PowerPoint プレゼンテーション

第32回MR基礎講座 (関西)
2010.7.31 京都国際会館
画像法の原理(6)
拡散画像3
荏原病院放射線科
井田正博
拡散画像のMR信号
拡散係数を求める
MR
信号
SI = N(H) ・ (1 - e -TR/T1) ・ e -TE/T2 ・ e -bD
プロトン
密度
S(h) =
T1緩和
縦緩和
縦磁化の回復
T2緩和
横緩和
S (0)
log S (h) = log S (0) + (-bD)
log [ S (h) / S (0) ] = - bD
D ≒ ADC = log [S (h) / S (0) ] / -b
拡散
・ e –bD
ln S(h) = -bD + lnS(0)
拡散係数Dは傾き
ln SI
• D = - ln [ S(h) / S(0) ] / b
• bD = - ln [ S(h) / S(0) ]
• bD = - ln S(h) + ln S(0)
 ln S(h) = -bD + ln S(0)
• Dは傾き
T2WI
ln S(h) = -bD + lnS(0)
1000
b-value
– D= - [ ln S(h) - S(0) ] / b
– b=0のときはT2WIの信号
強度 ln S(h) = ln S(0)
– bが増大すると信号強度は
低下する.
ADC:2点の信号から計算
ln SI = -bD + lnS0
b-value
1000
• 異なるbの2点の信号強度は
がわかれば,Dが計算できる.
• D = - ln [ S(h) / S(0) ] / b
• bD = - ln [ S(h) / S(0) ]
• bD = - ln S(h) + ln S(0)
 ln S(h) = -bD + ln S(0)
• Dは傾き
– D= - [ ln S(h) - S(0) ] / b
– b=0のときはT2WIの信号
強度
– bが増大すると信号強度は
低下する.
• Sh = S0
e -bD
みかけの拡散係数
Apparent Diffusion Coefficient:ADC
• 異なるMPGを印加した画像の信号比から
D = - ln [ S(h) / S (l) ] / bh-bl
• S(h): 高いb値のMPG印加.S(l): 低いb値
• b = 1000,0 を測定する.
D = - ln [ S(1000) / S (0) ] / 1000
ADC:2点の信号から計算
ln SI = -bD + lnS0
ln SI = -bD + lnS0
b-value
• 異なる2点の信号強度はがわかれ
ば,Dが計算できる.
• 正確に測定するなら,3点以上計測
し,回帰直線を求める.
b=0-50
b=1000-1200
• D = - ln [ S(h) / S(0) ] / b
拡散にもさまざまな成分がある
Bi-exponential diffusion
3300
GM
WM
CSF
3100
2900
• ln Sh = -bD + lnS0
– 実測すると直線関係にならない
2700
Signal intensity
2500
2300
• 拡散にもさまざまな成分がある.
– first components (Df)
– slow components (Ds)
– S = K1 exp (-bDs) + K2 exp (Df)
2100
• Bi-exponential diffusion
• Multi-exponential diffusion
拡散にもさまざまな成分がある
Bi-exponential diffusion
• ln Sh = -bD + lnS0
– 実測すると直線関係にならない
• 拡散にもさまざまな成分がある.
Signal intensity
– first components (Df)
– slow components (Ds)
– S = K1 exp (-bDs) + K2 exp (Df)
b値
• Bi-exponential diffusion
• Multi-exponential diffusion
拡散にもさまざまな成分がある
Bi-exponential diffusion
• ln Sh = -bD + lnS0
– 実測すると直線関係にならない
Signal intensity
• 拡散にもさまざまな成分がある.
D1
D2
– first components (Df)
– slow components (Ds)
– S = K1 exp (-bDs) + K2 exp (Df)
• Bi-exponential diffusion
• Multi-exponential diffusion
拡散にもさまざまな成分がある
Bi-exponential diffusion
• ln Sh = -bD + lnS0
– 実測すると直線関係にならない
Signal intensity
• 拡散にもさまざまな成分がある.
– first components (Df)
– slow components (Ds)
– S = K1 exp (-bDs) + K2 exp (Df)
• Bi-exponential diffusion
• Multi-exponential diffusion
ln Sh = -bD + lnS0
脳梗塞超急性期
T2WI
信号
T2WI
等信号
0
1000
0
脳梗塞亜急性期
T2WI
高信号
0
T2WI :
等信号
DWI :
高信号
ADC :
低下
1000
脳梗塞慢性期
T2WI :
高信号
T2WI :
高信号
DWI :
高信号
DWI :
低信号
ADC :
上昇
ADC :
上昇
1000
0
1000 b-value
脳梗塞亜急性期
T2 Shine through
T2WI :
高信号
DWI :
高信号
ADC :
Pseudonormalization~上昇
T2WI
高信号
0
1000
 拡散低下ではなく、T2延長が原因で、DWI高信号になる状態
–
–
脳梗塞発症後2-3日まはADC低下を反映する。T2の影響は少ない。
発症6日以降はT2延長(T2WI高信号)が反映される (T2 Shine through)
 DWIで高信号でも、T2WIで高信号ならば必ずADCを評価する。
1.
Burdette JB, AJR 171:791-795 1998
T2WI
高信号
0
超急性期梗塞
Posterior Reversible
Encephalopathy Sx
1000
血管性浮腫
T2WI :
高信号
DWI :
高信号
ADC :
上昇
細胞性浮腫
血管性浮腫
細胞外液腔狭小化
細胞外液増量
拡散低下
拡散上昇
T2変化なし
自由拡散と制限拡散
自由拡散
• 細胞外
• 脳脊髄液腔、膀胱、
嚢胞性腫瘤
• 拡散を制限する構造
がない
• 粘稠度に比例
制限拡散
• 細胞内(小器官)
• 拡散を制限する隔壁
等方性拡散と異方性拡散
自由な拡散
等方性拡散 isotropic
• すべての方向への均等な拡散
方向の制限された拡散
異方性拡散 anisotropic
• 方向の制限された拡散
拡散の異方性
髄鞘
軸策
神経細胞
拡散
ADC
DWI
軸策に直交
小
小
高信号
軸策に平行 大
大
低信号
拡散異方性
Diffusion anisotrophy
中枢神経では方向の揃っ
た有髄神経線維軸索によ
り,拡散方向に制限がある.
有髄神経に平行方向の拡
散が大きい
MPGを印加した軸上の拡散が測定される
90deg
180deg
Echo
RF pulse
MPG
MPG
MPG
MPG
MPG
MPG
z : slice
y
p : phase
z
r : read
x
y
静磁場方向
z
z
x
MPGを印加した方向の拡散現
象のみ測定される
拡散異方性
神経線維(軸策)と髄鞘に平行な方向に大きな拡散
軸策と髄鞘
直交方向に
MPGを印加
直交方向
– 小さな拡散が測
定される
– 神経線維が高
信号
2. 平1.0行方向
– 大きな拡散成分
が測定される。
– 神経線維が低
信号
1.
拡散異方性
神経線維(軸策)と髄鞘に平行な方向に大きな拡散
軸策と髄鞘
直交方向に
MPGを印加
平行方向に
MPGを印加
直交方向
– 小さな拡散が測
定される
– 神経線維が高
信号
2. 平行方向
– 大きな拡散成分
が測定される。
– 神経線維が低
信号
1.
拡散異方性: 神経線維(軸策)と髄鞘に平行に大きな拡散
軸策と髄鞘
軸策と髄鞘
Dg2
Dg1
1.


