北海道北見支援学校 相談支援部 発行日/平成27年4月28日 N O .1 「各校で特別支援教育の推進を!」 北海道北見支援学校長 高橋勝利 平 成 27年 度 が ス タ ー ト し ま し た 。 今 年 度 も 地 域 の セ ン タ ー 的 機 能 を 果 た す 特別支援学校として、役割を果たす所存ですので、どうぞよろしくお願いし ます。 先 日 、 文 部 科 学 省 よ り 平 成 26年 度 の 特 別 支 援 教 育 に 関 す る 調 査 の 結 果 が 示 されました。下図のグラフは、全国の公立幼小中高別の調査結果です。幼小 中 高 共 に 、「 校 内 委 員 会 の 設 置 」「 実 態 把 握 の 実 施 」「 特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 指 名 」 に つ い て は 、 ほ ぼ 1 0 0 % の 達 成 状 況 で す 。 し か し 、「 個 別 の 指 導 計 画 の 作 成 」 状 況 は 、 幼 稚 園 で 71.3% 、 小 学 校 で 93.5% 、 中 学 校 で 89.8% 、 高 等 学 校 で 3 3.0% と い う 結 果 に な っ て い ま す 。 さ ら に 、「 個 別 の 教 育 支 援 計 画 の 作 成 」 状 況 と な る と 、 各 校 と も 10% 減 の 結 果 で す 。「 巡 回 相 談 の 受 入 」 状 況 で は 、 学 年 が 上 が る に つ れ て 減 少 傾 向 で 、 高 等 学 校 に な る と 50.0% の 結 果 と な っ て い ま す 。 こ れ ら の 調 査 結 果 は 、 全 国 の 状 況 で す の で 都 道 府 県 別 で 差 が 見 ら れ る こ と と 思 い ま す 。後 日 、北 海 道 や オ ホ ー ツ ク 管 内 の 調 査 結 果 が 示 さ れ て き ま す 。 特別支援教育の推進という観点で、その結果に注目したいと考えています。 特 別 支 援 教 育 が 始 ま っ て 8年 目 と な っ た 今 、 徐 々 に で は あ り ま す が 、 特 別 支 援 教 育 の 考 え 方 や 手法などが幼小中高に浸透し、それぞれの学校でも取り組まれるようになってきました。特別支 援教育を推進していく立場の私としては、非常に喜ばしい気持ちで一杯です。ある学校では、た だ 単 に 特 別 支 援 教 育 に 特 化 し た 取 り 組 み だ け で は な く 、「 ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の 授 業 」と し て 、 どの子も分かる授業づくりに取り組んでいる所も見られます。楽しく分かる・できる授業づくり は 、 本 来 、 通 常 学 級 の 授 業 で 追 求 し て き た こ と で す 。 し か し 、「 ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン 授 業 」 は 、 特別支援教育の考え方を取り入れ活かすことで、発達障がいなど特別な支援を必要とする子ども を 含 め て 、ク ラ ス 全 員 の 子 ど も が 楽 し く「 分 か る ・ で き る 」を 目 指 す 取 り 組 み で す 。こ れ な ど は 、 一つのクラスだけ取り組んでも、成果が見られないものです。つまり、学校全体が同じ方向性を もち取り組む必要があります。 ここまで述べてきて、私が何を言いたいかと申しますと、学校経営の中心に特別支援教育を据 え る と ( 特 別 支 援 教 育 と い う 言 葉 で な く て も 考 え 方 で も 良 い )、 様 々 な 視 点 で 学 校 全 体 の 運 営 に 効果があるということです。このことに気づいている校長先生は、学校経営方針の重点目標や重 点課題などに示し、クラス全員の子 ども達に対しては特別支援教育の考 え 方 に 基 づ き な が ら 、「 学 力 の 向 上 」 に取り組み、特別な支援が必要な子 どもに対しては、個別の指導計画・ 個別の教育支援計画を作成し、他の 学校や関係機関と連携して、専門的 な指導に当たっています。 お一人お一人の校長先生の教育理 念や方針があると思います。今、障 害者権利条約が批准され、より特別 支援教育が注目されている現状で、 学校の経営を再考してみる時期にき ているのではと考えます。 いかがでしょうか? -1- 今年度の特別支援教育学習会・研修会のご案内 今年度の特別支援教育学習会・研修会は以下の予定のとおりです。都合により変更等があるかもしれま せんが、近くなりましたら本校HP等でご案内いたします。たくさんの方々の参加をお持ちしています。 <特別支援教育学習会> 第1回 4月20日(月) 「支援が必要な児童生徒のための『個別の教育支援計画』について」 「今年度初めて特別支援学級を担当する先生方のための研修講座」 第2回 6月29日(月) 「支援の必要な生徒への進路指導について~中学校、高等学校の事例を通して~」 第3回 9月18日(金) 「特別支援教育コーディネーターの先生方のための情報交流会」 第4回 11月30日(月) 「指導に生かす『個別の指導計画』の活用について」 第5回 1月28日(木) 「次年度に向けた『個別の教育支援計画』の作成と活用」 <夏季研修会> 7月28日(火)~29日(水) 「幼稚園・保育園の先生方のための夏季研修会」 「高等学校の先生方のための夏季研修会」 「子ども理解に役立つ心理検査の理解と活用」 <秋季研修会> 10月2日(金) 「学習に心配のある児童生徒への支援について~小・中学校の先生方対象~」 <冬季研修会> 12月28日(月) 「子ども理解のための心理検査の理解と活用について」 教育相談についてのご案内 北見支援学校では、就学前(幼稚園・保育園)、 小・中学校、高等学校のお子さんに関 するさまざまな相談を受け付けています。 お子さんについてお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。 ○発達全般に関すること ○言葉に関すること ○友達関係や行動での心配なこと (友達と上手に遊べない、落ち着きがない等) ○学習や生活でのつまずきについて ○お子さんの進路について 必要に応じて、学校訪問(訪問相 談)もいたします。 本校に来校することが難しい場合 は、お気軽にご相談ください。 また、教育や保育等の現場で抱えている支援に関する相談にも応じています。 ○学習や行動面への支援方法について ○教材・教具について ○「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」の作成や活用について ○校内・園内支援の体制等に関すること ○特別支援教育全般について 自立活動の指導・相談について 本校には自立活動教諭が1名配置されています。姿勢や運動、日常生活動作の課題に対する自 立活動の指導・相談のほか、視知覚、認知面や健康状態の把握等の相談・支援業務も行っており ます。 上記のお子さんのことでお困りのことやご質問がありましたら、お気軽にご相談ください 。 (担当 佐野) -2- みんなで連携し支えるための『個別の教育支援計画』について 【「個別の教育支援計画」とは何ですか?】 学習や生活、行動面などで支援が必要な子ども一人一人を「みんなで育む」ため、就学前から支援者、学校、 相談機関などとつながり、学校を卒業するまでお子さんを支え、つながる大切なツールです。 【「個別の教育支援計画」の意義】 支援が必要な子どもたちが、地域で生活し社会参加をしていくためには、多くの関係者や関係機関と協力 し、生涯にわたる支援が必要になってきます。 そのために、個別の教育支援計画は、支援の必要な子どもたち一人一人を取り巻く関係者が、将来を見据 え、一貫した支援を行うためのツールとなります。 学校などの教育機関を中心に、保護者、関係機関が連携をし、今後の支援の計画を立て、それぞれが役割 分担をしながら支援を行います。 また作成された資料は、保護者との連携の中で、小学校、中学校、高等学校等へ引き継ぐ取り組みが期待 されています。 <どんなときに使うのでしょうか?> 【授業参観後の話し合いで】 【校内支援会議の話し合いで】 【進路指導の話し合いで】 A小学校の特別支援教育コーディネーターが 幼稚園の授業参観を行い、保護者と幼 稚園、小学校教員が支援について話し 合いを行っています。この時の記録が 入学後の支援に大変役立っています。 B中学校では、例年4月に校内 支援会議を行っています。特に学 習や生活上で支援が必要な生徒理 解のため、保護者から提供された 支援計画は大変助かっています。 C高等学校では、進学・就職のた めの記録をまとめています。必要に 応じて特別支援学校の相談等を活用 し、外部の方の意見を参考にしなが ら進路指導を進めています。 <「個別の教育支援計画」についてよくある質問> Q:卒業時に本人・保護者へ計画を 返却する際、電子データの扱い はどうするのですか? A:卒業時に計画を返却することに なります。また、個人情報が記 載されている資料や作成時のパ ソコンのデータついても消去す る必要があります。 Q:個別の教育支援計画は誰が保管 するのですか? A:個別の教育支援計画に記載され た内容は、学校と十分に話し合 って記載し、同意した以外の人 へは公開しません。基本的に個 別の教育支援計画は、保護者が 保管しますが、在学中は保護者 の同意を得て学校が一時保管す ることがあります。 