脳と心の哲学 哲学とは・・・ 「哲学とは何か」という問いへの答えは難し いが、ひとまずここでは、 学問の分野を超えて、総合的な視野から その知見を批判的に検討する試み? としてみる 脳科学に対する問い(河野,2008) 1. 脳研究は、本当に心の働き(知性、記憶、 道徳心など)の解明をもたらすのだろうか 2. それ以前に、そもそも、心と脳とは同じも のなのだろうか。脳=心といっていいの か? 3.脳を調べることで心の状態を読むことは 可能なのだろうか? 4.人間の行動は脳のメカニズムによって決 定されていて、自由などは幻想にすぎない のだろうか 心の哲学 「心」とは何か、をあらゆる分野の知識を総 動員して問う (物理学、生物学、社会学、心理学、言語 学、論理学・・・) 興味深い議論がたくさんあるが、 とりあえず入り口はやっぱり「心身問題」? 心身問題 専門家の中には「古くさい」と言う人もいる が、やっぱり基本だと思われる 「古い」と言っても、解決済みというわけで はない。未解決の問題。 その解決困難っぷりを知ることが、心の哲 学に対する理解を深める(多分) 二元論 この世界は物質と精神という2つの異質な ものから成り立っている 問題点 ⇒ その異質なもの同士がどうして相互作用 できるのか? ⇒ エネルギー保存の法則に合わない 一元論 1. この世界はすべて物質である。心も然り ⇒ 唯物論 2. この世界はすべて精神である。我々が物 質と思っているものは我々の思考の産物 である。 ⇒ 観念論とか唯心論 唯物論 「心」や「精神」「意識」などはすべて幻想で ある。実在するものはただ身体における電 気反応や化学反応だけである 問題点 直感にそぐわない 少なくとも自分自身に関しては 観念論・唯心論 「物質」のほうこそむしろ幻想である。この 世界は言ってみれば全部が精神世界であ る。 問題点 独我論の恐れ 物理学との折り合いをどうつけるのか 現代の多くの哲学者は・・・ 「そもそも”物質か精神か”という問い自体 が誤りである。それは初めから解きようの ない擬似問題である」として距離をおく ⇒ 1.その擬似問題がどうして生じてきてし まったかを考える 2.心身問題よりもむしろ、物理学や生物 学の知見と日常的直感との間の溝を埋め るという問題を考える 興味深い公案 懐疑論 「水槽の中の脳」 ホムンクルス問題 ゾンビ問題 「中国語の部屋」 リベットの実験 文献 河野哲也「暴走する脳科学」 ブラックモア「意識」 デカルト「省察」 ラマチャンドラン「脳の中の幽霊」最終章 ダライズマ「記憶の比喩」最終章 ・・・etc.
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