社会福祉士の行動規範」と本会の対応システム

「社会福祉士の行動規範」と
本会の対応システム
倫理委員会 委員 松井 裕子
倫理委員会臨時委員 南川久美子
倫理委員会の役割
 会員の行動規範に関すること
 会員の懲罰に関すること
 会員に対する苦情に関すること
 会員の不服申立に関すること
 倫理綱領の改正に関すること

本会倫理委員会規則(規則第7号;1994.6.4.制定)
2005. 9.30. J.M.
2
会員の行動規範に関すること

社会福祉士の行動規範は、社会福祉士の倫理綱領の「倫理
基準」から導かれたものである。

行動規範は、倫理基準の抽象的なレベルを具体的なレベル
に表現し直したものである。

行動規範とは、本会の倫理綱領の中に位置づけられている、
会員の行動(行為)を導く基本的な指標である。

行動規範は、「~しなければならない」と表現されており、会
員の行動(行為)上の義務を明確に表現したものである。

行動規範は、会員の行動(行為)が懲戒処分-厳重注意、
除名等-に該当するか否かを判断する基準として活用され
る。
2005. 9.30. J.M.
3
会員の懲戒に関すること

定款第10条(除名)
定款又は規則に違反したとき
 本会の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をした
とき
 総会で3分の2以上の議決


懲戒基準規則第2条(懲戒の種類)
厳重注意
 戒告
 除名

2005. 9.30. J.M.
・・・・・・これまでに1案件のみ
4
会員に対する苦情に対応すること

苦情を申し立てる者
(1)会員 (2)利用者 (3)施設等関係者 (4)本会及び支部
(5)その他の個人及び団体

申し立てられた者(被申立人)の権利
(1)代理人の選任 (2)調査・審査・審議・議決の各段階での弁明
(3)決定に対する不服の申立

苦情対応機関
(1)対応窓口・・・支部および本部
(2)対応機関・・・倫理委員会=調査・審査、 理事会=審議、 総会=議決
(3)調査機関・・・調査委員3名、
苦情案件の事実の有無・内容の確認、調査報告書の作成
2005. 9.30. J.M.
5
苦情対応システム全体像
【2001年6月1日】
申
①会
立
員
人
②利用者
③施設等関係者
④本会並びに支部
⑤その他
(苦情・相談等)
事
情
聴
取
・
口
頭
説
明
受 付 窓 口
①本会事務局
報
再
審
査
請
求
②支部連絡先
告
(処分報告)
倫理委員会
理事会
総
会
再調査
受
付
処分の公表
意見具申
・報告
提案
厚
生
処分決定
・なし
・処分留保
・厳重注意
・戒告
調 査
(調査員)
事
情
聴
取
・
口
頭
説
明
処分決定
労
・除
名
働
・意見具申
報 告
意見聴取
審
弁
明
省
査
弁
明
処
分
通
知
弁
明
処
分
通
知
執行
停止
申立
社会福祉士(会員本人及び代理人)
2005. 9.30. J.M.
6
会員の不服申立に関すること

総会「議決」後の手順(第19~25条)