平行方向に印加
移動量 Dg1は大き
く,MPGによる信
号低下は大きい.
相対的に周囲脳
実質よりも低信号
脳梁膨大部
2.


直交方向に印加
移動量 Dg2は小さ
く,MPGによる信
号低下は小さい.
相対的に高信号
拡散異方性と拡散テンソル
l1
z
xz
yz
•
•
拡散テンソルDの固有値
eigenvector
l1 > l2 > l3
ADC
= ( l1+ l2 + l3 ) / 3
= (Dxx+Dyy+Dzz) / 3
l2
x
y
軸策と髄鞘
l3
xy
拡散テンソル画像
Fiber tracking
l1
z
l2
x
y
l3
髄鞘崩壊、軸策壊死→拡散異方性の低下
正常な軸策と髄鞘
• 神経線維に沿った
• 拡散異方性
脱髄、軸策壊死
• 拡散異方性の消失
画像法の原理(6)
拡散画像
• 今日から拡散画像を勉強
する方へ
• 拡散とは
• 拡散を測定する
– 位相、勾配磁場
– b値
• 自由拡散と制限拡散
• ADCを求める
– Multi-exponential
• 拡散テンソル
• 拡散画像の画質改善
• 結語
iPAT and 3-T; 磁化率変化の影響を最小限に
Optic
nerve
Vision 1.5-T
• TE/ b = 54/ 1000
• w/o iPAT
Trio 3-T
Avanto 1.5-T
•
•
•
TE/ b = 83/ 1000
Matrix head coil
iPAT 2 / Ave. 3
•
•
•
TE/ b = 76/ 1000
32-matrix head coil
iPAT 4 / Ave. 5
• Single-shot EPI によるDWIでは磁化率変化による頭蓋底への画像のゆが
みが常に問題となる
• 強い傾斜磁場.3Tesla におけるSNRの向上、高空間分解能化、parallel
imaging技術により これらの問題は改善される
拡散画像とParallel imaging
• 磁化率susceptibilityの影響の低減
• Single-shot EPI
– k空間のsampling数の低下→sampling時間の短縮
– 位相エンコード方向の位相シフトの集積が低減する.
sampling 時間
磁化率による
位相シフト
f1
f1> f2
f2
高磁場装置とコイルエレメント数の増加
3T装置と32チャネルコイル
– 信号雑音比の向上
– 高分解能化
– 撮像時間の短縮
Parallel imaging
– 展開精度
– Reduction factorの増加
• SARの低減
• 撮像時間短縮
拡散はプロトン密度 T1緩和 T2緩和とは独立したparameter
荒木力著 拡散MRI 秀潤社
MR
信号
SI = N(H) ・ (1 - e -TR/T1) ・ e -TE/T2 ・ e -bD
プロトン
密度
T1緩和
縦緩和
縦磁化の回復
スピン‐格子
緩和
T2緩和
横緩和
横磁化減衰
スピン‐スピン
相互作用
水素原子核間距離 → nm単位
拡散
mm単位
 拡散はプロトン密度 T1緩和 T2緩和とは独立したparameter
 組織成分や組織構築といった微細な物理環境を反映する.
結語 : 拡散画像
MR
信号
b: b値
D: 拡散係数
SI = N(H) ・ ・ e -TE/T2 ・ e -bD
プロトン密度
T2強調画像(b=0)
拡散強調画像DWI
T2緩和
拡散
ADC画像
 拡散はプロトン密度 T1緩和 T2緩和とは独立したparameter
 組織成分や組織構築といった微細な物理環境を反映
• 全例(脳、躯幹、腫瘤性病変)に拡散画像を施行する意義あり