8. 図書館及び図書・電子媒体等 ■達成目標 ① 電子資料の更なる充実をはかる。 ② 蔵書収容能力の向上をはかる。 ③ 図書館を開放し、地域住民への便宜向上をはかる。 ④ 国立情報学研究所への登録を継続的に実施していく。 ⑤ 本学の特性に沿ったコレクションの更なる充実をはかる。 ⑥ 学生へのサービスを強化する。 ■図書、学術雑誌、視聴覚資料、その他教育研究上必要な資料の体系的整備とその量的整備の適切性図書資料等の収集について１. 平成9年度に「大阪産業大学綜合図書館資料収集方針」を確立したことに伴い、その収集方針(建学の精神と大阪産業大学の理念に沿った図書館づくり)に基づいて、体系的に本学蔵書の充実をはかっている。２. 本学の特性に応じた資料を綜合図書館委員会の検討を経て収集している。３. 各学部からの図書及び視聴覚資料の購入希望については、すべて総合図書館委員を通じて行っている。４. 授業計画(シラバス)における教科書・参考書及び利用者から購入希望がある資料等は購入している。５. 各種出版目録・案内により、新刊図書資料等の選定を行っている。量的整備の適切性１. 文部科学省「平成19年度大学図書館実態調査報告書」により、学生1人当りの蔵書冊数、受入れ冊数、資料費を私立大学平均と比較した。なお、本学の組織上、図書館で受入れ処理をしていない図書・雑誌もある。私立大学平均蔵書冊数年間受入れ冊数資料費本学（図書館登録）（図書館外登録） 76.7冊 40.78冊 40.58冊 0.2冊 2.1冊 0.84冊 0.64冊 0.2冊 21.6千円 10.71千円 10.61千円 0.1千円２. 平成19年度時点での年間購入雑誌受入れ種数を私立大学平均と比較した。雑誌については、図書館以外登録していない。私立大学平均本学（図書館登録）（図書館外登録）和雑誌受入れ種数 393種 338種 338種－洋雑誌受入れ種数 302種 342種 342種－合計 695種 680種 680種－ - 51 - ■図書館施設の規模、機器・備品の整備状況とその適切性、有効性１. 視聴覚機器の保有台数は以下の通りである。視聴覚機器数視聴覚機器合計マイクロリーダテープレコーダ 63 2 ビデオレコーダ CD・LD・DVD プレーヤ 2 15 レコードプレーヤ 41 映写機 2 1 ２. AV資料年度別利用統計は以下の通りである。ビデオ 1,538 781 818 680 328 平成16年度平成17年度平成18年度平成19年度平成20年度 CD 455 331 324 288 224 DVD 6,056 7,001 6,057 6,071 7,635 ﾚｺｰﾄﾞｶｾｯﾄ 6 6 4 11 4 LD 7 2 2 6 1 合計 2 7 2 9 9 8,064 8,128 7,207 7,065 8,201 ■学生閲覧室の座席数、開館時間、図書館ネットワークの整備等、図書館利用者に対する利用上の配慮の状況とその有効性、適切性１. 閲覧室における座席数については、本学の学科申請等において閲覧座席数の充実をはかることの指導もあり、閲覧座席数の増加に努める。閲覧座席数の推移は以下の通りである。図書館フロア平成7年度まで平成8年度増設 1階 2階 3階 4階合計 136 205 232 11 584 210 218 358 67 853 閲覧座席数平成13年度平成17年度増設改装 218 196 416 79 909 平成18年度増設平成20年度 219 223 438 89 969 218 223 445 63 949 218 207 432 99 956 なお、閲覧座席数においても図書館の閲覧室と14号館教員研究棟の閲覧室を含め閲覧座席数(学生収容定員の10%以上)の基準を充足している。２. 平成15年度から実施した図書館業務委託により図書館規程の範囲内で開館日・時間を設定し、定期試験期間中の7月と1月には休日開館を実施している。平成16年度から短縮時間（夏期・春期）を9：30～ 18：00までとしている。なお、平成20年度の年間開館日数は286日で、平成21年度も286日を予定している。３. 文部科学省「平成19年度大学図書館実態調査報告書」によると、国公私立各大学の年間開館日数の平均269日を上回っている。 ◎年度別開館日数・入館者数・貸出利用統計入館者数（1日平均）開館日数平成16年度 285 平成17年度 285 平成18年度 283 平成19年度 287 平成20年度 286 302,471 (1,061) 279,325 (980) 275,346 (973) 271,174 (945) 255,310 (893) - 52 - 貸出者数（学生） 18,891 (17,353) 18,923 (17,302) 17,344 (15,849) 15,027 (13,516) 13,144 (11,504) 貸出冊数（学生） 37,189 (33,536) 39,319 (35,362) 34,225 (30,512) 32,203 (28,044) 28,953 (24,116) ４. 