ヴァンダナ・シヴァ 奇跡の種子の神話 I. 緑の革命と奇跡の種子が途上国の農業社会 へもたらした変化: 1.人間、水、土壌、家畜などの強制的な農業 システム ⇒ 化学物質、化学肥料、殺虫剤を投入する システム 1 ヴァンダナ・シヴァ 奇跡の種子の神話 I.緑の革命と奇跡の種子が途上国の農業社会へも たらした変化: • 2. 農業社会や、世界の農村部の自給持続経済 ⇒ 先進国の市場とその動揺へ依存してしまう途上国 の経済 2 ヴァンダナ・シヴァ 奇跡の種子の神話 • II.高収量の神話と食料自給 : 問題点 • マクロ経済による先進国での「贅沢」や余剰生産と、 途上国での「欠如」。 「欠如」は現実に – どこにあるか、 – 誰にあるか、 – 何による起こったか を自問して行く。 3 ボーローグ時代(軌跡の種子が発明された時代)における 「先進国の富」とその現実 比較のため:途上国ではなく、1950年米国の経済状態 • 失業率 約 6.0% • 平均所得=$3,300ドル (現在 $20,000=¥2,400,000) • 低所得者の所得= $1,800 (現在 $12,000 =¥1,450,000) 1950年代後半, 米国民総合貧困率 = 22% 貧困線の定義:所得は必要となる家屋、教育費、衛生水準、 療法、食糧への支出より低い。 十分な住宅、衛生状態、療法、食料を入手できない世帯。 4 ヴァンダナ・シヴァ 奇跡の種子の神話 • II.高収量の神話と食糧自給 ~ 問題点 モノカルチャーの要素: – 大きな面積を使い尽すプランテーション(大農園) – 市場のための単一収穫しかしない – 食物の自給生産から商業生産への変化 これらがもたらす変化1:食料安全度が減る – 収穫を換金作物にし、自己消費に利用した食物がなくなる – 購買力のない小農民が食料を買えない 5 ヴァンダナ・シヴァ 奇跡の種子の神話 • II.高収量の神話と食糧自給 ~ 問題点 • 栄養の価値が高い食料 ⇒ 市場での価値 が高い食料への変化。 6 ヴァンダナ・シヴァ 奇跡の種子の神話 • II.高収量の神話と食糧自給 ~ もたらした変化の問題点 • 多様的で、害虫や病気への強い抵抗力があ る食物 ⇒ – 害虫と病気への抵抗力のない – 標準化された、同質化された – 多様性のない 品種や作物への変化。 7 ヴァンダナ・シヴァ 奇跡の種子の神話 • II.高収量の神話と食糧自給 ~ 問題点 • バイオマス(有機物質一般)の欠如: 飼料と肥料に無料で使われたワラなどが減少して行く。 高収量が化学物質を要求するから、 その代わりに化学肥料を買わなければならない。 8 「奇跡の種子」と内部的農業の利害 • 奇跡の種子が使われない • 内部的な消費のために栽 培する、供給する • 土着の種子が優先され、 種子、農薬を購入するコス トはない • 昆作システムで害虫、病気 を減らす • • • • 利 高収量:短期的に 市場のために栽培する 種子が外部的な肥料と灌 漑への反応が大きい • 害 • 殺虫剤を使用しなければな らない • 長期的に低収量がおこる 9 「奇跡の種子」と「不公平な比較」 伝統農業 • 人間、水、土壌、家畜など の共生的な農業システム 緑の革命 • 科学物質、科学肥料、殺 虫剤を投入するシステム • 生態的なリサイクリングす る、栄養度を支持する、 毒性・塩類・汚染・を生産 しないシステム • やせ土、毒性、塩類集積、 砂漠化、食物汚染、遺伝 子多様性の破壊、バイオ マス減少をおこすシステム 10 「奇跡の種子」と内部的農業 内部的農業システム 緑の革命のシステムと 外部的投入物 • 種子・作物の複数の利用: • 種子・作物の単一の利用: 1) 市場性 1)食事 2)肥料 3) 飼料 11
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