厚生労働省への報告・・・・除名、資格取消しの意見具申

再審査請求(申立人)・・・・総会後30日以内

不服申立(被申立人)・・・・総会後30日以内

執行停止・・・・再審査請求及び不服申立の間

公

文書保管・・・・被申立人及び申立人は閲覧できる
表・・・・公表の範囲・方法は理事会が別に定める
2005. 9.30. J.M.
7
倫理綱領の改正に関すること
期 日
具 体
的 事 項
1999. 7.17.
第1回本会倫理委員会
2000.12.19.
倫理綱領改訂のための合同作業委員会(日本SW協会と合同)
2002.10.17.
「ソーシャルワーカーの倫理綱領改訂案」公表(3団体合同)
2002.12.28
4団体合同の委員会を立ち上げる
2003. 1.18.
「ソーシャルワーカーの倫理綱領(改訂試案)」(本会倫理委員会)
2003. 7.
「『ソーシャルワーカーの倫理綱領』改訂試案詳細解説」(本会倫理委員会)
2004. 6. 3.
第9回通常総会で「社会福祉士の行動規範(案)」を公表
2004. 6.30.
「ソーシャルワーカーの倫理綱領(改訂最終案)」を公表(4団体合同)
2004.10. 5.
日本における取り組みを国際ソーシャルワーカー連盟主催の国際会議に発表
2005. 1.27.
「ソーシャルワーカーの倫理綱領(最終案)」(4団体)
2005. 2. 5.
社会福祉士の「倫理綱領(案)」「行動規範(案)」(本会倫理委員会)
2005. 2.19.
「社団法人日本社会福祉士会の倫理綱領(案)」確認
2005.6.3.
新倫理綱領採択
2005. 9.30. J.M.
8
倫理綱領と行動規範
前 文
倫
理
綱
領
の
体
系
ソーシャルワークの定義
価値と倫理原則
倫 理 基 準
価値、倫理原則、倫理基準にかかる解説
行 動 規 範
領域の広がり
2005. 9.30. J.M.
9
行動規範と懲戒(例)
秘密の保持
1.業務の遂行にあたり、必要以上の情報収集をしてはならない。
2.利用者の秘密に関して、敏感かつ慎重でなければならない。
3.業務を離れた日常生活においても、利用者の秘密を保持しなければならない。
4.記録の保持と廃棄について、利用者の秘密が漏れないように慎重に対応しなければ
ならない。
参考事例
障害者の就労支援を行う上で、当事者の人間関係や趣味、これまでの地域での生活
歴、福祉施設等での暮らしぶりなど、詳細にヒアリングし、その記録を作成し、無造作に
机上においたまま帰宅した。
帰宅途上で、同僚と食事をすることになり、その席で今日の出来事をおもしろおかしく同
僚に説明した。
たまたま居合わせた当事者の近所の人から、この一部始終が当事者本人に伝わり、苦
情の申立に至った。
処 分 案 -厳重注意-
2005. 9.30. J.M.
10
会員への苦情対応の指針・姿勢
 摘発を目的とするものではなく、苦情申立を前提
として苦情対応する
 苦情対応は、事実関係を十分調査した上で、倫
理綱領・行動規範に照らして不適切であるか否
かを判断する。
 いわれなき中小誹謗などにより会員が不当に非
難されることがないよう会員の権利を擁護する。
会員への苦情に対応する手続きに関する規則(2001.6.1.)
2005. 9.30. J.M.
11
会員への苦情の調査