夏期期間中に近隣住民及び高校生へ図書館を開放している。５. 学生が直接書店で学部・学科に関連した図書を選書することができる「学生選書モニター」を年1回実施している。平成21年度は年2回実施した。 ■図書館の地域への開放の状況夏期期間中に地域住民（高校生以上）へ開放しているが、その他の期間中に来館した人も利用できるよう配慮している。今後、地域所在の図書館（大学、市立、郷土資料館等）との連携をはかり、歴史的資料の分担収集、共通閲覧証、地域総合目録作成などについて情報交換が必要であると考える。 ◎平成20年度夏期期間中の入館者（8月5日～9月16日までの33日間）高校生他大学学生 18 地域住民 20 合計 152 190 ■学術情報の処理・提供システムの整備状況、国内外の他大学との協力の状況１. 国立情報学研究所の利用状況について国立情報学研究所を核として各図書館の所蔵状況のデータベース化を進めており、本学図書館においてもNACSIS-CAT(目録システム)、NACSIS-ILL(図書館間相互貸借)等を利用して運用にあたっている。２. 図書館システムについて図書館システムについては、伊藤忠テクノサイエンス社製のシリウス(CILIUS)から多言語対応可能な日本事務器(株)のネオシリウス(NeoCILIUS)システムへ更新した。また、携帯電話から蔵書検索や貸出状況が確認できるサービスを開始している。３. ホームページの開設についてホームページを開設して各種情報を提供し、Web上で蔵書検索が可能となっている。また、ホームページ上で貴重図書リストの一部を公開している。４. 国立情報学研究所の図書館間相互貸借のサービスである NACSIS-ILLサービスを実施しており、図書の貸借、文献複写の受付、依頼のサービスを実施している。５. デジタルアーカイブの公開について Infocom社のアーカイブ配信システム（InfoLib）を導入し、「電子図書館」として貴重書のデジタル画像を公開した。 ◎年度別相互利用受付・依頼件数文献複写受付平成16年度平成17年度平成18年度平成19年度平成20年度図書依頼 390 514 455 486 468 貸出 768 619 730 880 710 - 53 - 借受 132 101 140 110 104 292 196 235 275 285 ■まとめ（「点検・評価」、「長所と問題点」、「将来の改善・改革に向けた方策」）点検・評価 ① 図書、図書館の整備＊図書、学術雑誌、視聴覚資料、その他教育上必要な資料の体系的整備とその整備の適切性について１. 分野別の蔵書構成は、本学の学部・学科構成に沿ったものとなっている。２. 本学の特性に添ったコレクション（ライプチッヒ商工会議所図書館蔵書、経済学諸学派コレクション、ビジネスライブラリー、アメリカ環境保護庁図書館蔵書、その他交通･地誌関係コレクション等）が充実しており、他大学からの貸出依頼や直接来館利用もある。３. 本学の場合、大学予算で購入された図書資料等が図書館を通さないで処理される場合もあるため、蔵書数・年間受入れ冊数・資料購入費が実際よりも過小評価されている。そのため、図書館のみの数字では大学全体の図書・雑誌の収集実態を把握できない。４. 学生が直接書店で学部・学科に関連した図書を選書することができる「学生選書モニター」を実施している。５. 留学生が母国語の新聞を閲覧できるようにしている。６. 継続図書・雑誌の見直しを行っている。＊図書館施設の規模、機器・備品の整備状況とその適切性、有効性について１. 学習環境の充実をはかるため、３階第１閲覧室の閲覧机に仕切りを設置した。また、第３閲覧室に個人用閲覧机を配し、無線LANによるパソコン利用を可能にした。＊学生閲覧室の座席数、開館時間、図書館ネットワークの整備等、図書館利用者に対する利用上の配慮の状況とその有効性、適切性について１. 年間の開館日数は、計画的に増加させ現在では全国平均よりはるかに多く、利用者からの不満も減ってきており、基本的には問題はないと考えている。２. 卒業生アンケートの結果を参考にして改善をはかっている。＊図書館の地域への開放状況１. 大阪を中心とした関西全般の交通・産業・経済・市町村史を収集しているため、歴史的資料の保存という側面においても地域へ貢献できると考えている。 ② 学術情報へのアクセス＊学術情報の処理・提供システムの整備状況、国内外の他大学との協力状況について１. 図書館システムについては、OPACの目録情報をデジタルアーカイブや電子ジャーナルへリンクするなどの活用を行っている。また、マイライブラリ機能によって、利用者が図書館へ来館せずに本の予約・延長などのサービスを受けることが出来る。システム移行時には、メタデータ活用や次世代OPACへの移行などを視野に入れることが考えられる。２. 国立情報学研究所の書誌・所蔵データアップロードを進めることにより、他大学が当館の資料についての情報を得る機会が増加していると考えられる。長所と問題点 ① 図書、図書館の整備＊図書、学術雑誌、視聴覚資料、その他教育上必要な資料の体系的整備とその量的整備の適切性について長所： 1. 