Q:支援会議を行う際、全員が集まる 会議を行うことは難しいのですが どのように関係機関と連携を図っ たら良いでしょうか? A:支援会議を開催しなくとも、持ち 回りによる協議をする方法や、本 人・保護者と参加できる関係者・ 機関と数回に分けて打ち合わせを 持つ方法など工夫し、連携を行う ことが考えられます。 Q:ケース会議の際に、関係者にコピ ーを渡すことは可能でしょうか? A:ケース会議において、計画のコピ ーを使用する際は、本人・保護者 の許可が必要になります。使用の 際には、使用後、回収して破棄す るなどの配慮が必要です。 ◆「個別の教育支援計画」に関わる資料です。是非一度ご覧ください!◆ ・リーフレット「『みんなで力を合わせる』~一人一人の子どものよりよい指導や支援のために」 H20年度 北海道教育委員会 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/tkk/ ・「『個別の教育支援計画』理解啓発用資料 H26年度 北海道教育委員会 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/tkk/ ・「『個別の教育支援計画』FAQ ver.3.1 」H18年6月 北海道教育委員会 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/tkk/ ・「特別支援学級を担当する方のための4ステップ(プラス1)ガイドブック(平成26年度版)」 北海道教育委員会 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/tkk/4sutepp.htm ・「みんなでつくる個別の教育支援計画『育ちの手帳』」 (H26年 オホーツク管内特別支援連携協議会) http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/okh/gimuhan/minnatotukuru.pdf -3- 本年度の本校特別支援教育コーディネーター紹介(8名) <久戸 優> 今年度は、研修会等で、地域 の方々が本校にたくさん足を運 んでいただける1年にしたいと 思います。 引き続き、支援の必要な子ど もたちのために、ご協力をよろ しくお願いいたします 。 <佐藤未央> 今 年 度 コ ーデ ィネ ーターを さ せ て い ただくことになりました。 一人ひとりの支援について 一緒に考えて、一緒に学んで いきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいた します。 <和崎裕子> 今 年 度 も コーディネーターを さ せ て い ただくことになりました。 まだまだ経験は浅いですが、 たくさんの方の話を聞いたり研 修を受けたりしながら、自分の 幅を広げて少しでも先生方の力 になれるように、日々努めて参 りますので、よろしくお願いし ます。 <髙野りつ子(進路指導担当)> 今 年 度 進 路 の コーディネーターを さ せ て頂くことになりました髙野と 申します。 微力ではございますが進路の 相談を中心に受け、皆様に最新 の情報を提供できるよう努めて いきたいと思います。 どうぞよろしくお願い致しま す。 <太田健二郎> こんにちは。今年もまた学習 会などで皆様から、小中学校の 現状や特別支援教育の課題など を教えていただきたいと思いま す。 よろしくお願いいたします。 <宮下保之> 今年も担当させていただきま す。 特別支援教育に関わる動向が 大きく前進しています。皆さん と一緒にお子さんの成長につい て考えていきたいと思います。 どうぞよろしくお願い致しま す。 <佐野映司(自立活動担当)> 6年目となりました。今年も自 立活動を担当します。それぞれの 枠組みを超えて子ども達のための つながりを持つことができればい いなと思っています。どうぞよろ しくお願いします。 <佐藤晋恵(健康・安全担当)> 今年度、初めて健康・安全 担 当 の コーディネーターを さ せ て い た だくことになりました。 健康診断の受け方や病気の 対応などについて一緒に考え ていければと思っています。 どうぞよろしくお願い致し ます。 子ども達にできることを、皆 さんと一緒に考えてきたいと思 います。 今年度もどうぞよろしくお願 いいたします。 <編集後記> 今年度初めての特別支援教育通信「With第1号」をお届けします。 私たちができることで、地域の皆様のお役に立てることがあればと願っております。ご相談があれば、 気軽にご連絡をいただきたいと思います。 今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。 <お問い合わせ先> 電話・FAX/0157-61-0047 E-mail/[email protected] 担 当/教頭(菅野) 相談支援部(久戸、佐藤、太田) -4-
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