐ
くむのかその具体的なイメージがはっきりしない
中央教育審議会教育課程部会
観察・実験・レポートの作成・論述といった知識・技能
を
活用する学習活動をその両者の間に位置付けた
流れの重視・授業時数の見直し・
言語に関する能力の重視
① 言語活動充実の経緯
中央教育審議会の審議の流れ
新しい学習指導要領についての中央教育審議会答申
教科では,基礎的・基本的な知識・技能を習得しつつ,
観察・実験をし,その結果をもとにレポートを作成する。
文章や資料を読んだ上で,知識や経験に照らして自分
の考えをまとめて論述するといったそれぞれの教科の
知識・技能を活用する学習活動を行い,それを総合的
な学習の時間における教科等を横断した課題解決的
な学習や探究活動へと発展させることが必要である。
中央教育審議会の審議の流れ
① 言語活動充実の経緯
新しい学習指導要領についての中央教育審議会答申
これらの学習活動は相互に関連し合っており,截然と
分類されるものではないが,知識・技能を活用する学
習活動やこれらの成果を踏まえた探究活動を通して,
思考力・判断力・表現力等がはぐくまれる。
各教科での習得や活用と総合的な学習の時間を中心
とした探究は決して一つの方向で進むだけではなく,
例えば,知識・技能の活用や探究がその習得を促進
するなど,相互に関連し合って力を伸ばしていくもので
ある。
① 言語活動充実の経緯
今回の改訂
言葉の特徴やきまりに関する事項や漢字
学
習 に関する事項の指導を充実(国語)
活 学び直しの機会を設定する
動
ことに配慮(数学)
+
各教科の
内容
発達の段階に応じた知識・
技能の習得に配慮
今回の改訂
日常生活や社会で数学を利用
学
習
活
動
を
通
じ
て
例
示
各 する活動(数学的活動)
教
継続的な観察や季節を変えての定点
科
観測(観察・実験を重視する知識・技能
の活用を図る学習活動)
「抽象的な概念を表す語句」の理解
「数量や図形に関する基礎的な概念」の理解
「科学的な概念を使用して考えたり説明したり
するなどの学習活動」の充実
基本的概念の理解の重視
新
設
② 国語科を中核とすること
中学校学習指導要領「総則」
生徒の言語環境の整備と言語活動の充実
(第1章第4の2(1))
(1)各教科等の指導に当たっては,生徒の思考
力,判断力,表現力をはぐくむ観点から,基
礎的,基本的な知識及び技能の活用を図る
学習活動を重視するとともに,言語に対する
関心や理解を深め,言語に関する能力の育
成を図る上で必要な言語環境を整え,生徒
の言語活動を充実すること。
② 国語科を中核とすること
知識・技能の習得,これらを活用し課題を
解決するために思考し,判断し,表現する
論理的思考
基盤となる
言語に関する能力
豊かな心
基盤となる
コミュニケーションや感性・情緒など
言語に関する能力の育成を重視し,
各教科において言語活動を充実
言語活動の充実(各教科
等)
② 国語科を中核とすること
中教審答申(国語科の改善の基本方針)
「話すこと・聞くこと」,「書くこと」及び「読むこと」の各領域
では,日常生活に必要とされる対話,記録,要約,説明,
感想などの言語活動を行う能力を確実に身に付けること
ができるよう・・・・。
文脈意識
目的
考 え
例
レポート
相手
感想
事実
意見
根拠
理由
賛否
経験
決意
場面
条件
状況
評価
方法
記事
報告
考察
記録
観察
◆教師の明確な観点の明示
◆各教科等における共通指導
新学習指導要領
「話すこと・聞くこと」
言語活動例
 第1学年:報告,紹介,質問,助言,対話,討論
 第2学年:説明,発表,意見(を述べる),討論
 第3学年:スピーチ,意見(を述べ合う)
「書くこと」
 第1学年:鑑賞,記録,説明,案内,報告
 第2学年:詩歌,物語,意見,手紙
 第3学年:批評,編集
「読むこと」
 第1学年:音読,朗読,説明,記録,紹介
 第2学年:感想交流,考え,比較
 第3学年:批評,編集,比較,考える
国語科では,これまでは指導計画の作成と内容の取扱
いに示していた言語活動例を内容の(2)に位置づけ,
より具体的な記述に改善した。これにより,(2)に示し
て
いる言語活動例を通して(1)の指導事項を指導するこ
とを一層明確にし,各領域の能力を確実に身に付ける
ことができるようにした。
課 言語活動「説明の文章を書く」
題
指
構
記
推
交
設
導
成
述
敲
流
定
事
や
項
取
材 身に付ける能力をより明確にした
③ 各教科における言語活動の充実
各教科との関連
言語活動「説明」
理科・社会・数学・美術・技術・家庭・外国語
言語活動「発表」
社会・数学・音楽・美術・外国語・総合・特活
言語活動「鑑賞」
音楽・美術
③ 各教科における言語活動の充実
社会
「持続可能な社会を形成するという観点から,私たちが
よりよい社会を築いていくために解決すべき課題を探
究させ,自分の考えをまとめさせる」
数学
「数学的な表現を用いて,根拠を明らかにして筋道を立
てて説明し伝え合う」といった数学的活動の充実
理科
「問題を見いだし観察,実験を計画する学習活動,観察,
実験の結果を分析し解釈する学習活動,科学的な概念
を使用して考えたり説明したりするなどの学習活動」の
充実
③ 各教科における言語活動の充実
音楽
「音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわり
を理解して聴き,根拠をもって批評するなどして,音楽
のよさや美しさを味わうこと」の重視
美術
「造形的なよさや美しさ,作者の心情や意図と創造的な
表現の工夫,目的や機能との調和のとれた洗練された
美しさなどを感じ取り見方を深め,作品などに対する自
分の価値意識をもって批評し合うなどして,美意識を高
め幅広く味わうこと」の重視
③ 各教科における言語活動の充実
技術・家庭
「衣食住やものづくりなどに関する実習等の結果を整理
し考察する学習活動や,生活における課題を解決する
ために言葉や図表,概念などを用いて考えたり説明し
たりするなどの学習活動」の充実
保健体育
「作戦などについての話合いに貢献しようとする」活動
の重視
教科の特質に応じた言語活動の充実について記載
④ 学校全体における言語環境の整備
マスコミや情報通信ネットワークなどの情報手
段
の発達や映像,出版物の氾濫などにより,生徒
を取り巻く環境の著しい変化
生徒の言語環境に影響
学校教育において国語を正しく理解し用
い
る能力や態度の育成について配慮するこ
とがますます重要
④ 学校全体における言語環境の整備
① 教師は正しい言語で話し,黒板などに正確で丁
寧な文字を書くこと
② 校内の掲示板やポスター,生徒に配布する印
刷物において用語や文字を適正に使用すること
③ 校内放送において,適切な言葉を使って簡潔に
分かりやすく話すこと
④ 適切な話し言葉や文字が用いられている教材
を使用すること
⑤ 教師と生徒,生徒相互の話し言葉が適切に行
われるような状況をつくること
⑥ 生徒が集団の中で安心して話ができるような教
師と生徒,生徒相互の関係を築くこと
※色のみに頼った表示をしないこと
④ 学校全体における言語環境の整備
① 生徒による発表
② 討議
言語活動を活発
③ ノート記述
かつ適正
④ レポート作成
豊かな言語能力を
養うよう配慮
言語活動の充実
説明終了