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臨床診断総論
画像診断(3)
磁気共鳴画像
Magnetic Resonance Imaging: MRI
その7
放射線科井田正博
脳出血のMR信号の経時的変化
講義には出さなかったが臨床で役に立つ知識
MR 所見
病期
ヘム鉄の変化
局在
T2 強調画像 T1 強調画像
CT
超急性期
オキシヘモグロビン(Fe2+/反磁性)
赤血球内
軽度高信号 軽度低信号
高吸収域
急性期
デオキシヘモグロビン(Fe2+/常磁性)
赤血球内
低信号
軽度低信号から等信号
高吸収域
亜急性期
メトヘモグロビン(Fe3+/常磁性)
赤血球内
低信号
高信号
高吸収域
メトヘモグロビン(Fe3+/常磁性)
赤血球外
高信号
高信号
辺縁部に信号低下
ヘモジデリン(Fe3+/常磁性)
赤血球外
低信号
低信号
低吸収域
慢性期
►
►
►
多くの病変は T2高信号、 T1低信号を呈するが、出血(特に脳出血)ではヘ
モグロビンの脱酸素化により、特異的な信号パタンを呈する。
出血内のヘモグロビンはオキシヘモグロビン→デオキシヘモグロビン→メト
ヘモグロビン→ヘモジデリンに経時的に変化する。
上記の表の中で、特徴的な信号は
 デオキシヘモグロビン→T2強調画像で低信号(黒)
 メトヘモグロビン→T1強調画像で高信号(白)
 ヘモジデリン→T2強調画像で低信号(黒)
►
CTでは出血は高吸収域(高濃度、白い)を呈するが、MRではその経時的変化が詳細
にわかる。
拡散強調画像の有用性
86歳女性.意味不明の言動と発熱
T2強調画像
►
FLAIR
拡散強調画像
 細胞外液レベルの水分子の拡
散(ブラウン運動)を評価
 拡散低下部位→高信号
►
►
拡散強調画像
拡散強調画像では灰白質に
沿ってびまん性の高信号。
尾状核にも高信号
Creutzfeldt Jakob disease
Creutzfeldt Jakob disease CJD
► プリオンPrion病のひとつ
 プリオンPrionの感染
 通常のウイルスとはことなり核酸をもたないproteaseresistant proteinからなる。
► 散発性、遺伝性、医原性(人工硬膜など)
► 精神症状、ミオクローヌス、行動異常、小脳失調など
► 脳、とくに灰白質の海綿状変性
► MR拡散強調画像で灰白質、尾状核、被殻に高信号
 ミオクローヌス出現よりも早期に検出できる。