倫理委員会委員長は、苦情の申立があった場合、
当該案件の発生した支部の支部長に情報提供を求
める。

審査を開始する場合、調査委員3名を選任する。
3名中2名は倫理委員会委員
 他の1名は当該案件の発生した支部の支部長の推薦す
る者


調査委員は、申立人及び被申立人にヒアリングし、
その内容及び調査の結果を倫理委員会に報告する
2005. 9.30. J.M.
12
調査ヒアリングのポイント
① 調査委員を委嘱されたことの告知,及び委嘱書の呈示
② 苦情申立人,又は被申立人の人定(身分証等で確認)
③ 苦情申立てに対する審査開始決定の告知,確認
④ 苦情申立ての概要,提出済の添付資料等の確認
⑤ 調査目的の告知,確認
⑥ 聴き取り調査における留意点
聴取内容をテープレコーダー等で録音・記録化することの確認,
聴取予定時間の告知,添付資料等の原本(署名,押印等)の確認,
新たに提示された資料については写しを受領,事実関係の確認を中心に聴取
⑦ 調査報告書作成における留意点
日時,場所,聴取者,被聴取者の特定,事実関係ごとに聴取した結果を記載,
新たに提出された資料を記載,調査報告書は速やかに事務局担当者に提出
⑧ その他
事務局担当者との連携
2005. 9.30. J.M.
13
記 入 例
(様式1)
(社)日本社会福祉士会 総務課
提出先:
宛て
苦情対応窓口にかかる登録票
発信日
2001.6.30.
対
応
支部等名
南北県支部
2001.8.1.
開
始
発信者
東西
隆夫
日
1、受付日時
2、受付場所
月
主担当者
週
1回
/
その他
時間
10:00
~
12:00
13:00
~
15:00
:
~
:
支部連絡先に同じ
【
固
定
090(0◎◇◆)□□□■
/
主担当者: 右田
CSW資格
4、対応形式
/
毎週木曜日
(TEL)
3、窓口担当
回
曜日
輪
番
京次
/
/
文書
/
時
,
(有・無)
電話
随
】
FAX
の支
苦部
情に
等お
のけ
取る
扱会
員
へ
(有・無)
/
Eメール
/
来所
(該当するものすべてに○をつけて下さい)
5、広報可能
事項の範囲
受付日時
受付場所
窓口主担当者
対応形式
2005. 9.30. J.M.
その他
14
苦情・支援・クレームへの対応
 会員への苦情
 支部と本部の窓口が受け付け、倫理委員会が対
応する
 会員への支援
 支部と本部の窓口が受け付け、常任理事会等が
対応する
 本会へのクレーム
 本部が受け付け、常任理事会が対応する
2005. 9.30. J.M.
15
利用者・社会
図
誹謗・中傷
実践
社会福祉士
倫理綱領
(約 束)
組 織
処 分
支 援
法律等社会資源
2005. 9.30. J.M.
16
3
つ
の
統シ
合ス
イテ
メム
ーの
ジ
会員への支援の実施システム

目 的


会員が所属する機関・施設等において、利用者の人
権が現に侵害され、又は重大な人権侵害のおそれが
予測される状況において、「利用者の人権尊重」の
遵守を求めた会員への支援の要請に対し、適切に支
援を行う。
基本指針
本会の定める倫理綱領の遵守を前提とし、利用者の
人権の回復への支援の要請に適用する。
 業務改善への取り組みへの支援
 会員本人の身分の保全を求める取り組みへの支援

2005. 9.30. J.M.
17
支援要請の受付等流れ

受付


要請方法


文書、Eメールの提出
受付要件



支部・本部
連絡先、支援要請の背景・理由・内容の明記
支援要請の内容が「会員に対する支援の実施細則(2003.6.6.)」の目
的に合致している
対応期限

常任理事会は支援要請があってから、1ヶ月以内に支援を行うか否
かを決定する。
2005. 9.30. J.M.
18
本会へのクレーム対応システム

目的


受付


常任理事会等
申し出方法


本部事務局
対応機関


本会への会員もしくは会員以外からクレームが発生した際に
対応する。
文書又はEメールで申し出る
受付要件

申し出人の連絡先、クレームの内容が明確であること
2005. 9.30. J.M.
19
社会的な声明等の発信手続き

発案


本会会長が発案し、常任理事会に諮問
常任理事会で協議すべき内容
発案した声明文(案)
 発案した声明文の背景(発案根拠)
 声明文の公表方法(公表媒体)
 回答指定期日
 その他


公表

本会ニュースとホームページには必ず掲載する
2005. 9.30. J.M.
20
会員からの要請による声明文の発案

受付窓口


要請方法


文書もしくはEメールの提出
受付要件




本部事務局
要請者が会員であること
要請する声明文(案)が明記されていること
要請の背景・理由が明記されていること
要請者への審議の結果の報告


採用した場合、公表された声明文で報告にかえる
不採用の場合、常任理事会での協議結果とともに
会長が文書で連絡する
2005. 9.30. J.M.
21
問い合わせ

『会員のしおり』


『規程集2004/2005年度』


全会員に7月に配布
支部長・事務局長・代議員・理事に配布
倫理委員会又は本会へのEメール
[email protected] または [email protected]

本会ホームページ

http://www.jacsw.or.jp/ →「苦情対応窓口」
2005. 9.30. J.M.
22