資料の収集については本学の講義内容・教員の研究内容と深くかかわっている。 - 54 - 2. ホームページに学生に読んでほしい図書のリストを公開中である。 3. 就職・資格コーナーを設置し、学生の就職活動及び資格取得を支援している。問題点： 1. 図書の体系的収集において予算面から本学と私大平均を比較すると図書館のみの資料購入費は6割程度にとどまっている。卒業生アンケートにおいても図書が少ない、古いという指摘が見られる。 2. 図書館以外の組織で購入した図書資料等について、特に教員が退職した場合など図書館に移管されてくる資料等が相当数あり、スペースとの関係から処理方法が問題となっている。＊図書館施設の規模、機器・備品の整備状況とその適切性、有効性について長所： 1. 4階書庫について和書は開架式である。 2. 第4閲覧室（AVルーム）に世界一級のオーディオ装置を設けている。問題点： 1. 2. 受入れ冊数の増加に伴い、配架場所が分散して利用者に分かり難くなってきている。オーディオコーナー及びマルチメディアコーナーの満席状態が続いている。＊学生閲覧室の座席数、開館時間、図書館ネットワークの整備等、図書館利用者に対する利用上の配慮の状況とその有効性、適切性について長所： 1. 夏期期間中に高校生以上の近隣住民に図書館を開放している。問題点: １. 卒業生アンケートによれば、開館時間の延長を望む声もある。 2. 車椅子での入館が通用口の急なスロープからエレベーターでの入館のみであり、バリア・フリー化が必要である。＊図書館の地域への開放状況長所： 1. 夏期期間中に高校生以上の近隣住民に図書館を開放している。 2. 大阪府大東市と本学が協定を締結し開講した「だいとうシニア環境大学」の受講生に図書館を開放している。問題点：１．夏期休暇中の地域社会への開放は図書館利用のみで図書の貸し出し利用まで含めていない。不特定多数が入館しているので、防犯上も問題が発生した場合、その対策をどうするかが今後の問題である。 ② 学術情報へのアクセス＊学術情報の処理・提供システムの整備状況、国内外の他大学との協力状況について長所： 1. 図書館業務全面委託により、人事異動に左右されることなく図書館業務に専念することができる。さらに目録・レファレンス・システム管理などのスペシャリストを育成し、長期間に渡って勤務できる体制が可能となった。 2. 図書館利用者が本学図書館の蔵書だけの利用ではなく、他大学等の図書館の蔵書を利用することが可能であり、図書館間資料の有効活用がはかれる。 3. 学内外からの問い合わせに対して的確な情報提供が出来るようにするにはレファレンス・ワーカーの育成と確保が必要であったが、業務委託により安定的にレファレンス担当者を配置することも可能になった。 4. ドイツ語、フランス語系コレクションについては冊子目録とカード目録のみである。そのためドイツ語・フランス語の素養のある職員を育成または派遣依頼し、できるだけ早く書誌データ作成並びに国立情報学研究所へのアップロードを実施した。問題点： 1. 図書館所蔵の全書誌データが入力されていない。特に、4階の閉架図書洋書約６万冊が簡易書誌データのみで検索条件によっては所蔵していても検索できない場合が多い。 2. 図書館間の相互利用のために、なお一層所蔵データの国立情報学研究所への登録が望まれる。 - 55 - 将来の改善・改革に向けた方策 ① 図書、図書館の整備＊図書資料等の収集方針の改善について１. 「大阪産業大学綜合図書館資料収集方針」に基づき、より一層体系的に収集し本学蔵書を充実させることとそのための予算措置が重要である。加えて電子資料の充実も積極的に推し進めるべきである。＊図書館施設の規模、機器・備品の整備状況とその適切性、有効性ついて１．収容冊数の限界に達しているため、図書館4階閉架書庫を電動書庫中心のフロアとする計画が進行中である。２. 身障者への対応として、バリア・フリー化を一層進めている。３. レファレンスのスペシャリストを育成し、情報リテラシー教育の向上に資する環境の充実を目指している。４. 視聴覚資料を開架スペースに配備し、利用者の便宜をはかる計画がある。＊学生閲覧室の座席数、開館時間、図書館ネットワークの整備等、図書館利用者に対する利用上の配慮の状況とその有効性、適切性について１．開館時間の延長については部分的開館を含めて十分検討の余地がある。＊図書館の地域への開放の状況１．本学構成員以外からの貸し出し要望への対応について検討する。。 ② 学術情報へのアクセス＊学術情報の処理・提供システムの整備状況、国内外の他大学との協力状況について１. 電子図書館システムの導入し、データベース構築及びデジタル・コンテンツ作成・公開を行った。２. 図書館間の相互利用のために、なお一層所蔵データの国立情報学研究所への登録が望まれる。また、ミャンマー語資料などのunicodeに対応していない言語の資料を受け入れたことにより、本学図書館システム及び国立情報学研究所へのアップロードができない状況が発生している。 - 56 -